お役立ちコラム 2026.05.22
卒FIT後はどうする?太陽光を有効活用
ご自宅の屋根に太陽光発電をのせて、もう10年近くになる方も多いのではないでしょうか。 発電して余った電気を電力会社に売る「売電」で、毎月いくらかの収入を得てきたご家庭もたくさんあります。 ところが、その売電のしくみには「10年」という期限があります。 この期限が切れることを「卒FIT」とよびます。
卒FITを迎えると、これまでの売電単価が大きく下がってしまい、売電収入はぐっと少なくなります。 一方で、電気を買うときの料金はここ数年で上がり続けています。 つまり、余った電気は「売る」よりも「自分の家で使う」ほうがおトクになる時代になってきたのです。
この記事では、卒FITとは何かという基礎からはじめて、卒FIT後にとれる選択肢をひととおり整理します。 そのうえで、いま最も注目されている「自家消費」を増やすための方法を、蓄電池やオール電化を中心にくわしくご紹介します。 費用や補助金、税務のポイント、失敗しないためのチェック項目までまとめましたので、ぜひ最後まで読んで、ご家庭にぴったりの使い道を見つけてください。
目次
卒FITとは?基礎知識を押さえよう

まずは「卒FIT」という言葉の意味と、それがご家庭にどんな影響をあたえるのかを確認していきましょう。 ここを押さえておくと、このあとの選択肢の話がぐっと理解しやすくなります。
卒FITの定義|FIT制度の買取期間満了を意味する
FIT制度とは、太陽光や風力などの再生可能エネルギーでつくった電気を、電力会社が決められた価格で一定の期間買い取ることを、国が約束するしくみです。 英語の「Feed-in Tariff(フィード・イン・タリフ)」の頭文字をとって「FIT」とよばれています。 日本語では「固定価格買取制度」といいます。
このFITには、あらかじめ決められた買取期間があります。 一般のご家庭に多い、発電容量が10kW未満の住宅用太陽光発電の場合、その期間は「10年間」です。 そして、この10年の買取期間が満了することを「卒FIT」とよぶのです。
2009年にはじまった太陽光の余剰電力買取制度が、2012年にいまのFIT制度へと引きつがれました。 そのため、2019年の11月から順番に買取期間が満了する家庭が出はじめ、いまでは毎年たくさんの方が卒FITを迎えています。 すでに卒FITしている方も、これから迎える方も、けっして他人事ではない身近なテーマなのです。
卒FITが家庭に与える主な影響
卒FITを迎えると、ご家庭の電気のやりくりにいくつかの変化が生まれます。 なかでも大きいのが「売電単価の下落」と「使い道の見直し」という2つのポイントです。 順番に見ていきましょう。
売電単価が大幅に下落する
卒FIT後にいちばん影響が大きいのが、売電単価の大幅な下落です。 FITが適用されているあいだは、設置した年度ごとに決められた高い単価で電気を買い取ってもらえます。 たとえば2009〜2010年度に設置した方は48円/kWh、2011〜2012年度の方は42円/kWhという、いまでは考えられない高単価でした。
ところが、卒FIT後に大手電力会社へそのまま売電する場合の単価は、おおむね7〜9円/kWh程度です。 中部電力エリアでは8円前後、東京電力エリアでは8.5円といった水準が一般的です。 42円から8円に下がると、なんと売電収入はおよそ8割も減ってしまう計算になります。
下の表は、設置年度ごとのFIT買取単価と、卒FIT後の単価の目安をまとめたものです。 高かった単価が、年を追うごとに下がってきた様子がよく分かります。
| 設置(認定)年度 | FIT買取単価(1kWhあたり) |
|---|---|
| 2009〜2010年度 | 48円 |
| 2011〜2012年度 | 42円 |
| 2013年度 | 38円 |
| 2014年度 | 37円 |
| 2015年度 | 33円 |
| 2016年度 | 31円 |
| 2019年度 | 24円 |
| 卒FIT後(大手電力) | 7〜9円程度 |
※経済産業省 資源エネルギー庁の公表データをもとに作成しています。
参考までに、これから新しく設置する方むけのFIT制度も2026年度に大きく変わりました。 10kW未満の住宅用は、最初の4年間が24円/kWh、残りの6年間が8.3円/kWhという2段階のしくみになっています。 導入してすぐの時期を手厚く支援することで、初期費用を早く回収できるようにするねらいです。
余剰電力の使い道を見直す絶好のタイミング
売電単価が下がると聞くと、がっかりしてしまうかもしれません。 ですが見方を変えれば、卒FITは余った電気の使い道をあらためて考える、またとないチャンスでもあります。
買取期間が満了するおよそ4〜6カ月前になると、契約している電力会社から今後についての案内が届きます。 このとき何も手続きをしないと、原則として今までの会社との契約が自動で更新されます。 手間はかかりませんが、気づかないうちに安い単価のまま売電を続けてしまうおそれがある点には注意が必要です。
せっかく自宅でつくった電気です。 売る相手を見直してより高く買い取ってもらうのか、それとも自分の家でしっかり使い切るのか。 この機会にご家庭のライフスタイルに合わせて、いちばんおトクな使い道を選びなおしましょう。
FITの買取期間を確認する3つの方法
「うちはいつ卒FITになるんだろう」と気になった方のために、買取期間を確かめる方法を3つご紹介します。 どれも特別な準備はいりませんので、気になったらすぐに確認してみてください。
購入実績お知らせサービスで確認
ひとつめは、各電力会社が用意している「購入実績お知らせサービス」を使う方法です。 発電した電気を売っている方むけのサービスで、契約の内容や買取の実績をオンラインで確認できます。 買取期間の満了がいつなのかも、ここでチェックできるケースが多くなっています。
電力会社からの通知メールを確認
ふたつめは、電力会社から届く通知を見のがさない方法です。 買取期間の終わりが近づくと、電力会社から満了のお知らせが届きます。 以前は紙の郵便が中心でしたが、最近は電子メールでの連絡が主流になってきました。
通知が届くのは、満了日のおよそ4〜6カ月前が一般的です。 時期が近づいてきたら、メールの見落としがないよう、いつも以上にていねいに確認するようにしましょう。
契約書の記載内容を確認
みっつめは、自分の手元にある契約書を確認する方法です。 太陽光発電の売電をはじめたときに交わした契約書には、FIT買取期間の満了日がはっきり書かれています。 電力会社からの連絡を待たなくても、契約書さえ見れば自分で満了日を把握できるのです。
こうした大切な書類は、ふだんから整理して、必要なときにすぐ取り出せる場所に保管しておくのがおすすめです。 満了日を早めに知っておけば、あわてずに余裕をもって対策を進められます。
卒FIT後の余剰電力に関する選択肢一覧

卒FIT後、余った電気をどうするか。 じつは選択肢はひとつではありません。 ここでは代表的な使い道を、メリットや特徴とあわせてまとめてご紹介します。
売電を継続するという選択
まず思いつくのが、これまでどおり売電を続けるという選択です。 ひとくちに売電といっても、相手の選び方によって受け取れる金額は変わってきます。 大手電力会社・新電力会社・オフサイトPPAという3つのパターンを見ていきましょう。
大手電力会社で売電を継続するメリットと買取価格
いちばん手軽なのが、いま契約している大手電力会社にそのまま売電を続ける方法です。 多くの場合は契約が自動で更新されるため、面倒な手続きはほとんどいりません。 経営の基盤がしっかりしていて倒産のリスクが低く、長く安心して付き合える点が大きなメリットです。
一方で、買取単価は下がってしまうのが難点です。 2026年時点の大手電力会社の卒FIT後の買取単価は、おおむね次のような水準になっています。
| 電力エリア | 大手電力会社の買取単価(目安) |
|---|---|
| 東京エリア | 8.5円 |
| 中部エリア | 8円 |
| 関西エリア | 8円 |
| 北陸エリア | 8円 |
| 東北エリア | 9円 |
| 中国エリア | 7.15円 |
| 九州エリア | 7円 |
手間をかけたくない方には向いていますが、収入を少しでも増やしたい方には物足りないかもしれません。 自動更新にまかせきりにせず、ほかの選択肢とも比べてみることをおすすめします。
新電力会社へ売電先を変更するメリットと買取価格
もう少し高く買い取ってほしいなら、新電力会社へ売電先を変える方法があります。 新電力会社とは、電力自由化のあとに参入してきた電気の小売事業者のことです。 各社がそれぞれ独自のプランを用意していて、大手より高い単価を提示している会社も少なくありません。
たとえば東海エリアでは、東邦ガスが12.5円(電気とガスのセット契約なら13円)といった単価を出しています。 関東エリアに目を向けると、京葉ガスが13.8円、伊藤忠エネクスグループのエネクスライフサービスが12.5円など、10円台のプランがそろっています。 蓄電池とセットで契約すると、さらに1〜2円ほど単価が上がるプランもあります。
ただし、新電力会社は対応しているエリアや契約条件が会社ごとに異なります。 単価の高さだけで選ぶのではなく、長く安定して買い取ってくれそうかどうかも見きわめましょう。 インターネットやガスとのセット割引が使えるなら、家計全体ではさらにおトクになることもあります。
オフサイトPPAを活用した売電
近年ちゅうもくされているのが「オフサイトPPA」という方法です。 これは、電気をつくる側と使う側が、送電網をとおして電気を直接やりとりするしくみです。 発電する側は大手電力より高い単価で売れる機会が生まれ、使う側はふつうより安く電気を調達できる可能性があります。
コストの削減と、二酸化炭素の排出をおさえる環境への配慮を同時にかなえられるのが強みです。 そのため、多くの企業がこのしくみに関心をよせています。 ただし、一般のご家庭が個人でオフサイトPPAを使う場面はまだ少なく、どちらかといえば事業者むけの選択肢といえるでしょう。
自家消費へ切り替えるという選択
ここまでは「売る」話でしたが、いま最も勢いがあるのが**「自分の家で使う=自家消費」へ切り替える**という選択です。 電気代が上がり続けるなか、売って8円受け取るよりも、買う電気を減らして30〜40円分を節約するほうがおトクになるケースが増えています。
太陽光でつくった電気を昼間にしっかり使い、余った分は蓄電池にためて夜に使う。 こうすれば電力会社から買う電気がぐっと減り、毎月の電気代を大きく下げられます。 自家消費を増やす具体的な方法は、このあとの章でくわしく解説します。
FIP制度への転換という選択
少し専門的な選択肢として、FIP制度への転換もあります。 FIPは「Feed-in Premium」の略で、市場の価格で電気を売り、そこに「プレミアム」とよばれる上乗せ分が加わるしくみです。 うまく使えば、従来の固定価格を上回る収入が得られる可能性があります。
ただし、いつ売るかを自分で判断しなければならず、価格の動きを読む知識も必要です。 家庭用というよりは、ある程度まとまった発電量をあつかう事業者むけの制度といえます。
ローカルコミュニティへ電力供給するという選択
余った電気を、地域のコミュニティに供給するという選択肢もあります。 近くの住民や施設に電気をわけることで、エネルギーを地域のなかで効率よく使えるようになります。 電気を共有する取り組みは、地域のつながりを深め、環境への負担を減らすことにもつながります。
ふるさと納税のしくみを使って、発電した電気を自治体に寄付できるサービスなども登場しています。 収入そのものより、地域への貢献を大切にしたい方に向いた選択肢といえるでしょう。
太陽光発電システムを売却するという選択
状況によっては、太陽光発電システムそのものを売却するのも選択肢のひとつです。 卒FIT後は買取単価が下がるため、発電による収入は減ります。 そのぶん高値での売却はむずかしくなりますが、自家消費できる発電設備として一定の需要は残っています。
とはいえ、ご家庭の屋根にのせた太陽光は、撤去にも費用がかかります。 売却を考える前に、まずは自家消費でしっかり活用できないかを検討してみるのがおすすめです。
卒FIT後におすすめ「自家消費」を増やす方法

ここからは、卒FIT後にもっともおすすめしたい「自家消費」を、どうやって増やしていくかを具体的に見ていきます。 ポイントは、昼間につくった電気をできるだけ昼間に使い、余った分はためて別の時間に使うことです。
なぜ自家消費がそれほどおトクなのか、まずは数字で確認しておきましょう。 卒FIT後に電気を売ると、受け取れるのは1kWhあたり8円前後です。 一方、電力会社から電気を買うときの料金は、使う量にもよりますが1kWhあたりおよそ30〜40円にもなります。
| 余った電気の使い方 | 1kWhあたりの金額イメージ |
|---|---|
| 電力会社に売る(卒FIT後) | 約8円を受け取る |
| 自分の家で使う(買う電気を減らす) | 約30〜40円を節約 |
同じ1kWhの電気でも、売れば8円ですが、自分で使えば30〜40円分の出費をおさえられます。 つまり、売るより使うほうがおよそ4〜5倍おトクになる計算です。 この差こそが、いま自家消費がこれほど注目されている最大の理由なのです。
昼間の電気使用量を増やす工夫
いちばん手軽にはじめられるのが、太陽光が発電している昼間に、電気を使う家事をまとめてしまう工夫です。 洗濯機や食器洗い乾燥機、掃除機などは、よく晴れた日の日中に動かすようにします。 こうするだけで、つくった電気をその場で使い切れて、買う電気を減らせます。
電気自動車(EV)やプラグインハイブリッド車をお持ちなら、昼間に充電するのもよい方法です。 ただし、家にいない時間が長いご家庭では、昼間の使用量を増やすのにも限界があります。 そこで効果を発揮するのが、次にご紹介する蓄電池やオール電化の機器なのです。
蓄電池を導入して時間帯をずらして使う
昼間に使い切れない電気を、夜まで取っておければ理想的です。 それを実現してくれるのが家庭用の蓄電池です。 昼につくってためた電気を、夜や雨の日に使うことで、自家消費を一気に増やせます。
蓄電池の仕組みと特徴
蓄電池は、くりかえし充電して使える電池のことです。 身近なものでいえば、スマートフォンに入っている電池と同じしくみです。 家庭用の据え置き型なら容量も大きく、たくさんの家電を長い時間うごかし続けられます。
蓄電池の大きな魅力は、自家消費率を大幅に引き上げられる点にあります。 太陽光パネルだけの場合、つくった電気のうち自分の家で使えるのは3〜4割ほどといわれています。 ところが蓄電池を組み合わせると、その割合は7〜8割まで高められるのです。
さらに、地震や台風で停電したときに、非常用の電源として使える点も見のがせません。 ためておいた電気で照明や冷蔵庫、スマホの充電などをまかなえるので、災害への備えとしても心強い設備です。 電気を「つくる・ためる・つかう」という流れを家庭内で完結させ、できるだけ電気を買わない暮らしを実現できます。
蓄電池導入時の注意点
便利な蓄電池ですが、導入の前に確認しておきたい点もあります。 ひとつめは、いま使っているパワーコンディショナー(パワコン)との**相性(互換性)**です。 組み合わせが合わないと、うまく運用できないことがあるため、事前の確認が欠かせません。
ふたつめは、蓄電池には充放電をくりかえせる回数に上限(サイクル寿命)がある点です。 長く使うほど少しずつ容量は減っていきます。 そのため、保証の期間や内容をしっかり確認し、容量が一定以下になったときに無償で修理や交換を受けられるかをチェックしておくと安心です。
機器選びや設置で迷ったときは、太陽光と蓄電池の両方にくわしい専門の会社に相談しましょう。 ご家庭の電気の使い方をシミュレーションしたうえで、最適な容量や機種を提案してもらえます。
EVリフォーム(V2H機器)の導入
電気自動車をお持ちの方や、これから購入を考えている方には、「EVリフォーム」という選択肢もあります。 これは、EVの大きなバッテリーを家庭用の蓄電池として活用するための工事です。 そのために必要になるのが「V2H機器」です。
V2Hの仕組みと蓄電池との違い
V2Hは「Vehicle to Home(ビークル・トゥ・ホーム)」の略で、車にためた電気を家に戻して使う考え方をさします。 V2H機器は、車と家のあいだで電気を行き来させるための、ハブのような役割をはたします。 昼間に使い切れなかった電気をEVにためておき、夜や雨の日に家の電気として使えるしくみです。
家庭用の据え置き蓄電池の容量が3〜12kWh程度なのに対し、EVのバッテリーは約10〜100kWhと、けたちがいに大容量です。 そのため、停電のときには家じゅうの電気を数日ぶんまかなえることもあります。 ためた電気は車を走らせる力にもなるので、ガソリン代のかわりに走行コストの節約にもつながります。
ただし、すべてのEVがV2Hに対応しているわけではありません。 お手持ちの車種、またはこれから買う車種が対応しているかを、事前に必ず確認しておきましょう。 下の表は、蓄電池とV2Hの主なちがいをまとめたものです。
| 項目 | 家庭用蓄電池 | V2H(EVリフォーム) |
|---|---|---|
| 蓄電できる容量 | 3〜12kWh程度 | 約10〜100kWh(EV次第) |
| 設置の前提 | EVは不要 | EVまたはPHEVが必要 |
| 災害時の心強さ | 数時間〜1日程度 | 数日ぶんまかなえることも |
| 向いている人 | 車を持たない/買う予定がない方 | EVを持っている/買う予定の方 |
エコキュートで余剰電力をお湯に変換
蓄電池やV2Hが「電気のまま」ためる方法だとすれば、余った電気を**「お湯」に変えてためる**のがエコキュートです。 給湯は、家庭で使うエネルギー全体のおよそ3分の1を占めるといわれています。 ここを太陽光の電気でまかなえれば、節約の効果はとても大きくなります。
「おひさまエコキュート」と一般的なエコキュートの違い
エコキュートのなかでも、卒FIT対策に特におすすめなのが「おひさまエコキュート」です。 一般的なエコキュートとの最大のちがいは、お湯を沸かす「時間帯」にあります。
ふつうのエコキュートは、電気料金の安い夜間にお湯を沸かすのが基本です。 ダイキンの説明によると、昼間に沸かす機能がついた機種でも、消費電力量の半分以上は夜間に沸かす必要があり、昼の太陽光だけではまかないきれないとされています。 一方のおひさまエコキュートは、太陽光がよく発電する昼間にお湯を沸かすのが前提のしくみです。
昼につくった電気をそのままお湯づくりに回せるため、電力会社から電気を買わずにすみます。 余った電気を売って8円受け取るより、その電気でお湯を沸かして給湯費をまるごと節約するほうが、はるかにおトクなのです。
昼間の暖かい空気でお湯を沸かし消費電力量を削減
おひさまエコキュートには、昼に沸かすからこそのメリットがもうひとつあります。 それは、消費する電力量そのものが少なくてすむことです。
エコキュートは、空気の熱をくみ上げてお湯を沸かす「ヒートポンプ」という技術を使っています。 このヒートポンプは、まわりの空気が暖かいほど効率よくはたらきます。 気温の低い夜中よりも、暖かい昼間に沸かすほうが、少ない電気でしっかりお湯をつくれるというわけです。
タンクでの放熱ロスが少ない仕組み
ふたつめのメリットは、ためたお湯の「放熱ロス」が少ない点です。 夜中に沸かしたお湯は、朝や夜に使うまでのあいだ、タンクのなかで少しずつ冷めていきます。 この冷めてしまう分が放熱ロスです。
おひさまエコキュートは、昼に沸かして夕方以降に使うため、沸かしてから使うまでの時間が短くてすみます。 そのぶんお湯が冷めにくく、ムダなく使えるのです。 小さなちがいに見えますが、毎日のことなので積み重なると大きな差になります。
エコキュートは10年経過したら買替えの検討を
10年ほど前に太陽光発電を入れた際、いっしょにオール電化にしてエコキュートを設置したご家庭も多いはずです。 じつは、エコキュートの寿命の目安はおよそ10年といわれています。 ちょうど卒FITを迎えるタイミングと重なるご家庭が少なくありません。
10年をこえると部品の製造が終わっていることもあり、故障しても修理できないおそれが出てきます。 「ある日とつぜんお湯が出なくなって困る」といった事態をさけるためにも、卒FITを機に買い替えを検討するのがおすすめです。 新しくするなら、太陽光と相性のよいおひさまエコキュートへ切り替えると、自家消費の効果をさらに高められます。
卒FIT対策にかかる費用と活用できる補助金

自家消費の機器に興味がわいてきても、気になるのはやはり費用でしょう。 ここでは、蓄電池とV2Hの導入費用の目安と、負担を軽くしてくれる補助金についてまとめます。
蓄電池の導入費用の目安
家庭用蓄電池の費用は、容量や機種、設置する家の状況によって変わります。 2026年時点の相場としては、工事費こみで1kWhあたりおよそ15〜20万円が目安です。 一般家庭で人気の4〜12kWhの容量帯なら、総額でおおむね80〜220万円ほどになります。
平均的なところでは、容量12kWh前後の蓄電池を本体と工事をあわせて210万円程度で導入するケースが多くなっています。 容量が大きいほど、1kWhあたりの単価は割安になる傾向があります。 ご家庭の電気の使い方に合った容量を選ぶことが、ムダのない投資につながります。
EVリフォーム(V2H)の導入費用の目安
V2Hの費用は、選ぶ機器によって幅があります。 主要なV2H機器の本体価格はおよそ100〜150万円で、ここに30〜40万円ほどの工事費が加わります。 家庭用蓄電池を買うのと近い金額感ですが、EVの大容量バッテリーを活かせるぶん、災害時の安心感は大きくなります。
すでにEVをお持ちの方なら、蓄電池を新たに買うよりもV2Hのほうがおトクになりやすいといえます。 これからEVの購入も考えているなら、車と家のエネルギーをまとめて見直すよい機会になるでしょう。
国や自治体による補助金制度
蓄電池やV2Hは決して安い買い物ではありませんが、国や自治体の補助金を使えば負担を大きく減らせます。 制度は毎年見直され、予算がなくなり次第しめ切られるものも多いため、最新の情報をこまめに確認することが大切です。
国によるV2H補助金の概要
V2Hには、経済産業省による国の補助金(CEV補助金など)が用意されています。 2026年度も、機器の購入費と工事費をあわせて最大65万円程度の補助が受けられます。 例年、新年度の4月以降に新しい募集がはじまり、申請の受付期間は1〜2カ月と短めなので、早めの準備がおすすめです。
自治体によるV2H補助金の概要
国の補助金とは別に、都道府県や市区町村が独自の補助金を出していることもあります。 条件を満たせば国と自治体の補助金を併用できるケースもあり、その場合は負担をさらに軽くできます。 お住まいの地域でどんな制度があるか、都道府県と市区町村の両方を必ず確認しておきましょう。
蓄電池に関する補助金の活用ポイント
蓄電池でよく使われるのが、国の「DR補助金(DR家庭用蓄電池事業)」です。 電力の需給を調整する取り組みに協力することを条件に、蓄電池の導入を支援する制度で、2026年度は1申請あたり最大60万円が目安となっています。 そのほか、断熱リフォームなどとあわせて使える住宅省エネ関連の補助金や、各自治体独自の補助金もあります。
補助金は種類が多く、併用できるものとできないものがあるため、自分で調べきるのは大変です。 こうした申請は、設置をおこなう販売・施工会社がサポートしてくれることが少なくありません。 補助金にくわしい会社に相談すれば、使える制度をもらさず活用でき、実質の負担額をしっかりおさえられます。
卒FIT前後で押さえておきたい税務のポイント

卒FITの前後では、税金の取りあつかいにも変化が生まれることがあります。 知らずに申告をまちがえてしまわないよう、基本だけでも押さえておきましょう。
FIT期間中の税務の取り扱い
FITの期間中に得た売電収入は、所得税と住民税の対象になります。 個人の場合、売電収入はほかの所得と合算され、金額によっては確定申告が必要です。 あわせて、お住まいの自治体への住民税の申告も求められます。
なお、太陽光発電の設備にかかった費用は、減価償却費や維持管理費として経費にできる場合があります。 これらを正しく計上すれば、課税される所得をおさえて節税につなげられます。 心配な方は、税理士などの専門家に相談しながら進めると安心です。
FIT終了後(卒FIT後)の税務の取り扱い
卒FIT後は売電収入そのものが大きく減るため、税金への影響もこれまでとは変わってきます。 条件によっては、一部の売電収入が課税の対象にならない場合もあります。 ただし、適用される条件は地域や状況によって異なります。
自家消費に切り替えた場合は、そもそも売電収入が少なくなるぶん、税務の手続きもシンプルになりやすいといえます。 正確なところは、地元の税務署や税理士に確認するのが確実です。 卒FITを迎える前に一度相談しておくと、あとであわてずにすみます。
卒FIT後の選択で失敗しないためのチェックポイント

選択肢が多いぶん、「結局どれを選べばいいの?」と迷ってしまう方も多いはずです。 そこで、後悔のない選択をするためのチェックポイントを3つにしぼってお伝えします。
余剰電力量と自家消費可能量を把握する
まずは、ご家庭がどれくらい電気を余らせていて、どれくらい自分で使えるのかを知ることが出発点です。 昼間に家を空けることが多いのか、それとも在宅時間が長いのかで、最適な対策は変わってきます。 過去の検針票や売電の明細を見れば、おおよその傾向がつかめます。
余剰電力が多いご家庭ほど、蓄電池やオール電化で自家消費に回せる「のびしろ」が大きくなります。 まずは現状を正しく把握し、そのうえで必要な機器や容量を考えていきましょう。
初期費用と長期的な経済メリットを比較する
蓄電池やV2Hには、まとまった初期費用がかかります。 ですから、目先の金額だけでなく、10年・15年という長い目で見たトータルの収支で考えることが大切です。 電気代の節約額、補助金、災害への備えとしての安心感まで含めて、総合的に判断しましょう。
電気代は今後も上がっていく可能性があります。 だとすれば、自家消費による節約のメリットは、年を追うごとに大きくなっていくとも考えられます。 「いま使うといくら得か」だけでなく、「これから先どうなるか」まで見すえて選ぶのがコツです。
信頼できる業者・販売店に相談する
最後に、そして最も大切なのが、信頼できる相談先を見つけることです。 ご家庭ごとに、屋根の形も電気の使い方も、最適な機器も補助金もちがいます。 だからこそ、一人ひとりの状況に合わせて提案してくれるパートナーが欠かせません。
このとき頼りになるのが、太陽光・蓄電池・オール電化を幅広くあつかい、提案から施工、メンテナンスまで一貫して任せられる会社です。 複数のメーカーを比べたうえで、シミュレーションにもとづいて最適なプランを出してくれる会社なら安心です。 補助金の申請までサポートしてくれるかどうかも、選ぶときの大事なポイントになります。
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卒FIT後に関するよくある質問
最後に、卒FITについて多く寄せられる質問にお答えします。 迷っている点があれば、ここで解消しておきましょう。
卒FITを迎えても何もしないとどうなる?
何も手続きをしなかった場合、原則として今までの電力会社との買取契約が自動で更新されます。 契約自体は続くので電気が使えなくなることはありませんが、安い単価のまま売電を続けることになります。 なかには無償に近い形で引き取られてしまうケースもあるため、放置はおすすめできません。
少なくとも一度は、売電先の見直しや自家消費への切り替えを検討してみましょう。 何もしないことが、いちばんもったいない選択になりかねません。
売電と自家消費はどちらがお得?
電気代が高くなっている今は、多くのご家庭で自家消費のほうがおトクになります。 売っても受け取れるのは1kWhあたり8円前後ですが、その電気を自分で使えば30〜40円分の出費をおさえられるからです。 ただし、昼間にほとんど家にいないご家庭などでは、自家消費に回しきれず売電が向く場合もあります。
大切なのは、ご家庭の電気の使い方に合わせて判断することです。 余剰電力の量や在宅時間をふまえて、売電と自家消費のバランスを考えましょう。
蓄電池とV2Hはどちらを選ぶべき?
ざっくりとした目安は、EVを持っているか、これから買う予定があるかどうかです。 すでにEVをお持ちなら、その大容量バッテリーを活かせるV2Hのほうが効率的で、災害時の安心感も高まります。 一方、車を持っていない、あるいは買う予定がないご家庭には、設置の前提が少ない蓄電池が向いています。
どちらも初期費用はそれなりにかかるため、補助金の活用が前提になります。 ご家庭の状況によって最適解は変わりますので、迷ったときは専門の会社にシミュレーションを依頼するのが近道です。
つくる・ためる・つかうをワンストップで支えるTREND LINE

ここまで見てきたとおり、卒FIT後の暮らしをおトクにする鍵は、太陽光でつくった電気をいかにムダなく自家消費するかにあります。 蓄電池やV2H、おひさまエコキュートといった機器選び、ご家庭の電気の使い方に合わせた容量の見きわめ、種類が多くて複雑な補助金の申請——これらをひとつひとつ的確に判断するには、専門の知識と豊富な施工の経験が欠かせません。 「うちはいつ卒FITを迎えるのか確認したい」「売電を続けるか自家消費に切り替えるか迷っている」「蓄電池とV2Hのどちらが合うかシミュレーションしてほしい」「使える補助金をもらさず活用したい」とお考えの方は、ぜひTREND LINEにご相談ください。
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| ステップ | 内容 |
|---|---|
| 1.お問い合わせ | 現状の電気使用状況・ご要望をヒアリング |
| 2.シミュレーションデータの作成 | 発電量・電気代削減効果を数値で可視化 |
| 3.導入プラン・お見積りのご提案 | 最適な機器構成と費用を明確に提示 |
| 4.施工・各種申請 | 丁寧な施工と補助金申請などのサポート |
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まとめ|卒FIT後はご家庭に合った最適な選択を

卒FITを迎えると、これまでの売電収入は大きく減ってしまいます。 ですが、それはマイナスなことばかりではありません。 余った電気の使い道を見直し、暮らしをより賢くアップデートするチャンスでもあるのです。
選択肢は、大手電力での売電継続、新電力への乗り換え、オフサイトPPA、自家消費への切り替えなどさまざまです。 そのなかでも、電気代が上がり続ける今は、蓄電池やオール電化を使った自家消費がもっともおすすめです。 売って8円受け取るより、自分で使って30〜40円分を節約するほうが、はるかにおトクだからです。
太陽光でつくった電気を、蓄電池やおひさまエコキュートでためて、必要なときに使う。 この「つくる・ためる・つかう」のサイクルを整えれば、電気代の高騰にも停電にも強い、安心で経済的な暮らしが実現します。 卒FITをきっかけに、ぜひご家庭にいちばん合った最適な選択を見つけてください。
費用や補助金、最適な機器の組み合わせでお悩みの方は、太陽光・蓄電池・オール電化を一貫してご提案できる私たちTREND LINEまで、どうぞお気軽にご相談ください。
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TRENDLINE編集部
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