お役立ちコラム 2026.02.10
太陽光パネル1枚の発電量目安と計算
「太陽光パネルって、1枚だけだとどれくらい発電するの?」
これから太陽光発電の導入をかんがえている方にとって、まず気になるのがこの疑問ではないでしょうか。
ネットで調べてみると「年間1,000kWh」「1日あたり2.7kWh」といった数字が出てきますが、これらはシステム全体(1kW)の話であって、パネル1枚の発電量とはかぎりません。
パネルの出力は製品によって200Wから400Wまでさまざまなので、1枚あたりの発電量も大きく変わります。
この記事では、太陽光パネル1枚の発電量をW別にわかりやすく整理し、だれでもかんたんに計算できる方法をお伝えします。
さらに、方角・角度・季節などの条件ごとにどれだけ発電量が変わるのかを具体的な数値で比較しながら、発電量を最大化するためのコツまで解説していきます。
「うちの屋根にパネルを何枚のせたら、どのくらい発電できるのか」をイメージするためのヒントとして、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
太陽光パネル1枚の発電量はどれくらい?

太陽光パネル1枚の発電量を知ることは、導入コストの見積もりや設置枚数の検討に直結する重要なポイントです。
しかし、パネルには出力が200Wのものもあれば400Wのものもあり、1枚あたりの発電量は製品によってかなり差があります。
ここではまず、パネルの出力別に年間発電量の目安をまとめ、そのあとで「kW」と「kWh」の違いや、枚数からシステム容量を計算するかんがえ方を整理していきます。
この基本をおさえておけば、見積書やカタログの数字を自分で読み解く力が身につくはずです。
1枚あたり年間発電量の目安(W別)
太陽光パネル1枚の発電量は、そのパネルの**公称最大出力(W)**によって大きく変わります。
太陽光発電協会(JPEA)が示している目安では、1kWあたりの年間発電量は約1,000kWhです。
この基準をもとにすると、パネル1枚あたりの年間発電量はつぎのように計算できます。
|
パネル出力(1枚) |
年間発電量の目安 |
1日あたりの目安 |
1か月あたりの目安 |
|
200W |
約200kWh |
約0.55kWh |
約16.7kWh |
|
250W |
約250kWh |
約0.68kWh |
約20.8kWh |
|
300W |
約300kWh |
約0.82kWh |
約25.0kWh |
|
350W |
約350kWh |
約0.96kWh |
約29.2kWh |
|
400W |
約400kWh |
約1.10kWh |
約33.3kWh |
たとえば、いま主流となっている出力350W〜400Wクラスのパネルであれば、1枚で年間おおよそ350〜400kWhの発電量がみこめる計算です。
これは、一般的な家庭の月間電力消費量(約400kWh前後)のおよそ1か月分にあたります。
つまり、パネル1枚だけで家庭の電気をすべてまかなうのはむずかしいものの、12〜15枚ほど設置すれば年間消費電力の大部分をカバーできるということがわかります。
ただし、上の表はあくまでも「南向き・傾斜角30度・損失を加味した平均値」にもとづく目安です。
実際の発電量は、お住まいの地域の日射量や屋根の向きによって900〜1,200kWh/kW程度の幅で変動します。
たとえば、年間日射量がもっとも多い山梨県甲府市では1kWあたり約1,339kWhとなり、もっとも少ない秋田県秋田市では約1,095kWhにとどまるというデータもあります(環境省調べ)。
地域差をふまえた正確なシミュレーションをおこなう場合は、NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の日射量データベースを活用するとよいでしょう。
とはいえ、**「パネル出力(W)× 1,000 ÷ 1,000 ≒ 年間○○kWh」**というざっくりした計算は、最初の検討段階でとても役に立ちます。
まずはこの目安をおさえたうえで、つぎの項目でkWとkWhの違いを正しく理解しておきましょう。
kW・kWhの違いと「枚数→容量」の考え方
太陽光発電の話をしていると、「kW」と「kWh」という2つの単位が頻繁に出てきます。
この2つはよく似た表記ですが、意味はまったくちがうため、混同すると発電量の見積もりを誤る原因になりかねません。
かんたんに整理すると、つぎのようになります。
|
単位 |
意味 |
たとえるなら |
|
kW(キロワット) |
瞬間的な出力(発電する「力」) |
蛇口の「水の勢い」 |
|
kWh(キロワットアワー) |
一定時間に発電した電力量(「成果」) |
バケツにたまった「水の量」 |
つまり、kWは「能力」を示す数字であり、kWhは「実績」を示す数字です。
カタログに「400W」と書いてあるパネルは、最大400Wの出力を発揮する「力」をもっています。
しかし、その力が1時間フルにはたらいて、はじめて「0.4kWh」という発電量(電力量)になるわけです。
実際には日射量が時間帯で変わるため、400Wパネルが常に400Wで発電し続けることはありません。
つぎに、パネルの枚数からシステム全体の容量を計算する方法をみていきましょう。
計算式はとてもシンプルです。
システム容量(kW) = パネル1枚の出力(W) × 設置枚数 ÷ 1,000
いくつか具体例をあげてみます。
- 350Wパネル × 12枚 = 4,200W = 4.2kW
- 400Wパネル × 12枚 = 4,800W = 4.8kW
- 400Wパネル × 15枚 = 6,000W = 6.0kW
一般的な家庭では、4〜5kWのシステム容量が平均的といわれています。
350Wのパネルなら約12〜14枚、400Wの高出力パネルなら10〜13枚ほどで4〜5kWに到達します。
ここで注意したいのが、パワーコンディショナー(パワコン)の容量との関係です。
パワコンの容量がパネルの合計出力よりも小さい場合、システム容量はパワコン側の容量で頭打ちになります。
たとえば、パネル合計が5.6kWでもパワコンが5.5kWであれば、実質的なシステム容量は5.5kWとして扱われるケースがあるのです。
見積書をチェックするときは、パネルの合計出力だけでなくパワコンの容量も確認するようにしましょう。
kWとkWhの違い、そして枚数から容量を算出するかんがえ方を理解できれば、つぎのステップとして「自分の家ではどのくらい発電できるか」を計算してみたくなるはずです。
そこで続いては、だれでもかんたんに使える発電量の計算式を紹介します。
1枚の発電量をざっくり計算する方法

パネル1枚の年間発電量の目安がわかったところで、つぎは自分の条件に合わせた発電量を計算する方法をみていきましょう。
「計算」と聞くとむずかしそうに感じるかもしれませんが、使う式は1つだけです。
3つの数字をかけ算するだけで、パネル1枚から年間どのくらい発電できるかがざっくりわかります。
ここでは計算式の使いかたと、結果に大きく影響する「損失係数」について、くわしく解説していきます。
計算式「システム容量×日射量×損失係数」
太陽光パネルの発電量は、つぎの計算式でもとめることができます。
年間予想発電量(kWh) = システム容量(kW) × 年間日射量(kWh/m²) × 損失係数
この式は太陽光発電業界で広く使われている標準的な計算方法であり、NEDOのデータと組み合わせることで、かなり現実に近い数値を出せます。
それぞれの要素をかんたんに説明すると、つぎのとおりです。
|
要素 |
意味 |
調べ方 |
|
システム容量 |
パネルの公称最大出力の合計(kW) |
カタログ値×枚数で計算 |
|
年間日射量 |
設置場所に1年間でどのくらい太陽光があたるか |
NEDOの日射量データベースで確認 |
|
損失係数 |
パネルの出力が実際にどれだけ電力に変わるかの割合 |
一般的に0.75〜0.85を使用 |
では、パネル1枚で計算してみましょう。
【計算例1】東京で400Wパネル1枚を南向き・傾斜角30度で設置した場合
- システム容量:0.4kW(400W ÷ 1,000)
- 東京の年間日射量:約1,300kWh/m²(NEDO日射量データベースより)
- 損失係数:0.80(標準的な値)
年間予想発電量 = 0.4kW × 1,300 × 0.80 = 約416kWh
1日あたりに換算すると、416 ÷ 365 = 約1.14kWh です。
【計算例2】大阪で350Wパネル1枚を南向き・傾斜角30度で設置した場合
- システム容量:0.35kW
- 大阪の年間日射量:約1,280kWh/m²
- 損失係数:0.80
年間予想発電量 = 0.35kW × 1,280 × 0.80 = 約358kWh
1日あたりでは約0.98kWhとなり、東京の400Wパネルと比較すると出力差がそのまま発電量にあらわれていることがわかります。
ちなみに、先ほど紹介した「1kWあたり年間1,000kWh」というJPEAの目安は、損失込みの概算値として設定されています。
そのため、計算式を使わずにざっくりとした発電量を知りたいだけであれば、「パネル出力(W) × 1,000 ÷ 1,000」でおおよその年間kWhが出せるわけです。
しかし、より正確にシミュレーションしたい場合は、お住まいの地域の日射量と損失係数を反映できるこの計算式がとても便利です。
つぎに、計算結果を大きく左右する「損失係数」について、もう少しくわしくみていきましょう。
損失係数(0.75〜0.85)を左右する要因
計算式に登場する損失係数は、パネルが生みだした電力がどのくらいの割合で実際に使える電力になるかを示す数値です。
「0.80」であれば、パネルが生んだ電力の80%が利用可能であり、残り20%はさまざまなロスで失われることを意味します。
一般的に0.75〜0.85の範囲で計算されることが多いのですが、この数字を左右するおもな要因は5つあります。
|
損失の要因 |
内容 |
ロスの目安 |
|
温度による損失 |
パネルが高温になると出力が低下する |
約5〜10% |
|
パワコンの変換損失 |
直流→交流の変換時にエネルギーがロスする |
約4〜6% |
|
配線による損失 |
ケーブルの抵抗で電力がうしなわれる |
約1〜3% |
|
パネル表面の汚れ |
ほこり・鳥のフン・花粉などで日射が遮られる |
約2〜5% |
|
経年劣化 |
パネルの性能が年々少しずつ低下する |
年0.5〜0.7%ずつ |
温度損失は、とくに見落としがちなポイントです。
太陽光パネルのカタログ値は「気温25℃・日射強度1,000W/m²」という理想的な条件(STC:標準試験条件)で測定されています。
しかし実際の夏場には、パネルの表面温度が60〜70℃に達することもめずらしくありません。
パネルの温度が1℃上がるごとに出力が約0.4%低下するのが一般的なので、夏の猛暑日にはカタログ値より10%以上も出力が下がるケースがあります。
意外に思われるかもしれませんが、太陽光パネルの年間発電量がもっとも多いのは7〜8月ではなく4〜5月とされています。
これは、春は日照時間がじゅうぶんに長いうえに気温がまだ高くないため、温度損失が小さいからです。
パワコンの変換効率も見逃せません。
太陽光パネルが生みだす電力は「直流(DC)」ですが、家庭で使う電気は「交流(AC)」です。
この変換をおこなうのがパワコンで、変換効率が96%であれば4%のロスが生じます。
最近の高性能モデルでは**変換効率97〜98%**を実現しているものもあるため、パワコンの選びかたしだいでロスを減らすことが可能です。
配線ロスは距離が長くなるほど大きくなるため、パネルからパワコンまでの配線をなるべく短くする設計がのぞまれます。
パネル表面の汚れは、定期的な清掃やメンテナンスで改善できる数少ない損失要因です。
とくに交通量の多い道路に面した住宅や、鳥が多く飛来する地域では汚れによるロスが大きくなりやすいので、年に1〜2回の清掃がすすめられます。
経年劣化については、多くのメーカーが「25年後でも公称出力の80%以上を保証」というかたちで出力保証をつけています。
年間0.5〜0.7%ずつ低下するのが一般的ですが、10年後でも出力の93〜95%程度は維持できるため、極端に発電量が落ちるわけではありません。
これら5つの損失要因を合計すると、おおむね15〜25%のロスとなり、損失係数は0.75〜0.85に収まることがほとんどです。
損失を最小限におさえるためには、高変換効率のパワコン選び、適切な配線設計、そして定期的なメンテナンスが欠かせません。
つぎの章では、発電量に影響する外的条件と、発電量をさらに高めるための具体的なコツを紹介します。
発電量が変わる条件と最大化のコツ

太陽光パネルの発電量は、パネルそのものの性能だけで決まるわけではありません。
設置する方角や角度、まわりの影、そして季節による日射量の変化が、実際の発電量を大きく左右します。
同じパネルを使っていても、設置条件がちがうだけで年間の発電量に30〜40%もの差がつくことさえあります。
ここでは、発電量を変動させるおもな条件と、それをふまえたうえで発電量を最大化するための方法をくわしくみていきましょう。
方角・角度・影・季節でどれだけ変わるか
太陽光パネルの発電量を左右する条件のなかで、とくに影響が大きいのが「設置方角」「傾斜角度」「影」「季節」の4つです。
それぞれについて、具体的な数値をまじえながら解説します。
■ 設置方角による発電量のちがい
太陽光発電協会(JPEA)が公開しているデータによると、南向き・傾斜角30度を100%とした場合の方角別の発電量比率はつぎのとおりです。
|
設置方角 |
発電量の比率(南=100%) |
|
南 |
100% |
|
南東・南西 |
約96% |
|
東・西 |
約85% |
|
北東・北西 |
約70〜75% |
|
北 |
約60〜65% |
南東や南西であれば南とくらべてわずか4%程度の差しかなく、じゅうぶんに実用的です。
東向きや西向きでも85%の発電量を確保できるため、「南向きでなければダメ」というわけではありません。
ただし、北向きは南向きとくらべて発電量が35〜40%も低下するうえ、パネルの反射光が近隣トラブルにつながるリスクもあるため、基本的にはおすすめできません。
一方で、東西2面にパネルを分けて設置することで、南1面と同等の発電量を確保できるケースもあります。
屋根の形状や向きに制約がある場合でも、配置の工夫しだいで発電量を最大化できる可能性があるのです。
■ 傾斜角度による発電量のちがい
つぎに、設置角度の影響をみてみましょう。
太陽光パネルの最適な傾斜角度は、一般的に南向きで約30度とされています(東京の場合)。
|
傾斜角度 |
発電量の比率(30度=100%) |
|
0度(水平) |
約88〜90% |
|
10度 |
約94〜96% |
|
20度 |
約98% |
|
30度 |
100%(最適) |
|
40度 |
約99% |
|
50度 |
約95% |
注目すべきは、20度〜40度の範囲であれば発電量の差はほとんどないという点です。
日本の住宅で多い4寸勾配(約22度)〜6寸勾配(約31度)の屋根であれば、特別な架台を使わなくても最適に近い角度でパネルを設置できます。
また、最適角度は緯度によっても変わり、北海道の札幌では約35〜43度、沖縄の那覇では約20〜26度が理想とされています。
■ 影の影響
意外と見落とされがちですが、影の影響はきわめて大きいものです。
太陽光パネルの一部に影がかかると、その部分だけでなくパネル全体の発電量が大きく低下する特性があります。
これは、パネル内部のセル(太陽電池)が直列につながっているため、1枚のセルに影がかかるだけで回路全体の電流が制限されるからです。
発電量への影響をまとめると、つぎのようになります。
- パネル面積の10%に影がかかった場合:発電量が約30〜50%低下することもある
- 落ち葉や鳥のフンなどによる「部分影」:パネル1枚の発電量が大幅に減少
- 近隣の建物や電柱の影:時間帯によっては発電がほぼゼロになるケースも
設置前の現地調査では、朝から夕方にかけて影がどのように動くかを季節ごとに確認することが重要です。
とくに冬場は太陽高度が低くなるため、夏には問題なかった建物の影が冬にはパネルにかかるというケースも少なくありません。
■ 季節による発電量の変動
日本は四季がはっきりしているため、太陽光パネルの発電量も季節によって大きく変動します。
月ごとの発電量のイメージはつぎのとおりです。
|
季節 |
発電量の傾向 |
おもな理由 |
|
春(3〜5月) |
もっとも多い |
日照時間が長く、気温が適度で温度損失が少ない |
|
夏(6〜8月) |
やや多い |
日照時間は長いが、梅雨と高温で効率が低下 |
|
秋(9〜11月) |
やや少ない |
日照時間が短くなりはじめるが、気温は適度 |
|
冬(12〜2月) |
もっとも少ない |
日照時間が短く、日射角度も低い |
先ほどもふれたとおり、年間でもっとも発電量が多いのは4〜5月です。
夏は日照時間こそ長いものの、梅雨の長雨やパネルの高温化によって効率が落ちるため、春ほどの発電量にはなりません。
また、冬は発電量が少ないとはいえ、気温が低いぶん変換効率は高くなるため、晴れた日には意外と発電するというメリットもあります。
東北地方のように冬の日射量が少ない地域でも、夏場の気温が低いことで年間を通した発電量は意外と安定しているという特徴もみられます。
これらの条件をふまえたうえで、つぎはメンテナンスやパワコン、蓄電池を活用して発電量を伸ばす方法をみていきましょう。
メンテナンス・パワコン・蓄電池で伸ばす方法
設置方角や角度といった物理的な条件は、一度パネルを設置してしまうと変えられません。
しかし、メンテナンスの実施やパワコンの見直し、蓄電池の導入によって、発電した電力をムダなく活用し、実質的な「使える電力」を増やすことは可能です。
ここでは、発電量を最大限に活かすための3つの方法を紹介します。
■ メンテナンスで発電ロスを減らす
太陽光パネルは「メンテナンスフリー」というイメージがありますが、実際には定期的な点検と清掃が発電量の維持に大きく貢献します。
おもなメンテナンス項目はつぎのとおりです。
|
メンテナンス項目 |
頻度の目安 |
効果 |
|
パネル表面の清掃 |
年1〜2回 |
汚れによる発電ロス(2〜5%)を回復 |
|
接続部分・配線の点検 |
年1回 |
接触不良や断線による発電停止を防止 |
|
パワコンの動作確認 |
年1回 |
変換効率の低下や異常停止を早期に発見 |
|
発電量モニタリング |
常時 |
異常な発電量低下をすぐに検知できる |
とくにパネル表面の汚れは、放置すると年間で2〜5%もの発電ロスにつながります。
交通量の多い道路沿いの住宅ではすす汚れが、農村部では花粉や落ち葉がパネルに付着しやすい傾向があります。
雨で自然に洗い流されることも多いのですが、鳥のフンや油膜のようなしつこい汚れは雨だけでは落ちにくいため、専門業者による清掃が有効です。
また、発電量のモニタリングを日常的におこなうことで、パネルの故障やパワコンの異常を早期に発見できます。
最近のシステムでは、スマートフォンのアプリでリアルタイムの発電量を確認できる製品も増えているため、導入時にモニタリング機能つきのシステムを選ぶのがおすすめです。
■ パワコンの性能で変換効率を高める
パワーコンディショナー(パワコン)は、太陽光パネルが発電した直流電力を家庭で使える交流電力に変換する装置です。
このパワコンの変換効率が発電量を「使える電力量」に変える鍵となります。
パワコンの変換効率が1%ちがうと、年間の利用可能電力量にも1%の差が出ます。
たとえば5kWのシステムで年間5,000kWhの発電を想定した場合、変換効率が95%と97%ではつぎのような差になります。
- 変換効率95%:5,000 × 0.95 = 4,750kWh
- 変換効率97%:5,000 × 0.97 = 4,850kWh
- 差額:年間100kWh(電気代に換算すると約3,000〜4,000円)
20年間で考えると、パワコンの変換効率2%の差が6〜8万円の差額につながる計算です。
最新のパワコンでは**変換効率96〜98%**を実現しているモデルもあるため、初期費用とランニングメリットのバランスをみながら選ぶことをおすすめします。
また、パワコンにはおもに「集中型」と「マルチストリング型」の2種類があります。
影の影響を受けやすい屋根であれば、パネルごとに最適制御をおこなえるマルチストリング型のほうが発電ロスを抑えやすいという特徴があります。
■ 蓄電池で「使えない電力」をなくす
太陽光パネルの発電量そのものを増やすわけではありませんが、蓄電池を導入することで発電した電力をムダなく活用できるようになります。
太陽光発電は昼間にしか発電しないため、日中に使いきれなかった電力は売電にまわすのが一般的です。
しかし、売電価格は年々下がっており、2025年度の住宅用FIT買取価格は1kWhあたり15円です。
一方、電力会社から購入する電気代は1kWhあたり30円前後(プランにより変動)となっています。
つまり、売電するよりも自家消費したほうが経済的なメリットが大きいのです。
蓄電池があれば、昼間に発電して余った電力を充電しておき、夜間や早朝の電力消費にあてることができます。
これにより自家消費率が高まり、結果として電気代の削減効果がさらに大きくなるというわけです。
蓄電池の容量は家庭用で5〜10kWhが主流で、導入費用は100〜200万円程度が相場となっています。
初期費用はけっして安くはありませんが、補助金を活用すれば負担を大幅に軽減できるため、お住まいの自治体の補助制度をチェックしてみてください。
まとめ

太陽光パネル1枚の発電量は、パネルの出力(W)によって大きく異なりますが、現在主流の300〜400Wクラスのパネルであれば年間約300〜400kWhが目安となります。
この記事のポイントをあらためて整理すると、つぎのとおりです。
- 1枚あたりの年間発電量は「パネル出力(W) ≒ 年間発電量(kWh)」でざっくり把握できる
- より正確には「システム容量 × 日射量 × 損失係数」の計算式で地域ごとのシミュレーションが可能
- 損失係数(0.75〜0.85)は温度・パワコン・配線・汚れ・経年劣化の5つの要因で決まる
- 方角は南向きがベストだが、南東・南西でも96%の発電量を維持できる
- 傾斜角度は20〜40度の範囲であればほとんど差がない
- 年間でもっとも発電量が多いのは4〜5月で、真夏は高温により効率が低下する
- メンテナンス・高効率パワコン・蓄電池の活用で、発電した電力をムダなく使いきれる
太陽光発電の導入を検討する際には、まず「わが家の屋根にパネルを何枚のせられるか」を確認し、この記事で紹介した計算式で年間の発電量をシミュレーションしてみてください。
そのうえで、複数の施工業者から見積もりを取り、パネルの性能やパワコンの効率、設置条件をくらべることで、ご家庭に最適なシステム構成がみえてくるはずです。
太陽光パネル1枚の発電量を正しく理解することが、納得のいく導入判断への第一歩となります。
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