お役立ちコラム 2024.10.29
購入前にチェック!オール電化の住宅での給湯器選びのポイント
家づくりにおいて、給湯器の選択は光熱費に大きく影響する重要な決断です。
とりわけオール電化住宅では、給湯器の選び方によって快適性や経済性が大きく変わってきます。
この記事では、電気給湯器の種類や特徴を詳しく解説し、あなたの家庭に最適な選択をサポートします。
目次
電気給湯器の種類と特徴
オール電化住宅で使用できる給湯器は、大きく分けて2種類存在します。
空気の熱を利用する「エコキュート」と、電気ヒーターでお湯を沸かす「電気温水器」です。
それぞれに特徴があり、家庭の状況に応じて最適な選択が変わってきます。
エコキュートの仕組み
エコキュートは、空気中の熱を活用してお湯を沸かす最新の給湯システムです。
ヒートポンプ技術を用いることで、投入した電気エネルギーの3〜4倍もの熱エネルギーを生み出すことができます。
このような高効率な仕組みにより、従来のガス給湯器と比べて約28%もの一次エネルギー消費量を削減できます。
空気熱利用の効率
エコキュートの効率を決める重要な要素が、空気熱の利用効率です。
自然冷媒(CO2)を使用することで、最高90℃という高温のお湯を作り出すことが可能です。
この技術により、少ない電力で効率的にお湯を沸かすことができます。
【エコキュートの効率を高める3つのポイント】
- 外気温度が高いほど効率が上昇
- 夜間電力の活用による経済的な運転
- 最適な貯湯量の設定
コストメリット
エコキュートの導入には、さまざまなコストメリットがあります。
夜間電力の活用により、電気料金を大幅に抑えることができます。
さらに、省エネ性能の高さから、多くの自治体で補助金制度の対象となっています。
【導入時の経済的メリット】
項目 | 内容 |
---|---|
基本補助金 | 1台あたり8万円 |
電気料金プラン | 夜間電力割引の適用 |
維持費 | ガス基本料金が不要 |
耐久性 | 10年程度の長期保証対応 |
ランニングコストの面でも、従来型の給湯器と比べて優位性があります。
電気温水器の特性
電気温水器は、シンプルな構造と安定した性能が特徴の給湯システムです。
電気ヒーターを使って直接水を加熱する仕組みにより、確実なお湯の供給を実現します。
エコキュートと比べると消費電力は多くなりますが、故障が少なく長期使用に適しています。
熱交換の仕組み
電気温水器は、家庭用の電気ポットと似た原理でお湯を沸かします。
電熱ヒーターに電気を流すことで発生する熱を、直接的に水に伝えるシンプルな仕組みです。
この熱交換方式により、外気温に左右されることなく安定した給湯が可能になります。
【電気温水器の熱交換の特徴】
- 電気エネルギーを100%熱に変換
- 気温の影響を受けにくい
- 安定した湯温を維持
- メンテナンス性に優れる
運用の特徴
電気温水器は、大容量のタンクにお湯を貯める貯湯式の給湯器です。
一般的な機種では、370Lから550Lものお湯を貯めることができます。
この貯湯方式により、災害時の生活用水としても活用できる特徴があります。
【電気温水器の運用メリット】
特徴 | 詳細 |
---|---|
静音性 | 燃焼音がなく静か |
安全性 | 火やガスを使用しない |
耐久性 | 10年程度の保証対応 |
非常時対応 | 貯水を生活用水として使用可能 |
特に音の静かさは、小さな子供のいる家庭や夜間の使用が多い世帯に好評です。
また、夜間電力を活用することで、電気料金を抑えることも可能です。
ただし、設置には冷蔵庫程度の大きさのスペースが必要なため、事前の確認が重要です。
選択時のポイント
オール電化住宅における給湯器の選択は、家庭ごとの生活スタイルや住環境に大きく左右されます。
適切な選択をするためには、具体的な使用状況や設置条件を詳しく検討する必要があります。
ここでは、選択時の重要なポイントを詳しく見ていきましょう。
家庭環境による違い
家族構成や生活パターンによって、最適な給湯器は大きく異なります。
4人家族の場合は大容量タイプが推奨され、単身世帯では小型の機種で十分です。
また、在宅時間や入浴の習慣なども重要な判断材料となります。
【家庭環境別おすすめ給湯器】
家族構成 | 推奨タイプ | タンク容量目安 |
---|---|---|
単身世帯 | 小型電気温水器 | 150L〜200L |
2〜3人家族 | エコキュート | 370L程度 |
4人以上 | 大容量エコキュート | 460L〜550L |
使用量の考慮
1日のお湯の使用量は、給湯器選びの重要な判断基準です。
朝夕の集中使用や同時使用の頻度、季節による変動を考慮する必要があります。
特に冬場は追いだき機能の使用頻度が増えるため、余裕を持った容量設計が望ましいでしょう。
【1日の標準的な給湯使用量の目安】
- 食器洗い:40L程度
- シャワー:60L(1人10分)
- 洗面・手洗い:20L程度
- お風呂:200L程度(追いだき含まず)
設置スペース
給湯器の設置には、十分なスペースの確保が不可欠です。
タンク式給湯器は、冷蔵庫程度のスペースが必要となり、重量への対応も考慮が必要です。
設置場所の選定では、メンテナンス時のアクセス性も重要なポイントです。
【設置スペースの基準】
給湯器種類 | 必要スペース(幅×奥行×高さ) | 設置場所の条件 |
---|---|---|
エコキュート | 80cm×80cm×180cm程度 | 屋外・ベランダなど |
電気温水器(角型) | 70cm×70cm×200cm程度 | 屋内外両対応 |
電気温水器(丸型) | 直径60cm×高さ170cm程度 | 屋内外両対応 |
リフォームの場合は、既存の配管位置や電気容量、床の耐荷重なども確認が必要です。
ランニングコスト
オール電化住宅の給湯器選びで、多くの方が気にされるのがランニングコストです。
月々の電気代やメンテナンス費用、耐用年数などを総合的に考える必要があります。
実際の費用は使用状況によって変動しますが、長期的な視点での検討が重要です。
電気代の試算
電気給湯器の電気代は、夜間電力を活用することで大幅な節約が可能です。
深夜電力の単価は通常の3分の1程度で、電力量料金を15円台まで抑えられます。
一般的な4人家族の場合、以下のような月額料金の試算が可能です。
【4人家族の月間電気代試算例】
給湯器タイプ | 1ヶ月の電気代 | 年間の電気代 |
---|---|---|
エコキュート | 4,000円〜6,000円 | 48,000円〜72,000円 |
電気温水器 | 7,000円〜9,000円 | 84,000円〜108,000円 |
ただし、これらの金額は使用量や気候条件、電力会社の料金プランによって変動します。
維持費の比較
給湯器の維持費には、定期点検やメンテナンス費用も含まれます。
電気温水器は構造がシンプルで故障が少なく、メンテナンス費用を抑えられます。
一方、エコキュートは定期的な点検が推奨されます。
【10年間の維持費比較】
(定期点検費用)
- エコキュート:15,000円/回(2年に1回)
- 電気温水器:10,000円/回(3年に1回)
(部品交換目安)
- 減圧弁:5〜7年
- 逃し弁:7〜10年
- ヒーター:8〜10年
耐用年数は両機種とも約10年ですが、適切なメンテナンスにより15年以上使用できる事例も多くあります。
【年間維持費の内訳】
費用項目 | エコキュート | 電気温水器 |
---|---|---|
点検費用(年換算) | 7,500円 | 3,500円 |
消耗品費 | 5,000円程度 | 3,000円程度 |
清掃費用 | 3,000円程度 | 2,000円程度 |
年間合計 | 15,500円程度 | 8,500円程度 |
初期費用は高くても、長期的な維持費が安い機種を選ぶことで、総費用の削減につながります。
導入のメリット
オール電化住宅における電気給湯器の導入は、さまざまなメリットをもたらします。
省エネ効果や経済的なメリットに加え、安全性の面でも優れています。
具体的なメリットを詳しく見ていきましょう。
光熱費の削減効果
電気給湯器の導入により、大幅な光熱費の削減が期待できます。
夜間電力を活用することで、電気料金単価を通常の3分の1程度まで抑えることができます。
さらに、ガス基本料金が不要になることで、毎月の固定費も削減できます。
【年間の光熱費削減効果】
項目 | 従来型(ガス) | 電気給湯器導入後 | 削減額 |
---|---|---|---|
基本料金 | 24,000円 | 0円 | 24,000円 |
使用料金 | 96,000円 | 72,000円 | 24,000円 |
年間合計 | 120,000円 | 72,000円 | 48,000円 |
非常時の活用
電気給湯器は、災害時の強い味方となります。
貯湯タンクに蓄えられた大量のお湯は、非常用水として活用できます。
断水時でも、以下のような用途で活用が可能です。
【非常時の活用例】
- 生活用水として:1人1日3L×家族人数分
- 調理用水:1日2L×家族人数分
- トイレ用水:1回あたり5L程度
- 清掃用水:必要に応じて
特に大容量タイプの場合、1週間程度の生活用水を確保できます。
まとめ
オール電化住宅における給湯器選びは、家庭の状況に応じて慎重に検討する必要があります。
省エネ性能を重視するならエコキュート、安定性を重視するなら電気温水器がおすすめです。
以下のポイントを押さえて、最適な選択をしましょう。
【選択時の重要ポイント】
- 家族構成と使用量
- 設置スペースの確保
- ランニングコストの試算
- 災害時の活用可能性
- メンテナンス費用の考慮
初期費用は高額になりますが、長期的な経済性と快適な暮らしを考えると、十分な投資価値があります。
さらに、自治体による補助金制度を活用することで、導入時の負担を軽減できます。
あなたの家庭に最適な給湯器を選び、快適でエコな暮らしを実現しましょう。
この記事を書いた人
TRENDLINE編集部
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