お役立ちコラム 2026.01.14
太陽光パネルDIYは危険?自作手順と限界を完全解説
「電気代を少しでも節約したい」「災害時にも使える電源がほしい」という思いから、太陽光パネルのDIYに興味を持つ方が増えています。
インターネットで検索すると、自作キットの紹介やYouTubeでの設置動画など、さまざまな情報が見つかるでしょう。
たしかに、太陽光発電を自分で組み立てることは、技術的には不可能ではありません。
しかし、ここで立ち止まって考えてほしいことがあります。
本当にDIYで安全に設置できるのか、そして法律や制度の面でどこまで許されるのかという点です。
実は、太陽光パネルのDIYには明確な「できること」と「できないこと」の境界線が存在します。
この境界線を知らずに作業を進めてしまうと、感電や火災といった重大な事故につながる危険性があるのです。
さらに、資格が必要な工事を無許可で行えば、法律違反になるケースもあります。
本記事では、太陽光パネルDIYの現実的な用途から、必要な機材、具体的な接続手順、そして費用や安全リスクまでを徹底的に解説していきます。
「やってみたいけど不安がある」「どこまでが自分でできる範囲なのか知りたい」という方は、ぜひ最後までお読みください。
正しい知識を身につけることで、安全かつ合法的な範囲での太陽光発電ライフを始められるはずです。
目次
太陽光パネルDIYでできること・できないこと

太陽光パネルのDIYと聞くと、屋根一面にパネルを並べて電力会社に売電するイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし、現実的にDIYで対応できる範囲は、そのイメージとは大きく異なります。
まずは、個人が合法的かつ安全に取り組めるDIYの範囲を正しく理解しておくことが大切です。
ここでは、DIYで実現可能な用途と、専門業者に任せるべき領域について、具体的に整理していきましょう。
DIYの現実的な用途(非常用・小型オフグリッド中心)
太陽光パネルのDIYが現実的に活躍できる場面は、主に小規模な独立型システムに限られます。
この独立型システムとは、電力会社の送電網(グリッド)に接続しない、いわゆる「オフグリッド」の仕組みを指します。
具体的には、以下のような用途がDIYに適しています。
DIYで実現しやすい太陽光発電の用途
|
用途 |
具体例 |
目安となるパネル容量 |
|
非常用電源 |
スマートフォンの充電、LEDライトの点灯、ラジオの稼働 |
50W〜100W |
|
アウトドア用 |
キャンプ場での小型家電、車中泊時の電源確保 |
100W〜200W |
|
庭・ベランダ用 |
ガーデンライト、小型ポンプ、防犯カメラ |
50W〜150W |
|
小屋・倉庫用 |
照明、換気扇、簡易的な作業用電源 |
200W〜400W |
|
ポータブル電源の充電 |
大容量バッテリーへの蓄電 |
100W〜200W |
たとえば、災害時の非常用電源としてDIYシステムを構築するケースを考えてみましょう。
100Wのソーラーパネル1枚と、容量50Ah程度の蓄電池を組み合わせれば、スマートフォン約20台分の充電が可能になります。
また、10WのLEDライトなら連続で50時間ほど点灯できる計算です。
これだけの電力があれば、停電時に最低限の明かりと通信手段を確保できるでしょう。
キャンプや車中泊などのアウトドアシーンでも、DIYの太陽光発電は重宝します。
折りたたみ式の100Wパネルをルーフキャリアに載せ、ポータブル電源に接続すれば、電源サイトでなくても快適に過ごせるようになるのです。
扇風機や電気毛布、ミニ冷蔵庫など、ちょっとした家電を動かすには十分な電力を得られます。
庭やベランダでの小規模発電も、DIYの人気用途のひとつです。
50W程度のパネルがあれば、ソーラーガーデンライトよりも明るい照明を設置したり、ビオトープの循環ポンプを動かしたりできます。
電気配線を屋内から引く手間が省けるため、設置場所の自由度が高いのがメリットといえるでしょう。
このように、電力会社の系統に接続しない独立型のシステムであれば、DIYでも十分に実用的な太陽光発電を構築できます。
ポイントは、「大きな電力を生み出す」ことを目指すのではなく、「必要な場所に必要なだけの電力を届ける」という発想に切り替えることです。
- 停電時のスマートフォン充電や照明確保
- 電源のない屋外での小型家電の使用
- ポータブル電源を太陽光でこまめに充電する運用
- 電気代削減ではなく「あると便利」程度の付加価値
これらの目的であれば、DIYでも安全に、そして法律の範囲内で取り組むことができるのです。
DIYが難しい理由(屋根設置・資格/許可・売電/補助金の壁)
前の項目では、DIYで実現しやすい用途について解説しました。
では逆に、なぜ本格的な太陽光発電システムはDIYで対応できないのか、その理由を具体的に見ていきましょう。
大きく分けて、「屋根への設置」「電気工事の資格」「売電・補助金制度」という3つの壁が存在します。
DIYが困難な理由の全体像
|
壁の種類 |
具体的な内容 |
DIYで対応可能か |
|
屋根設置の壁 |
高所作業の危険性、防水処理、耐風圧設計 |
ほぼ不可能 |
|
資格・許可の壁 |
電気工事士資格、電力会社への届出、自治体の許可 |
法律違反のリスクあり |
|
売電・補助金の壁 |
FIT制度の認定、施工業者の要件、保証の問題 |
適用対象外になる |
まず「屋根設置の壁」について説明します。
住宅の屋根にソーラーパネルを設置する作業は、想像以上に専門的な技術が求められます。
高所での作業になるため、転落による死亡事故のリスクが常につきまといます。
実際、太陽光パネル設置工事における労働災害の多くは、屋根からの転落が原因です。
さらに、パネルを固定するために屋根に穴を開ける必要がありますが、防水処理を適切に行わないと雨漏りの原因になります。
台風や強風に耐えられる架台の設計・施工も、素人には難しい領域といえるでしょう。
次に「資格・許可の壁」です。
太陽光発電システムを住宅の電気系統に接続する場合、電気工事士の資格が必要になります。
これは電気工事士法で定められており、無資格での工事は違法行為にあたるのです。
具体的には、分電盤への接続や、屋内配線との結合作業がこれに該当します。
また、発電出力が10kW以上のシステムでは、経済産業省への届出が必要です。
自治体によっては、景観条例や建築基準法に基づく許可申請を求められるケースもあります。
- 第二種電気工事士:一般住宅の電気工事に必要
- 電力会社への系統連系申請:売電や逆潮流を行う場合に必須
- 自治体への届出:設置場所や規模によって必要
これらの手続きを無視してDIYを強行すると、後から撤去命令や罰則を受ける可能性があります。
最後に「売電・補助金の壁」について触れておきましょう。
多くの方が太陽光発電に期待するのは、余った電気を電力会社に売って収入を得る「売電」ではないでしょうか。
しかし、売電を行うためにはFIT(固定価格買取制度)の認定を受ける必要があり、この認定には登録された施工業者による設置が条件となっています。
つまり、DIYで設置したシステムでは、そもそも売電の申請ができないのです。
同様に、国や自治体が用意している太陽光発電の補助金制度も、指定業者による施工が要件に含まれていることがほとんどです。
さらに、メーカー保証の観点からも問題があります。
パネルやパワーコンディショナーには通常10〜25年の製品保証がついていますが、正規の施工業者以外が設置した場合は保証対象外になることが多いのです。
万が一、製品の初期不良や経年劣化による故障が発生しても、自己責任で対応しなければなりません。
このように、太陽光パネルのDIYには明確な限界があります。
「電気代の大幅削減」「売電収入」「補助金の活用」といった目的であれば、専門業者への依頼が現実的な選択といえるでしょう。
DIYが有効なのは、あくまでオフグリッドの小規模システムに限られることを、しっかりと認識しておいてください。
太陽光DIYに必要な機材と作り方の基本

ここからは、実際にDIYで太陽光発電システムを構築する方法について解説していきます。
前章で説明したとおり、DIYで取り組めるのは電力会社の系統に接続しない独立型システムが中心です。
独立型システムは、大きく分けて「発電」「制御」「蓄電」「変換」という4つの要素で構成されています。
それぞれの役割を担う機材と、正しい接続手順を理解することが、安全なDIYの第一歩となります。
必要な構成部品一覧(パネル・コントローラ・バッテリー等)
太陽光発電のDIYシステムを構築するには、いくつかの機材を組み合わせる必要があります。
必要最低限の構成部品は4種類あり、それぞれが重要な役割を担っています。
ここでは、各部品の機能と選び方のポイントを詳しく見ていきましょう。
DIYソーラーシステムの基本構成部品
|
部品名 |
役割 |
価格目安(参考) |
|
ソーラーパネル |
太陽光を電気に変換する |
100Wあたり8,000〜15,000円 |
|
チャージコントローラー |
充電を制御し、過充電を防ぐ |
3,000〜20,000円 |
|
バッテリー(蓄電池) |
発電した電気を貯める |
10,000〜50,000円 |
|
インバーター |
直流を交流に変換する |
5,000〜30,000円 |
|
配線・コネクター類 |
各機器を接続する |
2,000〜5,000円 |
【ソーラーパネル】
ソーラーパネルは、太陽光発電システムの心臓部ともいえる部品です。
DIY用途で主に使われるのは、単結晶シリコンまたは多結晶シリコンタイプのパネルになります。
単結晶は変換効率が高く、限られたスペースでも多くの電力を得られるのが特徴です。
多結晶は効率では劣りますが、価格が安いためコストを抑えたい方に向いています。
DIY初心者であれば、100W〜200Wクラスのパネルから始めるのがおすすめです。
このクラスなら重量も10kg前後と扱いやすく、一人でも設置作業が可能でしょう。
パネルを選ぶ際は、出力電圧にも注目してください。
12Vシステムを構築するなら、開放電圧が18〜22V程度のパネルを選ぶと、バッテリーへの充電がスムーズに行えます。
【チャージコントローラー】
チャージコントローラーは、バッテリーの過充電や過放電を防ぐ制御装置です。
太陽光パネルの出力は天候や時間帯によって変動するため、直接バッテリーに接続すると故障や劣化の原因になります。
コントローラーを介することで、適切な電圧・電流でバッテリーを充電できるようになるのです。
コントローラーには大きく分けて「PWM方式」と「MPPT方式」の2種類があります。
- PWM方式:安価だが変換効率が低い(70〜80%程度)
- MPPT方式:高価だが変換効率が高い(95〜99%程度)
小規模なシステムであればPWM方式でも十分ですが、200W以上のパネルを使う場合はMPPT方式を選んだほうが発電量を有効活用できます。
【バッテリー(蓄電池)】
バッテリーは、発電した電気を貯めておくための部品です。
DIY用途で使われるバッテリーには、主に以下の種類があります。
- 鉛蓄電池(ディープサイクル):安価で入手しやすいが重い
- リチウムイオン電池:軽量で寿命が長いが高価
- リン酸鉄リチウム電池(LiFePO4):安全性が高く長寿命だがさらに高価
初心者には、ディープサイクル型の鉛蓄電池がおすすめです。
ホームセンターやネット通販で手軽に購入でき、12V50Ahクラスなら1万円前後で入手できます。
容量の目安として、100Wのパネルには50〜100Ah程度のバッテリーを組み合わせるとバランスが良いでしょう。
【インバーター】
インバーターは、バッテリーの直流電力を家電製品で使える交流電力に変換する装置です。
日本の家電は100Vの交流電源で動作するため、12Vや24Vの直流しか出力できないバッテリーだけでは使えません。
インバーターには「矩形波」「疑似正弦波」「純正弦波」の3タイプがあります。
精密機器やモーターを使う家電を動かすなら、純正弦波タイプを選んでください。
矩形波や疑似正弦波タイプは安価ですが、機器によっては動作不良やノイズの原因になることがあります。
【配線・コネクター類】
意外と見落としがちですが、配線やコネクターも重要な構成部品です。
太陽光発電システムでは、MC4コネクターという規格が広く使われています。
パネルとコントローラーの接続には、このMC4コネクター付きのケーブルを使用するのが一般的です。
配線の太さ(AWG)は、流れる電流量に応じて適切なものを選ぶ必要があります。
100W程度のシステムであれば、AWG14〜12の配線で十分対応できるでしょう。
また、バッテリー周りの配線には圧着端子やヒューズも必要です。
ショートや過電流から機器を守るため、必ずヒューズを設置するようにしてください。
接続手順と設置のコツ(安全な順番・角度/方位の基本)
必要な機材が揃ったら、いよいよ組み立てと設置の作業に入ります。
太陽光発電システムの接続には、安全のために守るべき順番があります。
この順番を間違えると、ショートや感電の原因になるため、必ず正しい手順で作業を進めてください。
接続作業の正しい手順
|
手順 |
作業内容 |
注意点 |
|
1 |
バッテリーとコントローラーを接続 |
極性(+と−)を確認 |
|
2 |
コントローラーとインバーターを接続 |
ヒューズの設置を忘れずに |
|
3 |
ソーラーパネルとコントローラーを接続 |
パネルに光が当たらないよう遮光する |
|
4 |
各機器の動作確認 |
電圧表示や充電状態をチェック |
【手順1:バッテリーとコントローラーの接続】
最初に行うのは、バッテリーとチャージコントローラーの接続です。
コントローラーにはバッテリー接続用の端子があり、必ずプラス(+)から先に接続します。
プラス端子を接続したら、次にマイナス(−)端子を接続してください。
この時点で、コントローラーの電源が入り、ディスプレイが点灯するはずです。
接続時は火花が散ることがありますが、正常な現象なので心配いりません。
ただし、プラスとマイナスを逆に接続すると機器が破損するため、極性の確認は慎重に行いましょう。
【手順2:コントローラーとインバーターの接続】
バッテリーの接続が完了したら、次はインバーターを接続します。
コントローラーの負荷出力端子、またはバッテリーから直接インバーターに配線を引きます。
この際、バッテリーとインバーターの間に必ずヒューズを設置してください。
インバーターは起動時に大きな電流が流れるため、ヒューズがないとショート時に発火する危険があります。
ヒューズの容量は、インバーターの最大出力に応じて選定します。
たとえば、300Wのインバーターを12Vシステムで使う場合、最大電流は約25Aになるため、30〜40Aのヒューズが適切です。
【手順3:ソーラーパネルとコントローラーの接続】
最後に、ソーラーパネルをコントローラーに接続します。
この作業を行う際は、パネルに光が当たらないようにしてください。
パネルに日光が当たっている状態で接続作業を行うと、発電した電流が流れて感電やショートの原因になります。
ダンボールや毛布でパネルを覆うか、夕方〜夜間に作業を行うのが安全です。
接続が完了したら、パネルの遮光を外して発電を開始します。
コントローラーのディスプレイに充電表示が出れば、正常に動作しています。
【設置場所と角度の最適化】
パネルの設置場所と角度は、発電効率に大きく影響します。
日本国内でパネルを設置する場合、真南に向けて、地面から30度程度の角度で傾けるのが最も効率的です。
ただし、設置場所の条件によっては調整が必要になることもあります。
- 南向きが難しい場合:東または西向きでも70〜80%の発電量は確保できる
- 角度の調整:夏は水平に近く、冬は垂直に近いほうが効率的
- 影の影響:木や建物の影が一部でもかかると、全体の発電量が大幅に低下する
特に注意したいのが、影の影響です。
パネルの一部に影がかかると、影のない部分まで発電量が落ちてしまう特性があります。
設置前に、一日を通して影がかからない場所かどうかを確認しておきましょう。
地面やベランダに設置する場合は、市販の架台やDIYで作った台座を使って角度を調整できます。
アルミ製のアングル材を組み合わせれば、軽量で錆びにくい架台を安価に自作できるでしょう。
このように、正しい手順と適切な設置によって、DIYでも効率的な太陽光発電システムを構築できます。
焦らず、一つひとつの工程を丁寧に進めることが、安全なDIYの秘訣です。
費用感・実用性・安全リスクの判断ポイント

ここまで、太陽光パネルDIYの具体的な方法について解説してきました。
しかし、実際に取り組むかどうかを決める際には、費用対効果や安全性についても冷静に判断する必要があります。
「本当にDIYのほうがお得なのか」「どんなリスクがあるのか」という疑問に、この章でしっかりとお答えしていきましょう。
DIY費用の目安(キット利用と自作設計の比較)
太陽光パネルDIYにかかる費用は、キットを購入するか、部品を個別に揃えるかによって大きく変わります。
それぞれのメリット・デメリットを理解した上で、自分に合った方法を選びましょう。
DIYソーラーシステムの費用比較
|
項目 |
キット利用 |
自作設計(部品個別購入) |
|
100Wシステムの総費用 |
25,000〜40,000円 |
20,000〜35,000円 |
|
200Wシステムの総費用 |
45,000〜70,000円 |
35,000〜55,000円 |
|
部品の相性 |
最適化済み |
自分で確認が必要 |
|
組み立ての難易度 |
低い(説明書付き) |
中〜高い |
|
カスタマイズ性 |
低い |
高い |
|
初心者へのおすすめ度 |
◎ |
△ |
【キット利用の場合】
DIY初心者に最もおすすめなのは、必要な部品がセットになったキット製品を購入する方法です。
「ソーラーパネルDIYキット」などの名称で、Amazonや楽天、専門ショップで販売されています。
キットの内容は製品によって異なりますが、一般的には以下の部品が含まれています。
- ソーラーパネル(100W〜200W)
- チャージコントローラー(PWMまたはMPPT)
- 接続ケーブル・コネクター一式
- 取扱説明書(日本語対応のものを選ぶと安心)
100Wクラスのキットは25,000〜40,000円程度が相場です。
バッテリーとインバーターは別売りのことが多いため、これらを追加購入すると総額で40,000〜60,000円程度になるでしょう。
キットのメリットは、部品同士の相性が確認済みである点です。
電圧や電流の規格が合わない部品を組み合わせてしまうリスクがなく、説明書どおりに接続すれば動作するはずです。
また、同じショップでサポートを受けられる点も初心者には心強いポイントといえます。
【部品を個別購入する場合】
ある程度の知識がある方や、自分の用途に合わせて最適化したい方は、部品を個別に購入する方法もあります。
この場合、キットよりも5,000〜15,000円程度安く済むことが多いでしょう。
また、高性能なMPPTコントローラーを採用したり、容量の大きいバッテリーを選んだりと、カスタマイズの自由度が高いのが魅力です。
ただし、以下の点に注意が必要です。
- 各部品の電圧・電流規格を自分で確認する必要がある
- 配線やコネクターの規格を揃える手間がかかる
- 不具合が起きた際に原因の切り分けが難しい
電気の知識がある方や、2台目以降のシステムを作る場合には、部品個別購入がコストパフォーマンスに優れるでしょう。
【業者設置との費用比較】
参考までに、専門業者に依頼して住宅用太陽光発電を設置する場合の費用も確認しておきましょう。
住宅の屋根に4〜5kWのシステムを設置する場合、工事費込みで100〜150万円程度が相場です。
1kWあたり20〜30万円という計算になります。
これに対して、DIYの独立型システムは100〜200Wで40,000〜80,000円程度ですから、出力あたりの単価はDIYのほうが高くなります。
しかし、DIYは売電を目的としていないため、単純な費用比較には意味がありません。
非常用電源やオフグリッド用途という付加価値を考慮すれば、DIYにも十分な存在意義があるのです。
実用性の限界と危険性(容量不足・発火/感電リスク・対策)
太陽光パネルDIYには多くの魅力がありますが、実用性の限界と安全上のリスクについても正しく理解しておく必要があります。
これらを知らずに作業を進めると、期待はずれの結果になったり、最悪の場合は事故につながったりする可能性があるためです。
DIYソーラーの主なリスクと対策
|
リスクの種類 |
具体的な内容 |
対策方法 |
|
容量不足 |
期待した家電が動かない、すぐにバッテリー切れになる |
事前に消費電力を計算し、余裕を持った設計をする |
|
発火リスク |
配線のショート、バッテリーの過熱、接触不良 |
ヒューズの設置、適切な配線サイズの選定、定期点検 |
|
感電リスク |
接続作業中の感電、濡れた状態での接触 |
遮光してから作業、絶縁手袋の使用、雨天時は触らない |
|
機器の故障 |
逆接続、過電圧、過負荷 |
極性確認の徹底、保護回路付き機器の選定 |
【実用性の限界について】
DIYで構築できる太陽光発電システムには、明確な容量の限界があります。
100Wのパネルは、晴天時でも1日あたり300〜400Wh程度しか発電できません。
これは、50Wの扇風機を6〜8時間動かせる程度の電力量です。
エアコンや電子レンジ、ドライヤーといった消費電力の大きい家電は、DIYシステムでは実質的に動かせないと考えてください。
たとえば、1,000Wの電子レンジを3分間使うと50Whを消費します。
これだけで、100Wパネルの約1〜2時間分の発電量を使い切ってしまう計算です。
また、天候による発電量の変動も大きな課題といえます。
曇りの日は晴天時の30〜50%、雨の日は10〜20%程度まで発電量が落ち込みます。
連続した悪天候が続くと、バッテリーの充電が追いつかなくなることもあるでしょう。
DIYシステムを実用的に活用するためには、「使える家電」と「使えない家電」を明確に区別しておくことが大切です。
- 使える:スマートフォン充電、LEDライト、小型ファン、ラジオ、ノートPC
- 工夫すれば使える:小型冷蔵庫、扇風機、テレビ(消費電力を要確認)
- 基本的に使えない:エアコン、電子レンジ、ドライヤー、IHヒーター
【発火・感電のリスクと対策】
太陽光発電システムは、適切に設置・管理すれば安全に使える設備です。
しかし、電気を扱う以上、発火や感電のリスクはゼロではありません。
特にDIYの場合、専門家のチェックが入らないため、自分自身でリスク管理を徹底する必要があります。
発火リスクへの対策として最も重要なのは、ヒューズの設置です。
バッテリーとインバーターの間、パネルとコントローラーの間には、必ず適切な容量のヒューズを入れてください。
万が一ショートが発生した場合でも、ヒューズが切れることで大電流の流れを遮断し、発火を防いでくれます。
また、配線の太さ(AWG)が不適切だと、過電流によって配線が発熱し、被覆が溶けて発火する危険があります。
流れる電流量に対して十分な太さの配線を選ぶことが、安全なシステム構築の基本です。
配線の接続部分は、経年劣化で接触不良を起こすことがあります。
接触不良の箇所は抵抗が増えて発熱しやすくなるため、定期的な点検と増し締めを習慣にしましょう。
感電リスクについては、作業時の注意が最も重要です。
前述のとおり、ソーラーパネルを接続する際は必ず遮光してから作業を行ってください。
100Wのパネルでも、開放電圧は20V近くになり、感電すると痛みを感じるレベルです。
また、雨の日や手が濡れた状態では、絶対にシステムに触れないでください。
水は電気を通しやすくするため、乾燥した状態では問題ない電圧でも、濡れていると危険になることがあります。
作業時には絶縁手袋を着用し、念には念を入れて安全対策を行いましょう。
【総合的な判断のポイント】
太陽光パネルDIYに取り組むかどうかを判断する際は、以下の点を総合的に検討してください。
- 目的は明確か(非常用電源、趣味、学習など)
- 期待する用途に対して、現実的な発電量で足りるか
- 安全対策を自分で徹底できる知識と意識があるか
- 万が一の事故やトラブルを自己責任で受け入れられるか
これらの点をクリアできるなら、DIYは非常に有意義な取り組みになるでしょう。
逆に、一つでも不安が残るなら、まずは小さなキットで試してから徐々にステップアップしていく方法をおすすめします。
まとめ

この記事では、太陽光パネルDIYの現実的な可能性と限界について、詳しく解説してきました。
最後に、重要なポイントを振り返っておきましょう。
太陽光パネルのDIYは、非常用電源や小型オフグリッドシステムとして活用する場合には、十分に実用的な選択肢です。
100W〜200W程度のパネルとバッテリーを組み合わせれば、スマートフォンの充電やLED照明の点灯、小型家電の稼働などに活用できます。
一方で、屋根への本格的な設置や売電を目的としたシステムは、DIYには向いていません。
電気工事士の資格が必要な作業が含まれること、FIT認定や補助金の対象外になること、そして安全面でのリスクが大きいことが主な理由です。
DIYに取り組む際は、正しい接続手順と安全対策を必ず守ってください。
特に、ヒューズの設置、適切な配線サイズの選定、パネルの遮光作業は、事故を防ぐために欠かせないポイントです。
費用面では、キットを利用する場合で40,000〜80,000円程度から始められます。
決して安い金額ではありませんが、災害への備えや、電気の仕組みを学ぶ教材としての価値を考えれば、十分に意義のある投資といえるでしょう。
太陽光パネルDIYは、正しい知識を持って取り組めば、安全に楽しめる実用的な趣味になります。
この記事を参考に、あなたに合った太陽光発電ライフをスタートさせてみてはいかがでしょうか。
Contact
お問い合わせ
各自治体で補助金が使えるケースがございますので、
詳しくはお問い合わせください。
