お役立ちコラム 2025.02.28
マンション・アパートの屋上・バルコニーに太陽光発電を設置する方法と注意点
目次
マンション・アパートで太陽光発電を設置する方法
共用部分への設置と自家消費
マンションやアパートの 共用部分に太陽光発電を設置する ことで、得られた電力を共用部分の電力として活用できます。例えば、エントランスやエレベーター、廊下などの照明に使うことで、共用部分の電気代を大幅に削減できるでしょう。
これにより、 マンションの管理費を抑えられるだけでなく 、入居者への請求金額も抑えることができます。他のマンションとの差別化にもつながるため、オーナー様にとってもメリットが大きい方法だと言えます。
各部屋での電力使用
太陽光発電で得られた電力を、入居者の部屋に振り分けて使うこともできます。
各部屋の電気代負担を減らせるため、 物件の付加価値を高められる でしょう。
その結果、賃料収入のアップにもつながります。
ただし、後付けで各部屋に振り分ける場合は、配線工事などが必要になり、コストがかかってしまうデメリットもあります。
新築の場合は、最初から各部屋への配線を組み込んでおくと、スムーズに導入できるでしょう。
売電による収入アップ
発電した電力を売電することで、売電収入を得られます。
これにより、 マンションの収益性を高める ことができるでしょう。
ただし、売電には条件があります。
以下の表に、売電の条件をまとめました。
発電容量 | 売電方式 |
---|---|
10kW未満 | 余剰電力買取制度 |
10kW以上50kW未満 | Feed-in Tariff制度 |
50kW以上 | 入札制度 |
発電容量が50kW以上の場合は、入札制度での全量売電が可能ですが、50kW未満の場合は、余剰電力のみの買取となります。
10kW以上50kW未満の場合はFeed-in Tariff制度が利用でき、単価は一般的に高めに設定されています。
オーナー宅での活用
マンションやアパートのオーナーが自宅に住んでいる場合は、オーナー宅のみで発電した電力を使うこともできます。
これにより、 オーナー自身の電気代を削減できる だけでなく、余剰電力を売電して収入を得ることも可能です。
以下に、オーナー宅で活用する場合の方法をまとめました。
【オーナー宅での活用方法】
– オーナー宅の電力をまかなう
– 使い切れない電力は売電する
– 将来的に発電量が増えた場合に備えて、蓄電池を導入しておく
以上のように、マンションやアパートに太陽光発電を設置する方法はいくつかあります。
物件の条件や、オーナー様の目的に合わせて、最適な方法を選ぶことが重要だと言えるでしょう。
マンション・アパートでの太陽光発電の設置メリット
マンションやアパートに太陽光発電システムを導入することで、様々なメリットが得られます。
ここでは、その中でも特に重要な2つのメリットについて詳しく解説していきましょう。
土地の有効活用と物件の付加価値向上
マンションやアパートの屋上や屋根は、普段はほとんど利用されていないデッドスペースとなっていることが少なくありません。
そのような 空きスペースに太陽光発電システムを設置することで、土地を有効活用 することができるのです。
さらに、太陽光発電が設置されたマンションやアパートは「環境にやさしい物件」としての付加価値が生まれます。
昨今の環境意識の高まりを考えると、そのような付加価値は入居者の心をつかむ重要なポイントになるでしょう。
物件の付加価値が高まることで、 他の物件との差別化を図ることができ、競争力のアップ にもつながります。
BELS(建築物省エネルギー性能表示制度)の活用
電力消費量の削減は、民生部門における地球温暖化対策の重要なテーマの1つとなっています。
国土交通省では、省エネルギー性能が優れた建築物について、第三者評価による認証マークを表示するBELS(建築物省エネルギー性能表示制度)を推進しています。
物件にBELSの認証マークを取得することで、その 環境性能の高さを対外的にアピール できます。
太陽光発電システムを導入することで、このBELS認証を取得しやすくなるというメリットもあるのです。
節税効果と災害対策
太陽光発電システムを導入した物件のオーナーは、その導入費用を経費に計上して、節税効果を得ることができます。
太陽光発電設備の減価償却期間は17年と定められています。
つまり、導入初年度から17年間にわたって、 その費用を少しずつ経費に計上できる というわけです。
長い目で見れば、かなりの節税効果が期待できるでしょう。
また、太陽光発電は「創エネ」の視点から、災害対策としても大きな意味を持ちます。
地震などの災害時に停電が発生しても、太陽光発電システムを自立運転モードに切り替えることで、必要な電力を確保できるのです。
「ライフラインを確保できる物件」というのも大きな付加価値 となります。
蓄電池との併用がおすすめ
災害時のみならず、夜間などの発電できない時間帯も考慮すると、蓄電池との併用がおすすめです。
太陽光発電システムに蓄電池を組み合わせることで、昼間に発電した電力を蓄電池に充電しておき、必要な時に使用することができます。
これにより、日中の晴天時だけでなく、 夜間や雨天時にも安定的に電力を供給可能 になるのです。
災害への備えをさらに万全なものにできるだけでなく、電力の自給自足率を高められるため、将来的な電気代の節約にもつながります。
以上のように、太陽光発電システムの設置には税制面や付加価値の面で大きなメリットがあると言えるでしょう。
マンション・アパートに太陽光発電を設置する際の注意点
マンションやアパートに太陽光発電システムを導入する際には、いくつかの注意点があります。
スムーズに導入を進めるためにも、事前に以下の点について確認・検討しておくことが重要です。
入居者の承諾と避難経路の確保
マンションやアパートに太陽光発電システムを設置する場合、 入居者全員の承諾が必要不可欠 です。
特に賃貸物件の場合、入居者の入れ替わりがあるため、その都度承諾を得る必要があるでしょう。
また、分譲マンションの場合は、管理組合の承認が必要です。
総会での決議を経る必要があるため、 理事会や管理組合との調整に時間がかかる ケースもあります。
もう1つ重要なのが、避難経路の確保です。
太陽光パネルを設置する際は、災害時の避難経路をふさがないよう十分に注意しなければなりません。
ベランダやバルコニーは、 入居者全員の避難経路となる共用部分 であるため、その機能を損なわないよう配慮が必要不可欠です。
初期費用と全世帯への電力供給の課題
マンションやアパートに太陽光発電システムを導入する際、初期費用の高さが課題となるケースが少なくありません。
大規模なマンションであればあるほど、必要なパネル数も増えるため、 イニシャルコストが膨らんでしまう のです。
長期的には光熱費の削減などメリットも大きいのですが、初期投資の負担が大きいと、なかなか導入に踏み切れないのが現状でしょう。
また、発電した電力を全世帯に供給することも技術的に難しいケースがあります。
一般的なマンションの屋上に設置できるパネル数には限りがあるため、 全世帯分をまかなうだけの発電量を確保できない のです。
さらに、電力を各部屋に供給するための配線工事なども必要になるため、コストがかさむという課題もあります。
追加工事の可能性
マンションやアパートへの太陽光発電システムの設置工事は、屋根の形状などによっては、 当初想定していた以上の追加工事が発生する可能性 があります。
例えば、パネルを設置するために、屋根の補強工事が必要になるケースです。
築年数が経過したマンションなどでは、そのような事態も十分に考えられます。
追加工事が必要になると、工期が延びるだけでなく、 費用も大幅に膨らんでしまう 恐れがあります。
事前のシミュレーションを入念に行い、関係各所とも綿密に打ち合わせをしておくことが重要だと言えるでしょう。
以上のように、マンションやアパートへの太陽光発電システム導入には、 入居者の理解と合意形成、初期費用の負担、設置工事の課題など、様々な注意点 があります。
それらを十分に理解・検討した上で、導入を進めていく必要があるのです。
マンション・アパートに太陽光発電を導入する手順
マンションやアパートに太陽光発電を導入する際の手順は、物件の種類によって異なります。
ここでは、賃貸マンション、分譲マンション、新築マンションのそれぞれのケースについて、 導入までの流れを詳しく解説 していきましょう。
太陽光発電の導入を検討している管理会社の方や、マンションオーナーの方は、ぜひ参考にしてみてください。
賃貸マンションの場合
賃貸マンションに太陽光発電システムを導入する場合、オーナーが主導して進めることになります。
ただし、いくつか事前に確認・対応しておくべき点があります。
まず、 入居者全員の同意を得ること が重要です。
設置工事による騒音や、工事期間中の通行規制など、入居者の生活に影響が出る可能性があるためです。
また、導入後の電気料金の変更について、入居者に丁寧に説明し、理解を得ておく必要もあります。
賃貸借契約の変更が必要になるケースもあるため、 管理会社や管理人とも緊密に連携 を取りながら進めていくことが求められます。
分譲マンションの場合
分譲マンションに太陽光発電を導入する場合は、管理組合の承認が必要不可欠です。
まず、 総会での決議を経る必要 があります。
導入の目的や、メリット・デメリットを丁寧に説明し、合意形成を図っていく必要があるでしょう。
また、工事業者の選定や、工事内容・スケジュールの確認なども、管理組合主導で進めていくことになります。
管理会社や、マンション管理士などの専門家に相談しながら進めると、スムーズに進行できるはずです。
費用負担の方法なども、あらかじめ話し合っておくことが重要です。
修繕積立金の取り崩しや、長期修繕計画への組み込みなども検討課題となるでしょう。
新築マンションの場合
新築マンションであれば、 建築の段階から太陽光発電を組み込む ことができます。
建築主の意向で導入を決定できるため、スピーディーに進めることが可能です。
設計段階から太陽光パネルの設置場所や、配線ルートを最適化できるため、より効率的なシステムを構築できるでしょう。
また、付加価値の高い「環境配慮型マンション」としての訴求力を持たせることができ、 販売面でもメリットが期待できます 。
ただし、コストの問題は避けられません。
太陽光発電の導入コストを分譲価格に転嫁する必要があるため、 事業収支への影響も考慮 しなければなりません。
需要動向や、入居者の価値観をきちんと見極めた上で、慎重に判断することが求められるでしょう。
以上のように、マンションやアパートへの太陽光発電の導入手順は、物件の種類によって大きく異なります。
それぞれの物件の特性を理解した上で、適切な方法で導入を進めていくことが重要です。
バルコニー・ベランダでのソーラー発電の実践例
マンションやアパートのバルコニーやベランダで、小規模な太陽光発電を行う事例が増えています。
ここでは、そのような オフグリッドタイプのソーラー発電システムについて、主要パーツの解説やシステム構成の例 などを交えながら、詳しく解説していきます。
バルコニーでの太陽光発電に挑戦してみたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
オフグリッド太陽光発電の主要パーツ
オフグリッド太陽光発電システムを構築するためには、いくつかの主要パーツが必要です。
ここでは、その中でも特に重要な4つのパーツについて解説します。
太陽電池パネル、チャージコントローラー、ディープサイクルバッテリー、インバータ
太陽電池パネルは、言うまでもなくシステムの根幹をなすパーツです。
最近では、フレキシブルタイプの薄型パネルも販売されており、狭いスペースでも設置しやすくなっています。
チャージコントローラーは、太陽電池で発電した電力を、バッテリーに適切に充電するための制御装置です。
バッテリーの過充電や過放電を防止する保護機能も備えています。
ディープサイクルバッテリーは、繰り返し充放電に強いタイプの蓄電池です。
鉛蓄電池やリチウムイオン電池などが使用されます。
インバータは、バッテリーからの直流電力を、家電製品が使用可能な交流電力に変換する機器です。
コンセントを備えたタイプを選べば、一般的な電化製品をそのまま使用できます。
以上の4つが、オフグリッド太陽光発電システムの主要パーツと言えるでしょう。
システム構成と機器の設置方法
主要パーツを組み合わせ、オフグリッド太陽光発電システムを構成します。
基本的には、以下のような流れで接続していきます。
【オフグリッド太陽光発電システムの基本構成】
1. 太陽電池パネルを、日当たりのよい場所に設置する
2. パネルからの配線を、チャージコントローラーに接続する
3. チャージコントローラーとバッテリーを接続する
4. バッテリーとインバータを接続する
5. インバータに、使用する機器を接続する
機器の設置に際しては、 安全面に十分配慮する 必要があります。
特に、バッテリーは大電流が流れるため、 感電や漏電、ショートなどに注意 が必要です。
また、配線の接続は確実に行い、 接続部分の絶縁処理も忘れずに 行いましょう。
必要に応じて、ブレーカーやヒューズなどの保護機器を組み込むことも重要です。
発電量の記録と活用
せっかく発電した電力を有効活用するためには、発電量を記録し、そのデータを分析することが大切です。
最近は、発電量や消費電力を自動的に記録してくれる機器も販売されています。
そのようなデータを活用することで、以下のようなメリットがあります。
【発電量記録の活用メリット】
– 最適なパネル設置場所や角度を見極められる
– バッテリー残量を常に把握でき、使用電力の管理がしやすくなる
– 発電量が少ない日や時間帯を把握でき、節電に役立てられる
– 将来的なシステム増強の判断材料になる
太陽光発電を行う目的は人それぞれ異なりますが、発電データをきちんと記録・分析することで、より効果的にシステムを活用できるはずです。
以上、バルコニーやベランダでの太陽光発電について、主要パーツの解説やシステム構成例などを交えてご紹介しました。
小規模なシステムであっても、自分で電気を作る喜びは格別です。
ぜひ、太陽光発電の実践にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
まとめ
今回は、マンションやアパートへの太陽光発電システムの導入について、様々な角度から詳しく解説してきました。
太陽光発電は、昨今の脱炭素社会への動きを背景に、ますます重要性が高まっているテーマだと言えるでしょう。
マンションやアパートへの導入には、いくつかの課題もありますが、オーナーと入居者双方にとって大きなメリットをもたらす取り組みであることは間違いありません。
発電した電力を共用部で使用することで、管理費の削減につなげられるほか、災害時の非常用電源としても活用できます。
さらに、「環境にやさしい物件」としての付加価値を高められる点も見逃せません。
導入の際には、入居者の理解を得ることや、適切な施工業者選びなど、クリアすべき課題もありますが、専門家の力を借りながら、一歩ずつ進めていくことが大切です。
また、バルコニーやベランダなどの限られたスペースでも、小規模なオフグリッド発電なら実践できる可能性があります。
発電のしくみを理解し、適切な機器を選んで、安全に設置することがポイントになるでしょう。
太陽光発電は、設置後も定期的なメンテナンスや、発電データのチェックが欠かせません。
発電効率を高め、システムを末永く活用していくためにも、こうした地道な活動を継続していくことが求められます。
マンションやアパートでの太陽光発電は、まだまだ一般的とは言えない状況ですが、脱炭素社会の実現に向けた大きな一歩になるはずです。
集合住宅だからこそできる取り組みを、オーナーと入居者が協力して進めていくことで、よりよい未来を切り拓いていけるのではないでしょうか。
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