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お役立ちコラム

太陽光パネル20年後の選択肢と対策を徹底解説

太陽光発電をはじめて、もうすぐ20年をむかえるという方。

あるいは、これから太陽光発電をはじめようとしている方。

「FIT制度が終了したあと、太陽光パネルはどうなるの?」という不安をかかえていませんか。

じつは、20年後の太陽光発電には、さまざまな選択肢があります。

売電をつづけることも、自家消費にきりかえることも、売却することもできるのです。

ただし、それぞれの選択肢にはメリットとデメリットがあり、早めの準備が必要になります。

この記事では、FIT制度終了後の太陽光パネルの運用方法について、具体的な数値データをまじえながら、くわしく解説していきます。

20年後の不安を解消し、最適な選択ができるよう、ぜひ最後までお読みください。

太陽光パネルのFIT制度20年後はどうなる?

固定価格買取制度(FIT制度)の基本概要

固定価格買取制度(FIT制度)は、再生可能エネルギーの普及をめざして2012年7月にスタートした制度です。

太陽光発電でつくった電気を、電力会社が一定期間、固定価格で買いとることを国が約束するしくみになっています。

産業用太陽光発電(10kW以上)の場合、買取期間は20年間と定められています。

この制度のおかげで、太陽光発電の導入コストを計画的に回収できるようになり、多くの事業者や投資家が参入しました。

買取価格は年度ごとに見直されており、2012年度の40円/kWhから、2024年度には10円/kWh前後まで下がっています。

しかし、一度認定をうけた発電所は、20年間おなじ価格で売電できることが保証されているのです。

年度 買取価格(税抜) 備考
2012年度 40円/kWh FIT制度開始
2016年度 24円/kWh 価格低下が加速
2020年度 12円/kWh 自家消費型へシフト
2024年度 10円/kWh前後 入札制度も導入

FIT制度のポイント:

  • 20年間の固定価格での買取保証
  • 電力会社の買取義務
  • 再生可能エネルギー賦課金による費用負担
  • 年度ごとの買取価格見直し
  • 設備認定と系統連系の必要性

20年後の売電価格と市場動向の見通し

FIT制度の買取期間が終了すると、電力会社の買取義務はなくなります。

しかし、これは「売電できなくなる」ということではありません。

20年後も、電力会社と新たな契約をむすべば、売電をつづけることは可能です。

ただし、買取価格は市場価格にちかい水準まで下がることが予想されています。

経済産業省の資料によると、2030年の太陽光発電の発電コスト目標は7円/kWhとされています。

これは、現在の火力発電よりも低いコストであり、太陽光発電の競争力が高まることを意味しています。

住宅用太陽光発電の卒FIT事例から学ぶ

住宅用太陽光発電(10kW未満)では、買取期間が10年間のため、すでに多くの「卒FIT」案件が発生しています。

2019年11月に最初の卒FIT案件が約53万件発生し、その後も毎年約18万件が買取期間を終了しています。

これらの事例から、20年後の産業用太陽光発電の姿をある程度予測することができます。

大手電力会社の卒FIT後の買取価格は、おおむね7円~9円/kWhとなっています。

これは、FIT期間中の買取価格の約半分以下の水準です。

たとえば、東京電力エリアでは8.5円/kWh、関西電力エリアでは8円/kWhといった価格設定になっています。

一方で、新電力会社のなかには、大手電力会社よりも高い価格で買取をおこなっているところもあります。

10円~12円/kWhといった価格を提示する事業者もあり、電力会社を選ぶことで収益性を高められる可能性があります。

卒FIT後の選択肢:

  • 大手電力会社への売電継続(7~9円/kWh)
  • 新電力会社への切り替え(10~12円/kWh)
  • 自家消費への転換
  • 蓄電池の導入
  • 電気自動車との連携

産業用太陽光発電の価格予測

産業用太陽光発電の20年後の買取価格については、まだ確定していません。

しかし、住宅用の事例や市場動向から、ある程度の予測は可能です。

産業用の場合、規模が大きいため、より市場価格にちかい水準になると考えられています。

現在の卸電力市場価格(JEPX)は、時間帯や季節によって大きく変動しますが、平均すると10円/kWh前後で推移しています。

20年後は、この市場価格をベースに、プレミアム分が上乗せされる可能性があります。

また、再生可能エネルギーの需要が高まれば、グリーン電力としての付加価値も期待できるでしょう。

項目 現在(FIT期間中) 20年後の予測
買取価格 10~40円/kWh 7~12円/kWh
価格決定 国が決定 市場価格ベース
契約期間 20年固定 1年更新が主流
買取義務 あり なし

再生可能エネルギー政策が与える影響

日本政府は、2050年までにカーボンニュートラルを実現することを宣言しています。

この目標達成のため、再生可能エネルギーの導入拡大は不可欠です。

2030年度の電源構成では、再生可能エネルギーの比率を36~38%まで高める計画が立てられています。

現在の再生可能エネルギー比率は約21.7%であり、そのうち太陽光発電が9.2%を占めています。

つまり、今後も太陽光発電の需要は高まりつづけると予想されるのです。

このような政策的な後押しがあることから、20年後も太陽光発電の電力には一定の需要があると考えられます。

政府の支援策として、以下のような制度も検討されています:

  • FIP制度(フィード・イン・プレミアム)の活用
  • 自家消費型太陽光発電への補助金
  • 蓄電池導入支援
  • 地域マイクログリッドの構築
  • カーボンプライシングの導入

20年後の太陽光パネル運用6つの選択肢

現在の電力会社との売電継続

FIT制度が終了しても、現在契約している電力会社と新たな売電契約をむすぶことができます。

これは、もっともシンプルで手間のかからない選択肢といえるでしょう。

電力会社側も、安定した電源を確保したいというニーズがあるため、継続契約を提案してくる可能性が高いです。

ただし、買取価格は大幅に下がることを覚悟しなければなりません。

住宅用太陽光発電の事例では、FIT期間中の半分以下の価格になっているケースがほとんどです。

産業用でも同様の価格低下が予想されるため、収益性の再計算が必要になります。

継続契約のメリット:

  • 手続きが簡単
  • 系統連系の変更が不要
  • 実績のある電力会社との取引
  • 安定した売電先の確保

継続契約のデメリット:

  • 買取価格の大幅な低下
  • 価格交渉の余地が少ない
  • 契約条件の変更可能性

新電力会社への切り替え

電力自由化により、さまざまな新電力会社が参入しています。

これらの会社は、大手電力会社よりも高い買取価格を提示することがあります。

とくに、再生可能エネルギーに特化した電力会社は、グリーン電力の調達に積極的です。

新電力会社への切り替えには、いくつかの手続きが必要になります。

現在の電力会社との契約解除、新たな契約の締結、場合によっては系統連系の変更も必要です。

しかし、買取価格が1円/kWh高くなるだけでも、年間の収益には大きな差が生まれます。

たとえば、50kWの太陽光発電所で年間発電量が60,000kWhの場合、1円/kWhの差は年間6万円の収益差となります。

20年間でみると、120万円もの差額になるのです。

このように、わずかな買取価格の差でも、長期的には大きな収益差につながることを理解しておきましょう。

電力会社タイプ 買取価格の傾向 特徴
大手電力会社 7~9円/kWh 安定性重視
新電力(一般) 8~10円/kWh 価格競争力
新電力(再エネ特化) 10~12円/kWh 環境価値評価

自家消費型への転換とメリット

売電から自家消費への転換は、20年後の有力な選択肢のひとつです。

とくに、工場や倉庫、店舗などの屋根に設置された太陽光発電では、大きなメリットが期待できます。

電気料金の高騰がつづくなか、自家消費による電気代削減効果は年々大きくなっています。

自家消費型への転換には、配線の変更や制御システムの導入が必要になります。

初期投資はかかりますが、電気料金の削減効果を考えると、数年で回収できるケースが多いです。

また、再エネ賦課金や燃料調整費の負担も軽減できるため、実質的な削減効果はさらに大きくなります。

電気料金削減効果の試算

具体的な削減効果を試算してみましょう。

50kWの太陽光発電所で、年間発電量60,000kWhをすべて自家消費した場合を考えます。

産業用電力の平均単価を20円/kWhとすると、年間120万円の電気代を削減できることになります。

さらに、基本料金の削減効果も期待できます。

ピークカットにより契約電力を下げられれば、月額数万円の基本料金削減も可能です。

年間では、数十万円の追加削減効果が生まれることもあります。

自家消費のメリット:

  • 電気料金の大幅削減
  • 再エネ賦課金の負担軽減
  • 基本料金の削減可能性
  • 環境価値の自社活用
  • 電力価格変動リスクの回避

BCP対策としての活用方法

自家消費型太陽光発電は、BCP(事業継続計画)対策としても注目されています。

災害時や停電時でも、太陽光発電があれば最低限の電力を確保できるからです。

ただし、通常の系統連系型システムでは、停電時に発電が停止してしまいます。

そこで、自立運転機能付きのパワーコンディショナーや、蓄電池の導入が重要になります。

蓄電池を併設すれば、昼間に発電した電力を夜間にも使用できるようになります。

近年の自然災害の増加により、BCP対策の重要性は高まっています。

取引先からBCP対策を求められるケースも増えており、太陽光発電の活用は企業価値の向上にもつながります。

停電時の電力供給により、以下のような事業継続が可能になります:

  • 最低限の照明確保
  • 通信機器の稼働維持
  • 冷蔵・冷凍設備の運転
  • 生産設備の安全停止
  • データサーバーの保護

太陽光発電所の売却戦略

20年間の運用により、十分な収益を得られた場合は、発電所の売却も選択肢になります。

中古太陽光発電所の市場は成熟しており、適正な価格での売買が可能です。

売却のタイミングとしては、FIT期間が残っているうちのほうが有利といえるでしょう。

売却価格は、残存FIT期間、発電実績、設備の状態などによって決まります。

一般的には、年間売電収入の5~10倍程度が相場とされています。

ただし、FIT期間が短くなるほど、売却価格は下がる傾向にあります。

売却を成功させるためには、以下の準備が重要です:

  • 発電実績データの整理
  • メンテナンス履歴の記録
  • 設備の不具合箇所の修繕
  • 土地の権利関係の整理
  • 必要書類の準備
売却時期 価格相場 メリット デメリット
FIT期間中 年間売電収入×5~10倍 高値売却可能 将来収益の放棄
FIT終了後 年間売電収入×2~5倍 維持管理不要 売却価格低下

土地賃貸契約の場合の対応

土地を賃貸して太陽光発電事業をおこなっている場合、20年後の対応はより複雑になります。

賃貸契約の内容によって、選択肢が大きく変わってくるからです。

多くの場合、20年間の事業用定期借地契約がむすばれています。

契約満了時には、原則として更地にして返還する必要があります。

しかし、地主との交渉により、契約を延長できる可能性もあります。

とくに、農地転用した土地の場合は、地主も継続的な収入を望むケースが多いです。

契約更新の交渉では、以下の点がポイントになります:

  • 賃料の見直し(減額交渉)
  • 契約期間の設定(5年、10年など)
  • 撤去費用の負担割合
  • 設備の譲渡条件
  • 原状回復の範囲

地主との良好な関係を維持することが、スムーズな交渉の鍵となります。

定期的なコミュニケーションを心がけ、早めに意向を確認しておくことが大切です。

設備の撤去と廃棄費用

事業を終了する場合、太陽光発電設備の撤去と廃棄が必要になります。

撤去費用は、設備規模や立地条件によって大きく異なりますが、一般的には1kWあたり約1万円が目安とされています。

50kWの発電所であれば、約50万円の撤去費用がかかる計算です。

ただし、太陽光パネルや架台、ケーブルなどには有価物としての価値があります。

リサイクル業者に売却できれば、撤去費用を相殺できる可能性もあります。

とくに、銅線やアルミ架台は高値で取引されることが多いです。

2022年7月からは、廃棄等費用積立制度も始まっています。

この制度により、FIT期間の後半10年間で廃棄費用を積み立てることが義務化されました。

適切に積立をおこなっていれば、撤去時の費用負担は軽減されるはずです。

撤去・廃棄の流れ:

  1. 撤去業者の選定と見積もり取得
  2. 有価物の買取業者探し
  3. 電力会社への廃止届提出
  4. 設備の解体・撤去作業
  5. 廃棄物の適正処理
  6. 土地の原状回復

20年後も収益を確保するための注意点

売電収入とランニングコストのバランス

20年後も太陽光発電事業を継続するには、収支のバランスを慎重に検討する必要があります。

売電価格が下がるなかで、いかにランニングコストを抑えるかが重要になってきます。

毎月かかる費用を正確に把握し、売電収入で賄えるかどうかを計算しましょう。

主なランニングコストには、以下のようなものがあります。

電気代(パワコンの待機電力)、通信費(遠隔監視システム)、保険料、固定資産税、メンテナンス費用などです。

これらの合計が、売電収入を上回ってしまうと、事業継続は困難になります。

たとえば、50kWの発電所で年間発電量が60,000kWh、売電価格が8円/kWhの場合、年間売電収入は48万円です。

一方、ランニングコストが月額3万円かかれば、年間36万円の支出となります。

利益は12万円しか残らず、大規模修繕が発生すれば赤字になってしまうのです。

コスト項目 月額費用の目安 年間費用
電気代 3,000円 36,000円
通信費 2,000円 24,000円
保険料 5,000円 60,000円
固定資産税 10,000円 120,000円
メンテナンス 10,000円 120,000円
合計 30,000円 360,000円

設備の経年劣化と交換時期

太陽光発電設備は、20年を超えても発電をつづけることができます。

しかし、各機器には寿命があり、適切なタイミングでの交換が必要です。

交換時期を見誤ると、突然の故障により長期間の発電停止を招くこともあります。

太陽光パネルの期待寿命

太陽光パネルの期待寿命は、一般的に20~35年とされています。

ただし、これは「完全に発電しなくなる」までの期間ではありません。

多くのメーカーは、25年後でも出力の80%以上を保証しています。

つまり、20年後もパネル自体は問題なく使えることが多いのです。

ただし、経年劣化により発電効率は徐々に低下していきます。

年間0.5~0.8%程度の出力低下が一般的で、20年後には初期出力の85~90%程度になります。

パネルの劣化を早める要因:

  • 高温多湿な環境
  • 塩害地域での設置
  • 積雪による負荷
  • 鳥の糞などの汚れ
  • 不適切な清掃方法

定期的な点検により、以下のような異常を早期発見することが大切です。

ガラスの割れ、バックシートの剥離、ジャンクションボックスの焼損、ホットスポットの発生などです。

これらの異常を放置すると、発電量の低下だけでなく、火災などの事故につながる可能性もあります。

パワーコンディショナーの更新計画

パワーコンディショナー(パワコン)の期待寿命は、約15年とされています。

つまり、20年の運用期間中に、少なくとも1回は交換が必要になる計算です。

実際には、10~13年程度で故障するケースも多く、早めの更新計画が重要になります。

パワコンの交換費用は、容量にもよりますが、1台あたり50~100万円程度かかります。

50kWの発電所では、10kWのパワコンが5台設置されていることが多く、全交換すると250~500万円もの費用が必要です。

この費用を計画的に準備しておかないと、故障時に対応できなくなってしまいます。

最新のパワコンには、さまざまな機能が追加されています。

変換効率の向上、遠隔監視機能、出力制御対応、自立運転機能などです。

交換時には、これらの新機能を活用することで、発電所の価値を高めることもできるでしょう。

パワコン更新のタイミング:

  • 故障頻度の増加
  • 変換効率の低下
  • 部品供給の終了
  • 新機能への対応必要性

メンテナンス体制の重要性

20年を超えて太陽光発電を運用するには、適切なメンテナンス体制が不可欠です。

定期的な点検と清掃により、発電量の維持と故障の予防ができます。

逆に、メンテナンスを怠ると、発電量が大幅に低下し、収益性が悪化してしまいます。

メンテナンスの基本は、月次点検と年次点検の組み合わせです。

月次点検では、遠隔監視システムによる発電量のチェックや、外観の目視確認をおこないます。

年次点検では、専門業者による詳細な電気点検や、パネルの清掃を実施します。

とくに重要なのが、雑草対策です。

雑草が伸びると、パネルに影ができて発電量が低下します。

また、パワコンの通気口をふさいで、故障の原因にもなります。

定期的な草刈りや、防草シートの設置など、計画的な対策が必要です。

年間メンテナンススケジュールの例:

時期 作業内容 費用目安
毎月 遠隔監視チェック 2,000円
4月 草刈り(1回目) 30,000円
6月 パネル清掃 50,000円
8月 草刈り(2回目) 30,000円
10月 年次電気点検 80,000円
11月 草刈り(3回目) 30,000円

出力制御による収益への影響

出力制御は、電力需給バランスを保つために、発電出力を抑制する制度です。

九州地方を中心に実施されており、今後は全国に拡大する可能性があります。

出力制御がかかると、せっかく発電できる状況でも売電ができなくなってしまいます。

出力制御の対象となるかどうかは、地域や接続時期によって異なります。

新しく接続する発電所ほど、出力制御の対象になりやすい傾向があります。

また、出力制御の頻度も年々増加しており、収益への影響が大きくなっています。

2023年の九州電力管内では、年間100日を超える出力制御が実施されました。

これは、年間発電量の約20%が失われたことを意味します。

20年後も出力制御がつづく場合、収益性はさらに厳しくなるでしょう。

出力制御への対策:

  • 蓄電池の導入による自家消費
  • 出力制御保険への加入
  • 制御の少ない地域での事業展開
  • オンライン制御による最適化

今から準備すべき20年後への対策

早期の運用方針決定のメリット

20年後の運用方針は、早めに決めることで多くのメリットがあります。

計画的な準備により、最適なタイミングで行動できるようになるからです。

逆に、ギリギリまで決断を先延ばしにすると、選択肢が限られてしまうこともあります。

たとえば、売却を検討している場合、FIT期間が残り5年を切ると買い手が見つかりにくくなります。

買い手側も、短い回収期間では投資メリットが少ないと判断するためです。

早めに売却活動を始めれば、より良い条件で取引できる可能性が高まります。

自家消費への転換を考えている場合も、早期の準備が重要です。

配線工事や制御システムの導入には、数ヶ月の期間が必要になります。

また、蓄電池を導入する場合は、補助金の申請時期も考慮しなければなりません。

早期決定のメリット:

  • 最適な売却タイミングの選択
  • 補助金・税制優遇の活用
  • 計画的な資金準備
  • 関係者との調整時間の確保
  • 市場動向を見極める余裕

廃棄等費用積立制度への対応

2022年7月から始まった廃棄等費用積立制度は、すべての事業者が対応すべき重要な制度です。

10kW以上の太陽光発電設備が対象で、FIT期間の終了10年前から積立が開始されます。

積立金は、売電収入から源泉徴収的に差し引かれる仕組みになっています。

積立金額は、設備の規模や認定年度によって異なります。

2012年度認定の設備では、1kWあたり1万円程度の積立が必要です。

50kWの発電所であれば、10年間で50万円を積み立てることになります。

この積立金は、廃棄時に取り戻すことができますが、適切な廃棄をおこなった場合に限られます。

不法投棄や放置をすると、積立金は没収されてしまいます。

また、設備を第三者に譲渡する場合は、積立金の取り扱いについて事前に確認が必要です。

積立制度のポイント:

  • FIT認定を受けたすべての10kW以上が対象
  • 売電収入から自動的に積立
  • 適正な廃棄で積立金を回収可能
  • 譲渡時は新所有者に引き継ぎ
認定年度 積立単価(円/kWh) 50kW・年6万kWhの年間積立額
2012年度 1.62円 97,200円
2013年度 1.40円 84,000円
2014年度 1.09円 65,400円

最新制度(FIP制度)の活用検討

FIP制度(Feed-in Premium)は、FIT制度にかわる新しい支援制度として2022年4月に導入されました。

市場価格に一定のプレミアムを上乗せする仕組みで、より市場メカニズムを活用した制度です。

20年後の選択肢として、FIP制度への移行も検討する価値があります。

FIP制度では、発電事業者が電力市場で直接売電をおこないます。

市場価格が高い時間帯に売電すれば、より高い収益を得ることができるのです。

ただし、市場取引の知識や、需給予測の能力が必要になります。

現在のFIP制度は、新規の大規模発電所が主な対象ですが、将来的には既存設備にも適用される可能性があります。

とくに、蓄電池を併設した発電所では、FIP制度のメリットを最大限に活かせるでしょう。

需要の高い時間帯に放電することで、高い売電収入を得られるからです。

FIP制度の特徴:

  • 市場価格+プレミアムの収入
  • 時間帯による価格差の活用可能
  • 計画値同時同量の責任
  • アグリゲーターとの連携も可能

リスク分散と投資戦略の見直し

太陽光発電事業を20年以上つづけるには、さまざまなリスクに備える必要があります。

単一の発電所に依存するのではなく、リスク分散を考えた投資戦略が重要になってきます。

複数の選択肢を組み合わせることで、安定した収益を確保できるでしょう。

たとえば、一部の発電所は売却し、残りは自家消費に転換するという戦略も考えられます。

売却で得た資金を、蓄電池の導入や新たな再エネ投資に回すこともできます。

また、地域や規模の異なる複数の発電所を保有することで、出力制御リスクも分散できます。

投資戦略の見直しでは、太陽光発電以外の選択肢も検討すべきです。

風力発電、バイオマス発電、小水力発電など、他の再生可能エネルギーへの投資も視野に入れましょう。

さらに、省エネ設備や蓄電システムなど、関連分野への投資も有効です。

リスク分散の方法:

  • 複数サイトでの事業展開
  • 異なる電力会社との契約
  • 自家消費と売電の併用
  • 他の再エネへの投資
  • 金融商品によるヘッジ

長期的な視点では、カーボンニュートラルに向けた社会の変化も重要な要素です。

炭素税の導入や、グリーン電力の需要増加など、太陽光発電に有利な環境が整う可能性もあります。

これらの動向を注視しながら、柔軟に戦略を修正していくことが成功の鍵となるでしょう。

まとめ

太陽光パネルの20年後について、さまざまな角度から解説してきました。

FIT制度が終了しても、太陽光発電の選択肢は決してなくなるわけではありません。

売電の継続、自家消費への転換、設備の売却など、それぞれの状況に応じた最適な選択が可能です。

重要なのは、早めに方針を決めて、計画的に準備を進めることです。

20年後になってから慌てるのではなく、今から将来を見据えた行動をとることで、より良い結果を得ることができるでしょう。

市場環境の変化や、新しい制度の導入など、不確実な要素も多くあります。

しかし、再生可能エネルギーの重要性は今後ますます高まることは間違いありません。

太陽光発電は、これからも日本のエネルギー供給において重要な役割を果たしつづけるはずです。

最後に、20年後の選択で迷ったときは、専門家に相談することをおすすめします。

税理士、行政書士、太陽光発電の専門業者など、それぞれの分野のプロフェッショナルがサポートしてくれます。

適切なアドバイスを受けながら、最適な選択をしていただければ幸いです。

太陽光発電の20年後は、決して暗いものではありません。

適切な準備と戦略により、新たなビジネスチャンスにもなりえるのです。

この記事が、皆様の太陽光発電事業の未来を考えるきっかけになれば、これほどうれしいことはありません。

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