お役立ちコラム 2026.02.10
太陽光パネル屋根の塗装ポイントと注意点まとめガイド最新版
「太陽光パネルがのっている屋根って、塗装はどうすればいいの?」
この疑問をもつ方は、年々ふえています。 住宅に太陽光パネルを設置するケースが広がるにつれ、屋根塗装とパネルの両立に悩むオーナーが増加しているからです。 とくに築10年を超えたあたりから、塗膜のはがれや色あせが目立ちはじめ、メンテナンスの時期が気になりだすものでしょう。
けれども、太陽光パネル付き屋根の塗装は通常の屋根塗装とは手順が異なります。 パネルを傷つけないための施工ルール、高圧洗浄の可否、さらにはパネルの脱着にかかる追加費用など、事前に知っておくべきポイントがいくつもあるのです。 「知らなかった」では済まされないトラブルを防ぐためにも、正しい知識を身につけておくことが大切といえます。
本記事では、太陽光パネルがある屋根の塗装について、タイミングの見きわめ方から施工時の注意点、さらに塗装後にパネルを導入する場合のチェック項目まで、幅広く解説していきます。 これから屋根の塗り替えを検討している方も、太陽光の導入を考えている方も、ぜひ最後まで読み進めてみてください。
目次
太陽光パネル付き屋根塗装の基本とタイミング

太陽光パネルが設置された屋根であっても、塗装のメンテナンスは欠かせません。 パネルの下にある屋根材そのものは、紫外線や雨風の影響をうけ続けています。 ここでは、屋根塗装をおこなう目安の時期と、パネルの有無でどのように塗装範囲や費用が変わるのかを整理します。
屋根塗装の目安時期と劣化サインの考え方
一般的に、屋根塗装のメンテナンス周期は約10〜15年が目安とされています。 ただし、この数字はあくまで平均であり、屋根材の種類や使用している塗料のグレード、そして地域の気候条件によって大きく前後します。
たとえば、シリコン塗料であれば耐用年数は10〜13年ほどですが、フッ素塗料なら15〜20年もつケースもあります。 下の表に、塗料ごとのおおまかな耐用年数をまとめました。
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塗料の種類 |
耐用年数の目安 |
特徴 |
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ウレタン塗料 |
7〜10年 |
コストは安いが耐久性はやや低い |
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シリコン塗料 |
10〜13年 |
コストと耐久性のバランスがよく人気 |
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フッ素塗料 |
15〜20年 |
高耐久だが初期費用が高め |
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無機塗料 |
20〜25年 |
もっとも長もちだが費用も最高クラス |
それでは、実際にどのようなサインが見えたら塗り替えを検討すべきなのでしょうか。 以下のような劣化のサインをチェックしてみてください。
- 屋根の色があきらかに褪せてきた(チョーキング現象:指でさわると白い粉がつく)
- 塗膜がひび割れたり、はがれたりしている箇所がある
- コケや藻が目立つようになった
- 屋根材そのものにヒビや欠けが確認できる
太陽光パネルがある屋根の場合、パネルの下は直射日光や雨を受けにくいため劣化が遅いという特徴があります。 一方で、パネルの周囲や露出している部分は通常どおり劣化が進みます。 このように同じ屋根面でも劣化の進行に差が生じるため、見た目だけで判断せず、専門の業者に点検してもらうことが重要です。
また、太陽光パネルを設置してから10年以上が経過している場合は、パネル自体の点検と屋根塗装を同時におこなうのが効率的です。 足場の仮設は1回で済みますし、パネルの配線やコネクタの劣化チェックもあわせて実施できます。 足場の費用は一般的な住宅で15万〜25万円ほどかかるため、まとめて工事するだけでかなりの節約につながるでしょう。
パネル「設置前/設置後」で変わる塗装範囲と費用感
屋根塗装の進め方は、太陽光パネルを設置する前なのか、すでに設置した後なのかで大きく変わります。 それぞれのケースについて、塗装範囲と費用の違いを見ていきましょう。
まず、パネルを設置する「前」に塗装をおこなうケースです。 この場合は、屋根全体をむらなく塗装できるため、施工としてはもっともシンプルといえます。 通常の屋根塗装費用の相場は、30坪程度の住宅で40万〜80万円ほどです。 パネルの脱着がないぶん、追加のコストも発生しません。
一方、パネルがすでに設置された「後」に塗装をおこなう場合は、パネルを一時的に取りはずす必要が出てきます。 パネルの脱着費用は1枚あたり2万〜3万円が相場で、一般的な住宅で20〜30枚のパネルが載っている場合は、脱着だけで20万〜50万円の追加費用がかかることもあります。
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施工パターン |
塗装費用の目安(30坪) |
パネル脱着費用 |
合計費用の目安 |
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パネル設置前に塗装 |
40万〜80万円 |
なし |
40万〜80万円 |
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パネル設置後に塗装(脱着あり) |
40万〜80万円 |
20万〜50万円 |
60万〜130万円 |
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パネル設置後に塗装(脱着なし) |
20万〜50万円 |
なし |
20万〜50万円 |
パネルを取りはずさずに塗装する方法もあります。 パネルの周囲や露出面だけを塗装する「部分塗装」という選択肢です。 費用はおさえられますが、パネルの下の屋根材は塗り替えられないため、長期的に見ると下地の劣化リスクが残ります。
どちらを選ぶかは、屋根材の状態と予算のバランスで判断するのがよいでしょう。 パネル下の屋根材にもすでに劣化が進んでいる場合は、脱着をしてでも全面塗装をおこなうことを強くおすすめします。 反対に、パネルの設置からまだ数年しか経っておらず、下地の状態がよいのであれば、部分塗装で費用をおさえるのもひとつの手段です。
いずれにせよ、太陽光パネル付きの屋根塗装では見積もりの段階で「脱着の有無」「塗装範囲」を明確にしておくことが、あとあとのトラブル回避につながります。 複数の業者から見積もりを取り、内訳を細かく比較することが大切です。
塗装工事で失敗しないための注意点

太陽光パネル付きの屋根塗装は、通常の屋根塗装よりも気をつけるべきポイントが多くなります。 パネルを破損させてしまえば、修理費用がかさむだけでなく、発電量の低下にもつながりかねません。 ここでは、施工時に守るべきルールと、洗浄や工事後の確認で見落としがちなポイントを解説します。
パネルを傷めない施工ルール(踏まない・ぶつけない等)
屋根塗装の現場では、職人が屋根の上を歩きまわりながら作業を進めます。 しかし、太陽光パネルが設置されている屋根では、パネルの上に乗ったり、工具をぶつけたりしないよう細心の注意が必要です。
太陽光パネルの表面は強化ガラスで覆われていますが、これは限られた方向からの荷重に対応しているにすぎません。 人が踏んだり、足場の部材を落としたりすると、マイクロクラックと呼ばれる目に見えない小さなひび割れが生じるおそれがあります。 マイクロクラックは発見しにくいうえ、発電効率を徐々に低下させるやっかいな不具合です。
以下に、パネルを傷めないために守るべき施工ルールを整理しました。
- パネルの上には絶対に乗らない(体重がかかるとセルが破損する)
- 足場の組み立て・解体時にパネルへ部材を接触させない
- 塗料や溶剤がパネル表面にかからないよう、しっかり養生する
- パネルの配線やコネクタの上に工具や資材を置かない
- 作業中はパネル周辺に緩衝材を敷くなど、落下物による衝撃を防止する
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注意が必要な行為 |
起こりうるトラブル |
対策 |
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パネルの上に乗る |
セルの破損・マイクロクラック |
作業動線をパネルの外側に設定する |
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足場部材の接触 |
フレームのゆがみ・ガラス割れ |
足場とパネルの距離を十分にとる |
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塗料の飛散 |
表面の汚れによる発電効率低下 |
養生シートでパネル全体をカバーする |
|
配線への接触 |
断線・ショートのリスク |
配線の位置を事前に確認し共有する |
施工業者を選ぶ際には、太陽光パネル付き屋根の塗装実績があるかどうかを必ず確認してください。 経験のない業者に依頼すると、パネルへの配慮が不十分なまま作業が進められてしまうことがあります。 過去の施工事例や写真を見せてもらい、パネルに対してどのような養生・保護をおこなっているかをチェックするのがよいでしょう。
さらに、パネルの脱着を伴う工事の場合は、脱着作業を電気工事士の資格をもつ専門スタッフがおこなうかどうかもポイントです。 太陽光パネルは直流の高電圧が発生しているため、資格のない作業者が扱うと感電や火災のリスクが高まります。 見積もりの段階で「誰がパネルの脱着を担当するのか」を確認しておくことを強くおすすめします。
洗浄・養生・工事後確認(高圧洗浄NG/発電チェック)
屋根塗装の工程では、まず高圧洗浄で汚れやコケを除去するのが一般的な流れです。 しかし、太陽光パネル付きの屋根では、高圧洗浄の扱い方に十分な注意が求められます。
具体的には、パネル本体への高圧洗浄は原則NGです。 その理由は主に3つあります。
- パネルとフレームのすき間から水が侵入し、内部の配線やコネクタがショートする危険性がある
- 高圧の水流がパネル表面のコーティングを傷めるおそれがある
- パネルの固定金具やシーリング部分に過度な水圧がかかると、防水性が損なわれる
パネルの表面を洗浄したい場合は、やわらかいスポンジと中性洗剤を使った手洗いがもっとも安全です。 屋根材そのものの高圧洗浄はおこなっても問題ありませんが、ノズルの向きがパネルに向かないよう注意する必要があります。
養生の工程では、パネル全体をしっかりとシートで覆います。 このとき、養生テープをパネルのガラス面に直接貼るのは避けてください。 テープの粘着剤が残り、発電効率に影響をあたえることがあるためです。 フレーム部分にテープを貼るか、シートをかぶせる形で養生するのがベストな方法といえます。
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工程 |
パネルがない屋根 |
パネルがある屋根 |
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高圧洗浄 |
屋根全面にOK |
パネル本体にはNG(屋根材のみ) |
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養生 |
窓・外壁を中心に実施 |
パネル全体をシートで保護 |
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塗装 |
全面塗装 |
パネル下は脱着後、または部分塗装 |
|
工事後確認 |
塗りむら・はがれの確認 |
発電量チェックを追加で実施 |
そして、見落としがちなのが工事後の発電量チェックです。 塗装工事が完了したら、パネルの発電が正常におこなわれているかを必ず確認してください。 モニタリングシステムがある場合は、工事前と工事後の発電データを比較するのがもっとも確実です。
とくにパネルの脱着をおこなった場合は、再設置時に配線の接続ミスやコネクタの差し込み不良が起きることがあります。 工事完了後1週間ほどは発電データをこまめにチェックし、異常がないか確認する習慣をつけましょう。
万が一、発電量が工事前より大きく低下している場合は、施工業者と太陽光パネルの設置業者の両方に連絡を取り、原因の調査を依頼してください。 工事完了から日数が経ってしまうと、原因の特定や保証の適用がむずかしくなるため、早めの対応が肝心です。
屋根塗装後に太陽光導入する人のチェック項目

屋根塗装を済ませてから、あらためて太陽光パネルの設置を検討するケースも少なくありません。 「せっかく屋根をきれいにしたのだから、このタイミングでパネルものせたい」と考えるのは自然なことでしょう。 ただし、太陽光パネルを設置するにはいくつかの条件をクリアする必要があります。 ここでは、設置に向く条件と、とくにカバー工法の屋根で注意すべきポイントを取り上げます。
設置に向く条件(方角・日影・屋根下地の強度)
太陽光パネルの設置効果を最大限に引き出すには、屋根の方角、日影の状況、そして下地の強度を総合的に判断することが欠かせません。
まず、もっとも発電効率がよいとされるのは真南向きの屋根面です。 南面に設置した場合の年間発電量を100%とすると、東面・西面は約85%、北面は約65%にとどまるとされています。 北面はとくに発電量が落ちるうえ、近隣への光害(反射光)トラブルが起きやすいため、設置を避けるのが一般的です。
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屋根の方角 |
発電効率の目安(南面を100%として) |
設置の推奨度 |
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南面 |
100% |
もっとも推奨 |
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東面 |
約85% |
条件次第で推奨 |
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西面 |
約85% |
条件次第で推奨 |
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北面 |
約65% |
原則として非推奨 |
つぎに、日影の問題です。 周囲の建物や樹木によって屋根面に影が落ちると、その部分の発電量が大きく低下します。 とくに注意したいのは、冬場の日影です。 太陽高度がさがる冬季は影が長くなるため、夏場には問題なくても冬場に大きな影がかかることがあります。 設置前のシミュレーションでは、年間をとおした日影の変化を考慮してもらうよう業者に依頼しましょう。
そして、見落とされがちなのが屋根下地の強度です。 太陽光パネルは1枚あたり約15〜20kgの重さがあり、20枚設置すると300〜400kgもの荷重が屋根にかかります。 築年数が経っている住宅では、下地の野地板や垂木が劣化していることもあるため、パネルの荷重に耐えられるかを必ず事前に調べてもらう必要があります。
以下のような条件に当てはまる場合は、設置前により詳しい調査が推奨されます。
- 築20年以上で、これまでに屋根のリフォームを一度もおこなっていない
- 雨漏りの跡や、天井のシミが確認できる
- 屋根裏を確認した際に、垂木のたわみや腐食がある
- 過去に大きな台風や地震の被害をうけたことがある
屋根塗装を終えたばかりであれば、塗装業者から屋根の状態に関するレポートをもらっておくとスムーズです。 その情報を太陽光の設置業者に共有することで、二重の点検コストを省けるメリットもあります。
屋根カバー工法は要注意(固定方法と落下リスクの確認)
近年人気が高まっている**屋根カバー工法(重ね葺き工法)**ですが、太陽光パネルの設置を考えている場合は慎重な判断が求められます。
カバー工法とは、既存の屋根材の上に新しい屋根材をかぶせる工法です。 既存の屋根材を撤去する手間がないため、工期が短く、費用もおさえられるというメリットがあります。 しかし、太陽光パネルを設置するとなると、いくつかの注意点が出てきます。
もっとも大きな問題は、パネルの固定方法です。 通常、太陽光パネルは屋根材を貫通するビスやボルトを使い、下地の垂木にしっかりと固定します。 ところがカバー工法の屋根では、既存の屋根材と新しい屋根材の二重構造になっているため、ビスが垂木まで届かないケースがあるのです。
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工法 |
パネル固定のしやすさ |
注意点 |
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通常の葺き替え |
高い(垂木に直接固定できる) |
とくになし |
|
カバー工法 |
やや低い(二重構造のため要確認) |
ビスの長さ・固定強度の検証が必要 |
|
既存屋根材にそのまま設置 |
屋根材による |
古い屋根材の強度劣化に注意 |
固定が不十分なまま設置すると、台風や強風の際にパネルがはがれ、落下事故につながるおそれがあります。 実際に、国内でも固定不良によるパネルの飛散事故が報告されており、消費者庁からも注意喚起がなされています。
カバー工法の屋根に太陽光パネルを設置する場合は、以下のポイントをかならず確認してください。
- カバー工法の屋根である旨を、太陽光パネルの設置業者に事前に伝える
- ビスの長さが十分かどうかを業者に計算・確認してもらう(二重構造ぶんの厚みを考慮)
- 既存の屋根材の劣化状態も確認し、荷重に耐えられるか判断する
- 設置後の耐風圧試験の実施や保証内容を書面で確認する
- 可能であれば、カバー工法の施工をおこなった業者と太陽光設置業者の双方に立ち会ってもらう
さらに、カバー工法を施したあとに屋根塗装をおこなうのか、それとも塗装をしてからパネルを設置するのかという順番の問題も忘れてはなりません。 基本的には、「塗装を先に済ませてからパネルを設置する」のがもっとも合理的です。 パネルを先に設置してしまうと、あとからの塗り替え時に脱着費用が発生し、コストが膨らむ原因になります。
屋根の工事は一度おこなえば10年以上はもつものですから、「先に塗装、次にパネル」の順番を意識して計画を立てることが、長い目で見たときの費用対効果を高めるコツです。
まとめ

太陽光パネル付きの屋根塗装は、通常の屋根塗装にくらべて配慮すべきポイントが多い工事です。 しかし、正しい知識をもち、信頼できる業者に依頼すれば、パネルを傷つけることなくきれいな屋根を取り戻せます。
本記事の要点を最後にふり返っておきましょう。
- 屋根塗装の目安は築10〜15年。パネルの下は劣化が遅いが、周囲は通常どおり劣化が進む
- パネル設置後の塗装では脱着費用が20万〜50万円ほど追加になるため、見積もり時に範囲と費用を明確にする
- 施工時はパネルを踏まない・ぶつけない・塗料をかけないの3原則を守り、高圧洗浄はパネル本体には使わない
- 工事後は必ず発電量をチェックし、異常があれば早めに業者へ連絡する
- これからパネルを導入するなら、方角・日影・屋根下地の強度を総合的に判断する
- カバー工法の屋根は固定方法に注意し、ビスの長さや耐風圧性能を事前に確認する
屋根は住まいをまもる大切な部分であり、太陽光パネルは家計と環境にやさしいエネルギーの源です。 その両方を長くよい状態でたもつために、計画的なメンテナンスと正しい施工を心がけてください。
迷ったときは一人で判断せず、太陽光パネルの専門業者と屋根塗装の専門業者の両方に相談するのがもっとも確実な方法です。 まずは複数の業者から見積もりを取るところから、はじめてみてはいかがでしょうか。
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