お役立ちコラム 2025.04.17
家庭用蓄電池の寿命は何年?種類別の目安と長持ちのコツ

目次
家庭用蓄電池の寿命の目安
リチウムイオン蓄電池の寿命
リチウムイオン蓄電池は、家庭用蓄電池の中で最も一般的に使われている種類です。
その寿命は、およそ10年から15年程度と言われています。
ただし、これはあくまで目安であり、使用環境や充放電の頻度などによって、寿命に差が出ることがあります。
リチウムイオン蓄電池は、充放電を繰り返すことで徐々に容量が低下していくという特性があります。
一般的に、初期容量の70%程度まで低下した時点で、寿命を迎えたと判断されることが多いようです。
ただ、寿命を迎えたからといって、すぐに使用できなくなるわけではありません。
容量が低下しても、ある程度の蓄電は可能なので、用途に合わせて継続して使用することができるでしょう。
鉛蓄電池の寿命
鉛蓄電池は、リチウムイオン蓄電池と比べると、やや寿命が短いと言われています。
一般的な目安としては、5年から10年程度とされています。
鉛蓄電池の寿命は、主に「サイクル寿命」と「カレンダー寿命」の2つの指標で表されます。
サイクル寿命は、充放電の回数に着目した寿命です。
一般的な鉛蓄電池のサイクル寿命は、500回から1,000回程度と言われています。
一方、カレンダー寿命は、使用年数に着目した寿命です。
こちらは、先ほど述べたように5年から10年程度とされています。
鉛蓄電池は、リチウムイオン蓄電池と比べると、充放電に伴う容量の低下が早いという特徴があります。
このため、サイクル寿命とカレンダー寿命の両方を考慮して、寿命を判断する必要があるでしょう。
NAS(ナトリウム硫黄)蓄電池の寿命
NAS蓄電池は、ナトリウムと硫黄を用いた高温型の蓄電池です。
リチウムイオン蓄電池や鉛蓄電池と比べると、比較的長寿命であるという特徴があります。
一般的なNAS蓄電池の寿命は、15年から20年程度と言われています。
NAS蓄電池は、高温(300℃前後)で動作するため、充放電に伴う劣化が少ないと考えられています。
また、自己放電も非常に少ないため、長期間の保存が可能です。
ただし、高温で動作するため、安全性の確保が重要になります。
また、リチウムイオン蓄電池や鉛蓄電池と比べると、コストが高いというデメリットもあります。
このため、家庭用の蓄電池としては、まだ普及が進んでいないのが現状です。
寿命を表す単位(充放電サイクル数と年数)
蓄電池の寿命を表す単位としては、主に「充放電サイクル数」と「年数」の2つがあります。
【充放電サイクル数】
充放電サイクル数は、蓄電池を完全に充電し、再び完全に放電するまでを1サイクルとしてカウントします。
前述の通り、鉛蓄電池のサイクル寿命は500回から1,000回程度、リチウムイオン蓄電池のサイクル寿命は5,000回から6,000回程度とされています。
【年数】
年数は、蓄電池の使用期間を表す単位です。
一般的なリチウムイオン蓄電池の寿命は10年から15年程度、鉛蓄電池は5年から10年程度とされています。
ただし、これらの数値はあくまで目安であり、実際の寿命は使用環境や充放電の頻度などによって大きく異なります。
また、サイクル数と年数は必ずしも一致するわけではありません。
たとえば、1日1回の充放電を行う場合、5,000サイクルの蓄電池の寿命は約13年になります。
一方、1日2回の充放電を行う場合は、寿命は約6年となります。
このように、充放電サイクル数と年数を総合的に判断することが、蓄電池の寿命を正しく理解するためのポイントと言えるでしょう。
蓄電池の種類による寿命の違い
家庭用蓄電池には、大きく分けて3つの種類があります。リチウムイオン蓄電池、鉛蓄電池、そしてNAS蓄電池です。
それぞれの蓄電池には特徴があり、寿命にも違いがあります。
ここでは、それぞれの蓄電池の特徴と寿命について詳しく見ていきましょう。
リチウムイオン蓄電池の特徴と寿命
リチウムイオン蓄電池は、現在最も普及している蓄電池の種類です。
スマートフォンやノートパソコンなどにも使われており、私たちの生活に身近な存在と言えるでしょう。
リチウムイオン蓄電池の大きな特徴は、エネルギー密度が高いことです。
つまり、同じ体積や重量の蓄電池と比べて、より多くの電力を蓄えることができるのです。
このため、限られたスペースでも大容量の蓄電池を設置することができ、家庭用の蓄電池に適しています。
また、リチウムイオン蓄電池は、メンテナンスが不要で、長寿命であるというメリットもあります。
一般的なリチウムイオン蓄電池の寿命は、約5,000サイクルから6,000サイクル程度と言われています。
仮に1日1回の充放電を行った場合、約13年から16年程度使用することができる計算になります。
ただし、この寿命はあくまで目安であり、使用環境や充放電の頻度によって変化します。
たとえば、高温の環境下で使用し続けると、寿命が短くなる可能性があります。
逆に、適切な温度管理を行い、過充電や過放電を避けることで、寿命を延ばすことができるでしょう。
鉛蓄電池の特徴と寿命
鉛蓄電池は、リチウムイオン蓄電池が普及する以前から使われている、歴史の長い蓄電池です。
現在でも、安価であることから、バックアップ電源などに使われています。
鉛蓄電池の特徴は、大電流の放電に強いことです。
このため、エンジンの始動など、瞬間的に大きな電力が必要な用途に適しています。
一方で、リチウムイオン蓄電池と比べると、エネルギー密度が低いという弱点があります。
同じ容量の蓄電池を作ろうとすると、体積や重量が大きくなってしまうのです。
また、鉛蓄電池は、リチウムイオン蓄電池と比べて寿命が短いとされています。
一般的な鉛蓄電池の寿命は、約500サイクルから1,000サイクル程度です。
仮に1日1回の充放電を行った場合、約1年半から3年程度で寿命を迎えることになります。
ただし、この寿命は深い放電(過放電)を行った場合の目安です。
浅い放電で使用することで、寿命を延ばすことができます。
たとえば、容量の50%程度までしか使用しないようにすれば、2,000サイクル以上の寿命を期待できるでしょう。
NAS蓄電池の特徴と寿命
NAS蓄電池は、ナトリウム(Na)と硫黄(S)を使った高温型の蓄電池です。
リチウムイオン蓄電池や鉛蓄電池と比べると、まだ一般的ではありませんが、大規模な蓄電システムなどに使われ始めています。
NAS蓄電池の最大の特徴は、長寿命であることです。
一般的なNAS蓄電池の寿命は、約4,500サイクルと言われています。
1日1回の充放電を行った場合、約12年程度使用することができる計算になります。
また、NAS蓄電池は、高温で動作するため、放電時の電圧降下が少ないというメリットもあります。
このため、大電力を必要とする用途に適しています。
一方で、高温で動作するため、安全性の確保が重要になります。
万が一、電解質が漏れた場合、火災や爆発の危険性があるのです。
このため、NAS蓄電池を使う際は、十分な安全対策が必要不可欠です。
また、高温で動作するため、ランニングコストが高くなるというデメリットもあります。
常に300℃以上の温度を維持する必要があるため、電力消費が大きくなるのです。
このように、NAS蓄電池は長寿命という大きなメリットがある一方で、安全性やコストの面で課題もあります。
今後、これらの課題が解決されれば、大規模な蓄電システムとして普及が進むことが期待されています。
蓄電池の寿命を延ばす使い方のポイント
家庭用の蓄電池は、正しく使用すれば、長く使い続けることができます。
しかし、間違った使い方をしてしまうと、寿命が大幅に短くなってしまう可能性があるのです。
ここでは、蓄電池の寿命を延ばすための使い方のポイントについて詳しく見ていきましょう。
適切な設置環境の選択と、過充電・過放電の防止が、特に重要なポイントとなります。
適切な設置環境の選択
蓄電池の寿命を延ばすためには、適切な環境に設置することが大切です。
特に、直射日光や高温多湿を避けること、そして換気の良い場所に設置することが重要なポイントとなります。
以下で、それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
直射日光や高温多湿を避ける
蓄電池は、高温に非常に弱い特性があります。
特にリチウムイオン蓄電池は、高温になるほど劣化が進みやすくなります。
したがって、直射日光が当たる場所や、高温多湿な環境は避けるべきです。
理想的には、気温が15℃〜25℃程度で、湿度が45%〜85%程度の環境に設置することをおすすめします。
また、夏場の気温が高くなる時期は、日陰など、なるべく涼しい場所を選ぶことも大切です。
室内に設置する場合は、エアコンなどで適切な温度管理を行うことが望ましいでしょう。
換気の良い場所に設置する
蓄電池を設置する際は、換気の良い場所を選ぶことも重要なポイントです。
蓄電池は、充放電の際に若干の熱を発しますが、この熱がこもってしまうと、蓄電池の温度が上昇し、劣化を早めてしまう可能性があります。
したがって、風通しの良い場所に設置することで、熱がこもらないようにすることが大切です。
また、万が一、蓄電池から可燃性のガスが漏れた場合に備えて、換気が十分にできる環境であることも重要なポイントと言えるでしょう。
ただし、湿気や水分の多い場所は避ける必要があります。
結露などによって蓄電池内部に水分が入り込むと、故障や劣化の原因になってしまいます。
過充電・過放電の防止
蓄電池の寿命を延ばすためには、過充電と過放電を防止することが非常に重要です。
過充電とは、蓄電池が満充電の状態になっているにもかかわらず、さらに充電を続けてしまうことを指します。
一方、過放電とは、蓄電池を使い切った状態で放置してしまうことを指します。
リチウムイオン蓄電池の場合、過充電をすると、内部の電解液が分解されてガスが発生し、膨張や発火の危険性があります。
また、過放電をすると、内部の電極が劣化し、充電できなくなってしまう可能性があります。
したがって、蓄電池を使用する際は、満充電や空の状態で長時間放置しないことが大切です。
具体的には、以下のようなことに気をつけましょう。
【過充電・過放電を防止するポイント】
– 蓄電池の充電は、90%程度までにとどめる
– 蓄電残量が20%以下になったら、なるべく早く充電する
– 長期間使用しない場合は、50%程度まで充電した状態で保管する
なお、最近の蓄電池システムの多くは、過充電・過放電を防止する保護機能が備わっています。
しかし、故障などによって保護機能が働かない可能性もゼロではありません。
日頃から上記のポイントを意識して、適切な使い方を心がけることが大切だと言えるでしょう。
適切な充電量の設定
蓄電池の過充電を防ぐためには、適切な充電量を設定することが重要です。
多くの蓄電池システムには、充電量を設定するための機能が備わっています。
この設定値を、蓄電池の容量に対して80%〜90%程度にしておくことをおすすめします。
満充電まで充電してしまうと、過充電によって蓄電池の劣化が早まる可能性があるためです。
ただし、この設定値はあくまで目安です。
蓄電池の種類や使用環境によって、最適な値は異なります。
蓄電池のマニュアルや、メーカーの推奨値を参考にして、適切な充電量を設定することが大切だと言えるでしょう。
また、蓄電池の充電は、小まめに行うことも重要なポイントです。
充電量が少なくなってから充電するのではなく、こまめに充電することで、過放電を防ぐことができます。
完全放電の頻度を減らす
蓄電池の寿命を延ばすためには、完全放電の頻度を減らすことも大切です。
完全放電とは、蓄電池の充電量が0%になるまで使い切ってしまうことを指します。
リチウムイオン蓄電池の場合、完全放電を繰り返すと、内部の電極が劣化し、容量が低下してしまう可能性があります。
したがって、蓄電池の充電量が20%以下になったら、なるべく早めに充電することをおすすめします。
ただし、現在の蓄電池システムの多くは、完全放電を防止するための保護機能が備わっています。
この機能によって、蓄電池の充電量が一定以下になると、自動的に放電が停止されます。
しかし、保護機能が働くギリギリまで使い続けることは、蓄電池への負担が大きいと言えます。
日頃から充電量に気を配り、完全放電を避けるように心がけることが大切でしょう。
定期的なメンテナンスの実施
蓄電池の寿命を延ばすためには、定期的なメンテナンスも欠かせません。
具体的には、バッテリー残量の定期的な確認と、端子部分の清掃と点検が重要なポイントとなります。
以下で、それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
バッテリー残量の定期的な確認
蓄電池の残量を定期的に確認することは、過放電を防ぐために重要です。
多くの蓄電池システムには、残量を表示するための機能が備わっています。
この表示を1ヶ月に1回程度確認し、残量が少なくなっていないかチェックしましょう。
また、残量が20%以下になっている場合は、早めに充電することをおすすめします。
ただし、残量表示は、あくまで目安であることを忘れてはいけません。
蓄電池の種類や、使用状況によっては、表示と実際の残量がずれている可能性もあります。
残量表示だけでなく、蓄電池の使用状況や、充電・放電の頻度なども考慮しながら、総合的に判断することが大切です。
端子部分の清掃と点検
蓄電池の端子部分は、経年劣化や酸化によって接触不良を起こす可能性があります。
接触不良が発生すると、充電効率の低下や、発熱などの問題を引き起こす可能性があります。
したがって、定期的に端子部分を清掃し、点検することが大切です。
具体的には、以下のような手順で清掃と点検を行います。
【端子部分の清掃と点検の手順】
1. 蓄電池の電源を切り、端子カバーを取り外す
2. 端子部分に汚れや腐食がないか目視で確認する
3. 汚れや腐食がある場合は、乾いた布やブラシで取り除く
4. 端子部分を清浄な布で拭き、乾燥させる
5. 端子カバーを取り付け、蓄電池の電源を入れる
なお、端子部分の清掃と点検は、1年に1回程度の頻度で行うことをおすすめします。
ただし、設置環境によっては、より頻繁な清掃と点検が必要な場合もあります。
特に、塩害や大気汚染の影響を受けやすい地域では、3ヶ月〜6ヶ月に1回程度の頻度で行うことが望ましいでしょう。
日頃から蓄電池の状態に気を配り、適切なメンテナンスを行うことが、寿命を延ばすための重要なポイントと言えます。
寿命を迎えた蓄電池の交換と処分
家庭用蓄電池は、適切なメンテナンスを行えば、長く使い続けることができます。
しかし、いずれは寿命を迎える時が来るでしょう。
ここでは、寿命を迎えた蓄電池の交換と処分について詳しく見ていきます。
寿命の判断基準や、交換時期の目安、適切な処分方法の選択など、重要なポイントを押さえておきましょう。
寿命の判断基準
蓄電池の寿命は、一般的に「calendar life(カレンダー寿命)」と「cycle life(サイクル寿命)」の2つの指標で判断されます。
カレンダー寿命は、蓄電池の製造年月日からの経過年数を表します。
一方、サイクル寿命は、充放電の回数(サイクル数)を表します。
蓄電池の種類によって、カレンダー寿命とサイクル寿命の目安は異なりますが、一般的には以下のような基準が用いられています。
【リチウムイオン蓄電池の寿命の目安】
– カレンダー寿命:10〜15年
– サイクル寿命:5,000〜6,000サイクル
【鉛蓄電池の寿命の目安】
– カレンダー寿命:5〜10年
– サイクル寿命:500〜1,000サイクル
ただし、これらの数値はあくまで目安であり、使用環境や充放電の頻度によって大きく変化します。
また、カレンダー寿命とサイクル寿命のどちらか一方だけで寿命を判断するのではなく、両方の指標を総合的に考慮することが大切です。
たとえば、カレンダー寿命が10年の蓄電池でも、毎日深い充放電を繰り返していれば、5年程度でサイクル寿命に達してしまう可能性があります。
逆に、サイクル寿命が5,000回の蓄電池でも、使用頻度が低ければ、15年以上使い続けられるかもしれません。
日頃から蓄電池の状態を注視し、カレンダー寿命とサイクル寿命の両方を考慮しながら、寿命を総合的に判断することが重要だと言えるでしょう。
交換時期の目安
では、具体的にどのような状態になったら、蓄電池を交換すべきなのでしょうか。
一般的には、以下のような状態が見られたら、交換時期が近づいていると判断できます。
【蓄電池の交換時期の目安】
– 満充電にしても、使用できる時間が著しく短くなった
– 充電に非常に長い時間がかかるようになった
– 充電してもすぐに電圧が下がるようになった
– 蓄電池から異臭がする、あるいは変形や液漏れが見られる
ただし、これらの症状は、必ずしも寿命を意味するわけではありません。
特に、満充電時の使用時間の短さや、充電時間の長さは、劣化の早期サインである可能性があります。
このような症状が見られたら、まずは蓄電池のメンテナンスを行ってみましょう。
具体的には、端子部分の清掃や、充電量の設定値の見直しなどを行います。
それでも症状が改善されない場合は、メーカーや販売店に相談することをおすすめします。
専門家による診断を受けることで、正確な寿命の判断と、適切な交換時期を知ることができるでしょう。
適切な処分方法の選択
寿命を迎えた蓄電池は、適切な方法で処分する必要があります。
特にリチウムイオン蓄電池は、リサイクル可能な貴重な資源を含んでいるため、むやみに廃棄してはいけません。
また、不適切な処分方法を選択すると、環境汚染や火災のリスクがあります。
したがって、寿命を迎えた蓄電池は、以下のような方法で処分することをおすすめします。
【蓄電池の適切な処分方法】
– メーカーや販売店に引き取ってもらう
– 自治体の指定する方法で処分する
– リサイクル業者に委託する
メーカーや販売店への引き取りが可能な場合は、最も簡単で安全な方法だと言えます。
多くのメーカーでは、寿命を迎えた蓄電池の引き取りとリサイクルを行っています。
引き取り条件や手順については、メーカーや販売店に直接問い合わせてみましょう。
自治体の指定する方法で処分する場合は、お住まいの地域のルールに従うことが大切です。
多くの自治体では、蓄電池を「特定家電」や「小型家電」として分別回収しています。
分別方法や回収日程については、自治体の環境部門やごみ収集担当に問い合わせてみましょう。
リサイクル業者への委託は、自治体での回収が難しい場合の選択肢となります。
ただし、リサイクル業者の選択は慎重に行う必要があります。
適切な許可を持ち、環境に配慮した処理を行っている業者を選ぶことが大切です。
業者選びに迷ったら、メーカーや販売店に相談してみるのもよいでしょう。
寿命を迎えた蓄電池を適切に処分することは、環境保護と資源の有効活用につながります。
処分方法を選択する際は、安全性と環境への配慮を第一に考えることが重要です。
長持ちする家庭用蓄電池の選び方
家庭用蓄電池は、長期間使い続けることを前提とした製品です。
せっかく導入するなら、できるだけ長持ちする蓄電池を選びたいものですよね。
ここでは、長持ちする家庭用蓄電池の選び方について詳しく解説します。
ニーズに合った容量の選択、メーカー保証の内容確認、単機能型とハイブリッド型の特徴理解など、重要なポイントを押さえておきましょう。
ニーズに合った容量の選択
家庭用蓄電池を選ぶ際は、まずはニーズに合った容量を選ぶことが大切です。
容量が小さすぎると、想定していた電力をまかなえない可能性があります。
逆に、容量が大きすぎると、無駄な投資になってしまうおそれがあります。
適切な容量の選択は、長持ちする蓄電池を選ぶ上で重要なポイントと言えるでしょう。
具体的には、以下のような手順で容量を選ぶことをおすすめします。
【容量選択の手順】
1. 1日の電力使用量を把握する
2. 停電時に必要な電力量を算出する
3. 太陽光発電システムとの連携を考慮する
4. 将来的な電力使用量の変化を想定する
5. 必要容量に対して2割程度の余裕を持たせる
1日の電力使用量は、過去の電力料金の明細を参考に算出します。
季節による変動を考慮し、1年間の平均値を使うとよいでしょう。
停電時に必要な電力量は、冷蔵庫や照明など、最低限必要な機器の消費電力から算出します。
また、太陽光発電システムを導入している場合は、発電量を考慮に入れましょう。
将来的な電力使用量の変化は、家族構成の変化や、電化製品の買い替えなどを想定します。
必要容量に対して2割程度の余裕を持たせることで、無理のない運用が可能になります。
以上の手順で算出した容量を基準に、家庭用蓄電池を選ぶことをおすすめします。
メーカー保証の内容確認
家庭用蓄電池を選ぶ際は、メーカー保証の内容を確認することも大切です。
保証期間が長いほど、安心して長期間使い続けられます。
また、保証内容の充実度は、製品の品質の高さを表す指標とも言えるでしょう。
家庭用蓄電池の保証には、主に以下のような項目があります。
【家庭用蓄電池の主な保証項目】
– 製品保証:製品の不具合に対する無償修理や交換
– 容量保証:一定期間経過後の容量低下に対する補償
– 出力保証:一定期間経過後の出力低下に対する補償
– 災害時保証:自然災害による損傷に対する修理や交換
これらの保証項目について、保証期間と保証内容の詳細を確認しておくことが大切です。
特に、容量保証と出力保証は、蓄電池の性能に直結する重要な項目です。
たとえば、「10年後に初期容量の70%以上を保証する」といった具体的な数値が示されているかどうかを確認しましょう。
また、保証を受けるための条件や、保証対象外となるケースについても把握しておく必要があります。
メーカーによって保証内容は異なるため、複数の製品を比較検討することをおすすめします。
単機能型とハイブリッド型の特徴理解
家庭用蓄電池には、大きく分けて単機能型とハイブリッド型の2種類があります。
それぞれの特徴を理解し、自分のニーズに合ったタイプを選ぶことが大切です。
単機能型は、蓄電池単体で動作する最もシンプルなタイプです。
小型・軽量で設置が簡単なため、スペースの限られた住宅にも導入しやすいというメリットがあります。
一方、ハイブリッド型は、蓄電池とパワーコンディショナーが一体化したタイプです。
パワーコンディショナーは、太陽光発電システムから得た直流電力を交流電力に変換する機器です。
ハイブリッド型は、太陽光発電システムとの連携が容易という大きなメリットがあります。
発電した電力を効率的に蓄電池に充電できるため、エネルギーの有効活用が可能です。
また、停電時には蓄電池から電力を供給しつつ、太陽光発電も継続できるため、長期間の電力確保が可能です。
ただし、ハイブリッド型は単機能型と比べて価格が高くなる傾向があります。
また、パワーコンディショナーの設置スペースが必要なため、設置場所の制約があるというデメリットもあります。
単機能型とハイブリッド型、それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分のニーズに合ったタイプを選びましょう。
長持ちする家庭用蓄電池を選ぶためには、容量やメーカー保証、タイプの特徴など、さまざまな角度から検討することが大切です。
導入には大きな投資が必要になるため、慎重に選ぶことをおすすめします。
また、専門家やメーカーに相談することで、より適切な選択ができるでしょう。
家庭用蓄電池は、長期的な視点で選ぶことが重要です。
自分のニーズと将来の変化を見据えて、賢く選択してくださいね。
まとめ – 適切な使用と維持管理で蓄電池を長持ちさせよう
家庭用蓄電池は、適切な使い方と維持管理を行うことで、長持ちさせることができます。
本記事では、蓄電池の寿命に影響を与える要因や、長持ちさせるためのポイントについて詳しく解説してきました。
蓄電池の種類によって寿命の目安は異なりますが、リチウムイオン蓄電池であれば10年から15年程度、鉛蓄電池であれば5年から10年程度が一般的です。
ただし、これはあくまで目安であり、使用環境や充放電の頻度によって大きく変化することを忘れてはいけません。
蓄電池を長持ちさせるためには、適切な設置環境の選択と、過充電・過放電の防止が特に重要です。
直射日光や高温多湿を避け、換気の良い場所に設置することで、蓄電池の劣化を防ぐことができます。
また、過充電・過放電は蓄電池の大敵です。
適切な充電量の設定と、定期的な残量確認を行うことで、トラブルを未然に防ぐことができるでしょう。
寿命を迎えた蓄電池は、適切な方法で交換・処分する必要があります。
使用時間の短さや充電時間の長さといった 劣化のサインを見逃さないことが大切です。
また、リサイクルや自治体の回収など、環境に配慮した処分方法を選ぶことも重要なポイントです。
家庭用蓄電池は、導入するだけでなく、その後の使い方と維持管理が長持ちのカギを握ります。
適切な容量の選択と、メーカー保証の確認も忘れずに行いましょう。
単機能型とハイブリッド型、それぞれの特徴を理解することも大切です。
家庭用蓄電池は、私たちの生活に欠かせないエネルギーインフラとなりつつあります。
大切な投資だからこそ、長く使い続けられるよう、適切な使用と維持管理を心がけましょう。
環境に優しく、経済的なエネルギー生活を送るために、家庭用蓄電池を上手に活用していきたいですね。
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