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お役立ちコラム

停電時の蓄電池活用術と太陽光連携ガイド【家電容量と注意点】

地震や台風といった自然災害がきっかけで、突然の停電に見舞われるケースは決してめずらしくありません。

2019年の台風15号では千葉県を中心に最大約93万戸が停電し、完全復旧までおよそ3週間かかった地域もありました。

こうした長期停電を経験すると、「冷蔵庫の中身がすべてダメになった」「スマホが充電できず情報が得られなかった」「真夏にエアコンが使えず体調を崩しかけた」といった深刻な声が数多く聞こえてきます。

そこでいま注目されているのが、停電時でも家庭に電気を届けられる蓄電池の存在です。

蓄電池があれば、あらかじめ貯めておいた電気を使って照明や冷蔵庫を動かし、最低限の生活を維持できます。

さらに太陽光発電と組み合わせれば、日中に発電した電気を蓄電池に充電しながら夜間にも放電できるため、長引く停電にも対応しやすくなるでしょう。

ただし、蓄電池は「置いておけば安心」というものではありません。

停電時に本当に役立てるには、仕組みの理解、自分の家庭に合った機種の選定、そしていざというときの正しい操作方法まで知っておく必要があります。

本記事では、蓄電池が停電時に電気を供給できる仕組みから、失敗しない選び方、太陽光発電との連携方法や使える家電の目安まで、実践的な情報をまとめて解説します。

これから蓄電池の導入を検討している方はもちろん、すでに設置済みで「停電時に本当に使えるのか不安」という方にも役立つ内容ですので、ぜひ最後まで読み進めてみてください。

停電時に使える蓄電池の仕組みを理解する

蓄電池を停電対策として活かすためには、まず「なぜ停電しても電気が使えるのか」という基本的な仕組みを知っておくことが大切です。

仕組みがわかっていれば、機種選びのときに見るべきポイントが明確になりますし、実際に停電が起きたときにも落ち着いて対処しやすくなります。

ここでは、蓄電池が電気を届けるメカニズムと、日ごろからやっておくべき備えについてくわしく見ていきましょう。

停電時に蓄電池が電気を供給できる仕組み

蓄電池が停電時に力を発揮するのは、ふだんから電気を貯めておき、必要なタイミングで放電できるという基本機能があるからです。

いわば「電気の貯水タンク」のような役割を果たしていると考えるとイメージしやすいでしょう。

家庭用蓄電池のほとんどに使われているリチウムイオン電池は、正極と負極のあいだをリチウムイオンが移動することで充電と放電をくり返します。

充電時にはリチウムイオンが正極から負極へ移動して電気エネルギーを蓄え、放電時には逆方向に移動しながら電子が外部回路を流れることで、家庭内の家電製品を動かす電力が生まれます。

この充放電の仕組みは電力会社からの送電に依存していないため、停電によって外部の電力供給がストップしても、蓄電池に貯まった電気はそのまま使用できるのです。

ただし、蓄電池に蓄えた電気をそのまま家庭のコンセントに流せるわけではありません。

蓄電池から出る電気は「直流(DC)」ですが、家庭で使われる電気は「交流(AC)」です。

このあいだに入って変換の役割を担うのが、パワーコンディショナ(パワコン) と呼ばれる装置になります。

パワコンは直流と交流を変換するだけでなく、電圧や周波数の調整も行い、家庭内の家電が安全に動くよう制御してくれます。

停電時には「自立運転モード」という特別なモードに切り替わることで、電力会社の送配電網(系統)から蓄電池を切り離し、蓄電池の電力だけで家庭内に電気を供給する仕組みです。

ここで押さえておきたいのは、通常運転と停電時の自立運転では電気の流れがまったく異なるという点になります。

以下の表で、ふだんの系統連系運転と停電時の自立運転を比較してみましょう。

比較項目

系統連系運転(通常時)

自立運転(停電時)

電力会社との接続

つながっている

切り離される

電気の供給元

電力会社+蓄電池+太陽光

蓄電池(+太陽光)

使えるコンセント

家中すべて

機種により全負荷または特定負荷のみ

出力の上限

契約アンペアに準じる

蓄電池の定格出力による(1.5kVA〜5kVA程度)

売電

可能(FIT対象期間)

不可

このように、自立運転時は電力会社から独立した「自給自足」の状態になります。

使えるコンセントの範囲や出力には制限がありますが、蓄電池に十分な残量があれば照明、冷蔵庫、スマホの充電など生活に欠かせない家電を動かし続けることが可能です。

また、太陽光発電を併設している家庭では、日中の発電分を蓄電池に充電しながら同時に家電を動かせるため、蓄電池単体よりもはるかに長い時間電気を使い続けられるという大きなメリットがあります。

天候に恵まれれば、日中の発電で蓄電池をフル充電し、夜間は蓄電池の電気で生活するというサイクルを回せるので、数日間の停電にも耐えられるでしょう。

つまり、蓄電池が停電時に電気を供給できるのは「貯めた電気を直流から交流に変換し、自立運転モードで家庭内に流す」という仕組みがあるからです。

この仕組みを理解しておけば、次に紹介する「事前の備え」の重要性もスムーズに腑に落ちるはずです。

蓄電池の充電・放電の流れと事前に必要な備え

蓄電池が停電時に力を発揮するためには、ふだんから適切に充電されていることが大前提です。

いざ停電が起きてから「蓄電池の残量がほとんどなかった」と気づいても手遅れですから、平常時の充電サイクルを正しく回しておくことがもっとも重要な備えになります。

まず、蓄電池の充電にはおもに2つの方法があります。

1つ目は、太陽光発電で発電した電気を蓄電池に貯める方法です。

日中、太陽光パネルが発電した電力のうち自家消費しきれなかった余剰分が蓄電池に充電されます。

2つ目は、電力会社から購入した電気で充電する方法で、とくに電気料金の安い夜間帯に充電し、料金の高い日中に放電して電気代を節約するという使い方が一般的です。

ここで見落としがちなのが、蓄電池の運転モードによっては停電時に十分な残量を確保できない場合があるという点です。

たとえば「経済優先モード」に設定していると、電気代の節約を優先して蓄電池の電気をどんどん使い切ってしまうため、停電が発生したタイミングで残量が少ないケースがあり得ます。

そのため、台風シーズンや大きな地震が予想される時期には、「蓄電優先モード」や「グリーンモード」などに切り替えて蓄電池をできるだけ満充電に近い状態で維持する設定にしておくのがおすすめです。

また、メーカーによっては「非常時運転用電池残量」を設定できる機種もあります。

これは「ここまでの残量は非常用に残しておく」という下限ラインを指定できる機能で、たとえば10%に設定しておけば通常の充放電でバッテリーを使い切ってしまう事態を防げるわけです。

充放電の流れと備えのポイントを時系列でまとめると、以下のようになります。

  • ふだんから確認すべきこと:蓄電池の運転モードが「蓄電優先」になっているか、非常時用の最低残量が設定されているか
  • 台風や大雨の予報が出たとき:満充電にしておくよう手動で操作するか、蓄電優先モードへ切り替える
  • 停電が発生したとき:自立運転モードに自動で切り替わるか確認する(手動の場合は操作手順を事前に把握しておく)
  • 停電中:蓄電池の残量をモニターで確認しながら、使う家電の優先順位を決めて消費を管理する
  • 停電が復旧したとき:自立運転モードから通常の系統連系運転に戻す操作を行う

さらに、もうひとつ見落とされがちな備えがあります。

それは、蓄電池の自立運転モードが「自動切替」に設定されているかどうかの確認です。

蓄電池は工場出荷時に「手動切替」の設定になっていることが多く、施工業者が設置時に自動切替へ変更してくれていない場合があります。

手動切替のままだと、停電が起きたときにモニター画面を操作してモードを変えなければ電気が使えません。

夜間に停電が発生した場合、暗闇のなかでモニターを探して操作するのは困難ですし、操作方法を思い出せない可能性もあるでしょう。

実際に、ある住宅での停電体験では「太陽光発電の自立運転切替がわからず取扱説明書を引っ張り出した」「蓄電池のモード切替の操作方法を忘れていてだいぶ時間をロスした」という声が報告されています。

こうした事態を防ぐために、蓄電池の設置が完了したら以下の3点を必ずチェックしましょう。

チェック項目

確認内容

確認方法の例

自立運転の切替方式

自動切替になっているか

モニター画面の設定メニューで確認

非常時用の最低残量設定

10%以上に設定されているか

取扱説明書または施工業者に確認

取扱説明書の保管場所

すぐ手に取れる場所にあるか

紙の説明書とPDFデータの両方を用意

いくら高性能な蓄電池を導入しても、設定の確認や事前の備えを怠ると停電時に使えないことがあります。

「買ったから安心」ではなく「正しく設定して、使い方を把握して、はじめて安心」だと考えて、平常時から意識しておきましょう。

停電対策に強い蓄電池の選び方と設置の考え方

蓄電池の仕組みを理解できたら、次に考えるべきは「自分の家庭にはどんな蓄電池が合っているのか」という選び方の問題です。

蓄電池にはさまざまなタイプがあり、容量や出力、供給方式もメーカーや機種によって大きく異なります。

停電対策を重視するなら、ふだんの電気代節約だけでなく「いざというときにどこまで使えるか」という視点で比較検討することが欠かせません。

ここでは、蓄電池のタイプ別の特徴と、停電に強い機種を選ぶための具体的な判断基準を解説します。

ポータブル蓄電池と定置型蓄電池の違いと選び分け

家庭で使える蓄電池は、大きく分けて**「ポータブル蓄電池」と「定置型蓄電池」**の2種類があります。

それぞれの特性はまったく異なりますので、停電時にどの程度の電力をまかないたいかによって選ぶべきタイプが変わってきます。

ポータブル蓄電池は、持ち運びができる小型の蓄電池です。

もともとはキャンプやアウトドアなどのレジャー用途で広まりましたが、近年は防災用品としても注目を集めています。

容量は0.3kWh〜2kWh程度のものが主流で、スマホの充電やLED照明、小型の扇風機を動かす程度であれば十分に対応可能です。

コンセントや太陽光の簡易パネルから充電できるモデルが多く、電気工事が不要で購入したその日から使い始められる手軽さが最大のメリットでしょう。

一方で、容量が小さいため冷蔵庫やエアコンといった消費電力の大きい家電を長時間動かすのはむずかしく、住宅全体の電力を停電時にまかなう用途には向いていません。

定置型蓄電池は、住宅での使用を前提とした据え置きタイプの蓄電池です。

容量は4kWh〜16kWh程度のものが一般的で、太陽光発電システムと連携して運用することを想定して設計されています。

家庭の分電盤と接続するため設置には電気工事が必要ですが、そのぶん停電時には家庭内のコンセントから直接電気を使えるという大きな強みがあります。

特定負荷型なら指定した回路に、全負荷型なら家中のコンセントに電力を供給でき、蓄電池の容量次第で冷蔵庫やエアコンを一晩中動かすことも可能です。

両者の違いを整理すると以下のようになります。

比較項目

ポータブル蓄電池

定置型蓄電池

容量の目安

0.3kWh〜2kWh程度

4kWh〜16kWh程度

出力の目安

300W〜2,000W程度

1,500W〜5,000W程度

設置工事

不要

必要(電気工事)

太陽光との連携

簡易パネルのみ対応が主流

住宅用太陽光発電と本格連携が可能

停電時の供給方式

蓄電池本体のコンセントから直接使用

分電盤経由で家庭内コンセントに供給

価格の目安

数万円〜30万円程度

80万円〜250万円程度

おもな用途

スマホ充電、LED照明、小型家電

冷蔵庫、エアコン、照明、住宅全体の電力

ではどちらを選ぶべきかというと、停電時にも家庭の生活をしっかり維持したいなら定置型蓄電池が基本となります。

冷蔵庫の食品を守りたい、真夏や真冬にエアコンを使いたい、お子さんや高齢者がいるので最低限の電気は確保したいといったニーズがある場合は、容量と出力に余裕のある定置型を選びましょう。

一方、マンション住まいで大型の蓄電池を置くスペースがない方や、停電時はスマホ充電と最低限の照明さえあればよいという方は、ポータブル蓄電池でも十分な場合があります。

また、「定置型をメインに、ポータブルをサブとして併用する」という使い方も効果的です。

定置型蓄電池で家全体の電力をまかないつつ、ポータブルを寝室や子ども部屋に配置しておけば、停電直後の初動時にすぐ照明を確保でき、家族が暗闇のなかで慌てずに済むという安心感が得られるでしょう。

特定負荷・全負荷の違いと必要容量・出力の決め方

定置型蓄電池を導入すると決めたら、次に確認すべきなのが**「特定負荷型」と「全負荷型」**のどちらを選ぶかという点です。

この選択は停電時に電気を使える範囲に直結するため、家族構成やライフスタイルに合わせて慎重に判断しましょう。

特定負荷型は、あらかじめ指定した一部のコンセントや回路にだけ電気を供給する方式です。

たとえば「リビングの照明と冷蔵庫用コンセントだけに電力を集中させる」といった使い方になります。

供給先が限られるぶん消費電力を抑えられ、蓄電池の残量を長持ちさせやすいのがメリットです。

また、全負荷型と比べて本体価格が安い傾向にあり、コンパクトな機種が多いため設置場所にも困りにくいでしょう。

デメリットとしては、停電時に電気が使えるのは事前に選んだ回路だけなので、ほかの部屋のコンセントは使えないという制約があります。

全負荷型は、停電時でも家中のほぼすべてのコンセントや照明に電気を供給できる方式です。

ふだんとほとんど変わらない感覚で電気が使えるため、200V対応のエアコンやIHクッキングヒーターも停電時に動かせるという大きなメリットがあります。

ただし、家全体に電力を供給するぶん蓄電池の消費が早く、残量管理を意識しないとすぐに電気を使い切ってしまう可能性がある点には注意が必要です。

価格も特定負荷型より高めに設定されるケースが一般的になります。

比較項目

特定負荷型

全負荷型

停電時に使える範囲

あらかじめ指定した回路のみ

家中のほぼすべての回路

対応電圧

100Vのみが主流

100V・200V両対応が主流

エアコンやIHの使用

200V機器は使えない場合が多い

200V機器も使用可能

蓄電池の持続時間

消費を抑えやすく長持ち

消費が早くなりやすい

価格帯

比較的安い

比較的高い

おすすめの家庭

停電時は最低限で良い方、予算を抑えたい方

オール電化住宅、小さな子どもや高齢者がいる家庭

次に、蓄電池の容量(kWh)と出力(kW/kVA)をどう決めるかを考えましょう。

蓄電池の容量は「どれだけの電気を貯められるか」を示す数値で、単位はkWh(キロワットアワー)です。

たとえば10kWhの蓄電池であれば、消費電力1,000W(1kW)の家電を10時間動かせる計算になります。

一方、蓄電池の出力は「一度にどれだけの電気を流せるか」を示す数値で、単位はkWまたはkVA(キロボルトアンペア)です。

出力が1.5kVAの蓄電池なら、同時に使える家電の消費電力の合計が1,500Wまでという制限がかかります。

ここで大切なのは、容量と出力はそれぞれ別の意味を持っていて、両方を確認しないと停電時に思い通りの使い方ができないという点です。

容量が大きくても出力が小さければ、電子レンジとドライヤーを同時に使うことはできません。

逆に出力が大きくても容量が小さければ、数時間で電気を使い切ってしまいます。

停電時の1日あたりの消費電力量は、最低限の家電使用で約4kWh前後が目安とされています。

具体的な消費電力のイメージは次のとおりです。

  • 冷蔵庫(24時間稼働):約40W × 24時間 = 約960Wh(約1.0kWh)
  • LED照明2か所(8時間使用):約30W × 2 × 8時間 = 約480Wh(約0.5kWh)
  • スマホ充電2台(各2時間):約10W × 2 × 2時間 = 約40Wh(約0.04kWh)
  • 液晶テレビ(5時間視聴):約100W × 5時間 = 約500Wh(約0.5kWh)
  • Wi-Fiルーター(24時間):約10W × 24時間 = 約240Wh(約0.24kWh)

上記を合計すると約2.3kWhとなり、これにエアコン(500W × 8時間 = 約4.0kWh)を加えると約6.3kWhになります。

こうした計算をもとに考えると、エアコンなしで最低限の生活を1日維持するなら5kWh前後、エアコンも使いたいなら10kWh以上の容量がひとつの目安となるでしょう。

さらに、太陽光発電がない家庭で2日間の停電に備えたいなら、その2倍の容量が必要になります。

もうひとつ注意したいのが、蓄電池のカタログに記載される「定格容量」と「実効容量」の違いです。

定格容量は蓄電池全体の容量を示す数値ですが、実際に使える電気の量はそれより少なくなります。

おおむね「定格容量の90%程度が実効容量」と考えておくとよいでしょう。

たとえば定格容量10kWhの蓄電池なら、実際に使えるのは約9kWh前後ということです。

また、近年は200V対応の家電製品が増えています。

エアコンの室外機、IHクッキングヒーター、エコキュートなどは200Vで動くモデルが主流になってきており、これらを停電時にも使いたい場合は200V出力に対応した全負荷型蓄電池を選ぶ必要があります。

100V対応の蓄電池では200V家電を動かせないため、購入前に自宅の家電の対応電圧をチェックしておくことが大切です。

容量と出力の選び方をまとめると、以下の手順で進めるのが効率的です。

  1. 停電時に使いたい家電をすべてリストアップする
  2. 各家電の消費電力(W)と使用したい時間(h)を確認する
  3. 「消費電力 × 使用時間 ÷ 1,000」で必要な電力量(kWh)を計算する
  4. 合計のkWhに余裕を持たせた容量の蓄電池を選ぶ
  5. 同時に使いたい家電の消費電力の合計が、蓄電池の出力(kVA)以内に収まるか確認する

このプロセスを踏めば、**「容量は足りているのに出力が足りなくて家電が動かない」**といった失敗を防げます。

停電時の使い方と太陽光発電の注意点

蓄電池を選んで設置が完了したら、次に知っておくべきは「停電が実際に起きたときの操作方法」です。

とくに太陽光発電を併設している家庭では、蓄電池だけでなくパワコンの操作も必要になるケースがあるため、いざというときに慌てないよう手順を頭に入れておきましょう。

ここでは、太陽光発電の自立運転への切替手順と、停電中に使える家電の目安・優先順位について具体的に解説します。

太陽光発電の自立運転の使い方と切替手順

太陽光発電システムを設置している家庭では、停電が発生すると安全のためにパワコンが自動で運転を停止する仕組みになっています。

これは「系統連系保護装置」と呼ばれる安全機能が働くためで、停電時に太陽光で発電した電気が電力会社の送電線に流れ出すのを防ぐ目的があります。

つまり、太陽光パネルが屋根に載っていても、停電したら自動的には家庭に電気が届かないのです。

停電中に太陽光発電の電気を使うためには、パワコンを「自立運転モード」に切り替える操作が必要になります。

一般的な切替手順は、おおむね以下のとおりです。

  1. 家庭の分電盤にある「主電源ブレーカー」をオフにする
  2. 「太陽光発電用ブレーカー」をオフにする
  3. パワコンの運転スイッチをいったんオフにし、再びオンにする(または「自立」に切り替える)
  4. パワコン本体または壁面の「自立運転用コンセント」に使いたい家電のプラグを差し込む
  5. 電気が供給されていることを確認して使用を開始する

なお、蓄電池とハイブリッドパワコンをセットで導入している場合は、蓄電池側が自動的に自立運転モードに切り替わる機種が多いため、上記の手順が不要なケースもあります。

蓄電池の自動切替は約5秒程度で完了するのが一般的で、ほとんど気づかないうちに切り替わることもあるでしょう。

ただし、太陽光発電のパワコン側は手動切替が必要なモデルが依然として多いため、蓄電池が自動切替でもパワコンは別途操作が必要になる場合がある点に注意してください。

自立運転に切り替えたあとに知っておくべき注意点もいくつかあります。

  • 自立運転用コンセントでしか電気が使えない:ふだん使っている壁のコンセントには電気が流れないため、延長コードや電源タップを事前に用意しておくのがおすすめです
  • 使える電力は最大1,500W(100V × 15A):太陽光発電のパワコン単体での自立運転出力は、メーカーに関係なく最大1,500Wが上限です。蓄電池を併設していれば蓄電池側の出力(1.5kVA〜5kVA)が適用されます
  • 天候によって発電量が大きく変動する:曇りや雨の日は発電量が激減するため、使用中に突然電力が落ちる可能性があります
  • 夜間は太陽光だけでは電気が使えない:蓄電池がなければ日没とともに電力供給が止まります
  • 翌朝は手動で再起動が必要なモデルが多い:日没で自立運転が自動停止したあと、翌朝に日が昇っても自動では再開しない機種がほとんどです

とくに見落とされやすいのが、自立運転の切替操作は日照がある時間帯にしかできないという制約です。

夜間に停電が発生した場合、太陽光発電のパワコン側の自立運転切替は翌朝の日の出以降まで待つ必要があります。

そのあいだは蓄電池の電気だけで過ごすことになりますので、蓄電池の残量管理がいっそう重要になるわけです。

また、停電が復旧したあとには、自立運転モードから通常の系統連系運転に戻す操作も必要です。

復旧時の手順はおおむね以下のようになります。

  1. 自立運転用コンセントに接続している家電のプラグをすべて抜く
  2. パワコンの自立運転モードを解除する(運転スイッチをオフ→「連系」に切替→オン)
  3. 太陽光発電用ブレーカーをオンにする
  4. 主電源ブレーカーをオンにする

復旧操作を忘れると電力会社からの電気を使えない状態が続くため、停電が終わったことに気づいたら速やかに切替を行いましょう。

メーカーや機種によって操作手順は異なりますので、太陽光発電協会(JPEA)のホームページや各メーカーの公式サイトに掲載されている機種別の切替手順を印刷して、分電盤の近くに貼っておくと安心です。

停電時に使える家電の目安と消費電力の優先順位

停電時に蓄電池の電気を使えるとはいえ、容量には限りがあります。

何も考えずにふだんどおり家電を使ってしまうと、数時間で蓄電池が空になる可能性がありますので、「どの家電を優先して使うか」の判断がきわめて重要です。

まず、おもな家電の消費電力の目安を確認しておきましょう。

家電製品

消費電力の目安

備考

LED照明

15W〜30W

1部屋あたり

冷蔵庫

30W〜50W

常時稼働(コンプレッサー起動時は一時的に100W超)

液晶テレビ(32型)

60W〜100W

視聴時間で調整可能

スマホ充電器

10W〜20W

1台あたり

Wi-Fiルーター

10W〜15W

常時稼働推奨

ノートパソコン

30W〜65W

充電時は消費電力が上がる

扇風機

20W〜40W

エアコン代替として有効

エアコン(暖房・冷房)

300W〜1,000W

起動時は1,500W以上になることも

電子レンジ

1,000W〜1,500W

短時間使用が前提

ドライヤー

600W〜1,200W

停電時は使用を控えるのが無難

IHクッキングヒーター

1,000W〜3,000W

200V対応蓄電池が必要

電気ケトル

1,200W〜1,500W

短時間で大電力を消費

この表を見ると、冷蔵庫やLED照明、スマホ充電器のように常時使っても消費電力が小さい家電と、エアコンや電子レンジのように短時間でも大量に電力を消費する家電では、蓄電池の減り方がまったく違うことがわかります。

停電時に使う家電の優先順位は、「命と安全を守るもの」を最優先とし、次に「情報を得るもの」「食品を守るもの」「快適性を保つもの」の順で考えるのが基本です。

具体的な優先順位の考え方を整理すると以下のようになります。

  • 最優先(命と安全に関わるもの):照明(暗闘での転倒防止)、スマホ充電(緊急連絡・情報取得)、医療機器(在宅医療の方)
  • 高い優先度(生活維持に必要なもの):冷蔵庫(食品と薬の保管)、Wi-Fiルーター(情報収集手段の確保)
  • 中程度の優先度(快適性を保つもの):扇風機やエアコン(熱中症・低体温症の防止)、テレビ(災害情報の確認)
  • 低い優先度(停電中は控えるべきもの):ドライヤー、電気ケトル、電子レンジ、IHクッキングヒーター

とくに注意したいのが、消費電力の大きい家電を同時に使わないことです。

電子レンジ(1,000W)とドライヤー(1,200W)を同時に使えば合計2,200Wとなり、出力が2kVAの蓄電池では容量オーバーで安全装置が作動し、蓄電池からの供給が止まってしまう場合があります。

電子レンジや電気ケトルはどうしても使いたいときだけ、ほかの大きな消費電力の家電を一時的にオフにしてから短時間で使うのがコツです。

また、冷蔵庫のコンプレッサー起動時には定格の3〜5倍の突入電流が流れることがあるため、蓄電池の出力ぎりぎりで家電を使っていると起動の瞬間にブレーカーが落ちる可能性があります。

同様にエアコンやモーターを内蔵する洗濯機なども突入電流が大きいため、停電時に使用する際は蓄電池の出力に十分な余裕を持たせましょう。

さらに、停電時に使うべきではない家電や機器もあります。

デスクトップパソコンは電力供給が不安定な状態で使用するとデータが破損するおそれがあり、太陽光発電の自立運転中は日射変動で電圧が急変する可能性があるため接続は避けたほうが安全です。

生命維持に関わる医療機器については、太陽光の自立運転用コンセントには直接接続せず、蓄電池から安定した電力供給を受けるか、必要に応じて無停電電源装置(UPS)を併用することが強く推奨されています。

停電が長引いた場合の消費電力の管理方法としては、蓄電池のモニター画面で残量を定期的に確認する習慣をつけることが大切です。

残量が50%を下回ったら消費電力の大きい家電を止める、30%を下回ったら冷蔵庫と照明以外はオフにするといったルールを家族で事前に決めておくと、いざというときにスムーズに判断できます。

太陽光発電を併設していれば、翌日の天気予報を確認して「晴れるなら日中に充電できるからエアコンを使おう」「曇り予報なら節電モードで過ごそう」と計画を立てることもできるでしょう。

停電は予告なしに訪れるものですから、「この蓄電池で何時間、何を使えるか」を平常時にシミュレーションしておくことが、いざというときの最大の備えになります。

まとめ

本記事では、「蓄電池 停電 時」をテーマに、蓄電池が停電時に電気を供給できる仕組み、停電対策に強い蓄電池の選び方、そして太陽光発電との連携を含めた実践的な使い方までを解説しました。

記事の重要ポイントを振り返ると、以下のとおりです。

  • 蓄電池はリチウムイオン電池の充放電機能とパワコンの変換機能により、停電時でも家庭内に電気を供給できる
  • 自立運転モードが「自動切替」になっているか、蓄電池の残量が十分かを平常時から確認しておくことが不可欠
  • ポータブル蓄電池は手軽だが容量が小さく、住宅全体の電力をまかなうなら定置型蓄電池を選ぶのが基本
  • 特定負荷型は省電力で長持ちしやすく、全負荷型は200V家電にも対応できるぶん消費が早くなるため、家庭のニーズに合わせて選ぶことが大切
  • 蓄電池の容量(kWh)は「何時間使えるか」、出力(kVA)は「同時に何W使えるか」を示す指標であり、両方のバランスを見て機種を決める
  • 太陽光発電の自立運転への切替手順は事前に確認し、取扱説明書を手の届く場所に保管しておく
  • 停電時の家電使用は「命と安全→情報→食品保管→快適性」の順で優先し、消費電力の大きい家電の同時使用は避ける

蓄電池は「買って設置すれば安心」というものではなく、正しく設定し、使い方を理解し、平常時からシミュレーションしてこそ停電時に本当の力を発揮する設備です。

この記事の内容を参考に、ぜひご自身の家庭に合った蓄電池選びと備えを進めてみてください。

いざというときに「蓄電池があってよかった」と思えるよう、できることから始めていきましょう。

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