お役立ちコラム 2025.04.17
蓄電池の使い方 – モード切替や停電時の活用方法を解説!

目次
蓄電池の目的別使い分け方
節約と売電を目的とした使い方
蓄電池を導入する主な目的の1つは、電気代の節約と売電による収入です。
蓄電池単体でも、深夜の安い電気を蓄電し、昼間の高い電気代の時間帯に使うことで節約効果が得られます。
さらに、太陽光発電と組み合わせることで、売電による収入も期待できます。
昼間に発電した電気を使い切れない場合、余剰分を電力会社に売電することができるのです。
ただし、2019年11月以降に始まったFIT制度の買取期間が順次終了していくため、売電価格が下がることには注意が必要です。
とはいえ、節約効果は変わらずに高いため、FIT終了後も蓄電池の導入は十分にメリットがあるでしょう。
非常時の備えとしての使い方
蓄電池のもう1つの大きな目的は、停電や災害時の備えとしての活用です。
普段から蓄電池に電気を貯めておくことで、いざという時に電気を使えるようになります。
特に昨今は全国的に自然災害が多発しており、長時間の停電のリスクが高まっています。
蓄電池があれば、停電時も一定期間は電気が使えるため、非常時の安心感が格段に高まるのです。
非常時のために蓄電池を導入する場合は、容量の大きいタイプがおすすめです。
容量が大きいほど、停電時に使える電気の量と時間が増えるからです。
また、非常時に家中のコンセントを使えるようにするためには、「全負荷型」の蓄電池を選ぶ必要もあります。
蓄電池の3つの基本運転モード
蓄電池を導入する際には、運転モードを理解しておくことが大切です。
運転モードとは、蓄電池の動作を制御する設定のことを指します。
メーカーや機種によって名称は異なりますが、基本的には「経済優先モード」「環境優先モード」「蓄電優先モード」の3つに分類されます。
それぞれのモードには特徴があり、目的に合わせて使い分けることで、蓄電池を最大限に活用することができるのです。
ここでは、3つの運転モードについて、詳しく解説していきましょう。
経済優先モード
経済優先モードは、その名の通り、経済的なメリットを最優先するモードです。
具体的には、電力会社との契約で電気料金が安い深夜の時間帯に充電を行い、電気料金が高い昼間の時間帯に放電することで、光熱費の節約を図ります。
また、太陽光発電と組み合わせることで、昼間に発電した電気を優先的に売電し、収入を得ることもできるのが特徴です。
ただし、売電を優先するため、蓄電池に貯めておける電気が少なくなる可能性があります。
停電対策を重視する場合は、他のモードの方が適しているかもしれません。
環境優先モード
環境優先モードは、CO2削減などの環境保全を重視するモードです。
太陽光発電で作った電気を可能な限り自家消費することで、電力会社から購入する電気の量を減らすことができます。
発電量が消費量を上回った場合は、優先的に蓄電池に充電し、不足分は深夜の安価な電力で補うことで、昼間の購入電力を最小限に抑えられるのです。
節電によるCO2削減効果が期待できるため、環境に配慮した暮らしを実現できるでしょう。
また、電気代の節約にもつながるため、長期的な経済的メリットも見込めます。
蓄電優先モード
蓄電優先モードは、常に一定量の電力を蓄電池に貯めておくためのモードです。
災害などによる停電に備えて、非常用電源を確保しておきたい場合に適しています。
普段の生活では、契約している電力会社からの電気を使用しつつ、蓄電池の充電状況を監視します。
充電が不足している場合は、太陽光発電の電気や深夜電力を優先的に充電することで、常に一定量の蓄電量を維持できるようになります。
停電に備えたい一方で、ふだんの節電も重視したいという方におすすめのモードと言えるでしょう。
状況に応じたおすすめ運転モード
蓄電池の運転モードは、ご家庭の状況や目的に合わせて選ぶことが大切です。
太陽光発電との併用や、停電対策の優先度など、それぞれのご家庭によって最適なモードは異なります。
ここでは、代表的な2つのシチュエーションについて、おすすめの運転モードを解説していきましょう。
ぜひ参考にして、ご自宅に最も適した運転モードを見つけてください。
太陽光発電と併用する場合の運転モード
太陽光発電と蓄電池を併用している場合は、発電した電気を有効活用できるモードがおすすめです。
具体的には、以下のような設定が考えられます。
【日中】太陽光発電の電気を優先的に家庭内で消費し、余剰分は売電する。
【夜間】深夜の安価な電力で蓄電池に充電し、朝方から日中にかけて放電する。
このように設定することで、発電した電気を無駄なく活用しつつ、売電収入も得られるでしょう。
また、ピーク時の電力を蓄電池でまかなうことで、電力会社からの購入量を抑えられるのもメリットです。
太陽光発電の有効活用と光熱費の節約を両立させたい方は、ぜひ試してみてください。
停電に備えた運転モードの設定
災害などによる停電に備えるためには、平時から一定量の電力を蓄電池に貯めておく必要があります。
そのためには、「蓄電優先モード」がおすすめです。
蓄電優先モードでは、常に一定量の充電を保つように蓄電池を制御します。
充電量が下限値を下回ると、太陽光発電や深夜電力からの充電が優先的に行われるため、停電に備えられます。
また、上限値を超えた分は家庭内で消費したり売電したりと、無駄なく活用もできるのが利点です。
いざという時のために蓄電池を確保しつつ、普段の節電も怠らないようにしたい方は、ぜひ蓄電優先モードを活用してみてください。
メーカー別の蓄電池モード切替方法
蓄電池の運転モードは、メーカーや機種によって切替方法が異なります。
せっかく最適なモードを選んでも、切り替え方が分からなければ意味がありません。
ここでは、代表的なメーカーの蓄電池について、運転モードの切替手順をご紹介します。
ご自宅に設置されている蓄電池のメーカーをチェックして、ぜひ参考にしてみてください。
シャープの蓄電池
シャープの蓄電池「JH-WB1821」の場合、本体のボタンを長押しすることでモード切替が可能です。
【モード切替手順】
- 本体の「モード切替」ボタンを3秒以上長押しする。
- モード表示ランプが点滅し、切替可能状態になる。
- 再度「モード切替」ボタンを押して、希望のモードを選択する。
- 選択したモードのランプが点灯し、切替完了。
また、専用のスマートフォンアプリ「COCORO ENERGY」からも、運転モードの変更が可能です。
アプリを使えば、外出先からでもワンタッチでモードを切り替えられるので便利ですね。
パナソニックの蓄電池
パナソニックの蓄電池「LJ-SF50A」は、本体のスイッチ操作でモード切替ができます。
【モード切替手順】
- 本体の運転切替スイッチを「切替」の位置にする。
- 「運転切替」ボタンを押して、希望のモードを選択する。
- 再度運転切替スイッチを「入」の位置に戻す。
運転モードは、本体の表示パネルで現在のモードを確認しながら切り替えていきます。
また、パナソニックの蓄電池は、専用のアプリからも遠隔操作が可能です。
「くらしパートナーアプリ」をダウンロードすれば、スマートフォンから手軽にモード設定ができますよ。
京セラの蓄電池
京セラの蓄電池「HEMS蓄電システム」は、専用のタッチパネルモニターで操作します。
【モード切替手順】
- タッチパネルの「モード切替」をタップする。
- 「エコモード」「安心モード」「グリーンモード」のいずれかを選択する。
- 「OK」をタップし、切替を完了する。
タッチパネル操作は直感的で分かりやすいため、誰でも迷わずモード切替ができるのが嬉しいポイントです。
こちらのシステムでも、スマートフォンアプリ「HEMS ポータル」をインストールすれば、リモートでの運転モード変更が可能ですよ。
その他メーカーの蓄電池
その他のメーカーでも、基本的な切替方法は同様です。
本体のボタン操作か、専用アプリからの遠隔操作で運転モードを切り替えるのが一般的と言えます。
ただし、機種によって細かい手順や表示名称などが異なりますので、取扱説明書やメーカーのウェブサイトで必ず確認しましょう。
また、モード切替時は充放電を停止する必要があるため、停電時など蓄電池を使用中は切り替えができない場合もあります。
普段から蓄電池の使い方をよく理解して、適切なモード設定を心がけることが大切ですね。
蓄電池を上手に使うコツ
せっかく蓄電池を導入しても、使い方次第では十分なメリットを得られないこともあります。
蓄電池のポテンシャルを最大限に引き出すためには、日頃からの心がけが大切です。
ここでは、蓄電池を上手に使いこなすためのコツをいくつかご紹介します。
ぜひ参考にして、賢く蓄電池を活用してくださいね。
普段からの使用量を意識する
蓄電池を効果的に使うには、普段の電力使用量を把握しておくことが重要です。
ご家庭の生活パターンや、家電の使用状況を知ることで、最適な運転モードが選びやすくなります。
例えば、日中は不在がちで電力使用量が少ない世帯なら、昼間に発電した電気を夜間に活用できる設定がおすすめです。
逆に、在宅時間が長い世帯なら、日中の電力をできるだけ蓄電池でまかなえるようにするのが良いでしょう。
普段からの電気の使い方をよく観察して、無駄なく蓄電池を活用する工夫が大切ですよ。
残量と容量の目安を把握する
蓄電池を上手に使うには、現在の充電残量や、蓄電容量の目安を理解しておく必要があります。
残量が少なくなったら、早めに充電を開始する習慣をつけましょう。
特に、災害などの非常時に備えるなら、日頃から最低限の残量は確保しておくことが大切です。
また、ご家庭の使用電力量に対して、蓄電池の容量が適正かどうかも確認が必要です。
容量が小さすぎると、十分に電力をまかなえない恐れがあります。
導入前のシミュレーションを参考に、適切な容量の蓄電池を選ぶようにしてくださいね。
停電に備えて事前の準備を怠らない
蓄電池は、停電対策としても大きな役割を果たします。
いざという時に慌てないよう、日頃から停電に備えた準備を怠らないことが大切です。
運転モードの切り替え方法や、非常時の使い方を家族全員が理解しておくようにしましょう。
また、停電時に必要な電力を賄えるよう、普段からある程度の充電量を維持することも重要です。
災害はいつ起こるか分かりません。
蓄電池を活用して、万全の備えをしておくことをおすすめします。
まとめ – 賢く使い分けて蓄電池を活用しよう
いかがでしたか?
蓄電池は、上手に運用することで、大きなメリットを得られるすばらしい設備です。
導入目的に合わせて適切な運転モードを選択し、普段からの使い方にも気をつけることが大切ですね。
また、いざという時の備えとして、停電対策についても十分に理解しておく必要があります。
蓄電池のポテンシャルを最大限に引き出すためには、賢く使い分けるという意識を持つことが何より重要です。
ぜひ、この記事を参考に、ご自宅の蓄電池を有効活用してくださいね。
環境にも家計にもやさしい、スマートな電気の使い方を目指しましょう!
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