お役立ちコラム 2025.05.26
家庭用蓄電池の導入費用と価格を解説

目次
家庭用蓄電池の価格相場
蓄電容量や機能による価格の違い
家庭用蓄電池の価格は、その蓄電容量や機能によって大きく異なります。
一般的に、蓄電容量が大きいほど、より多くの電力を貯めることができるため、価格も高くなる傾向にあります。
たとえば、1kWhあたりの価格相場は、5kWh未満の小容量モデルで14.9万円、5〜10kWh未満の中容量モデルで14万円、10kWh以上の大容量モデルで13.1万円となっています。
また、蓄電池の機能面でも、ハイブリッド型や全負荷型といった高機能モデルは、単機能型や特定負荷型と比べて価格が高めです。
ハイブリッド型は、太陽光発電システムとの連携に優れ、全負荷型は停電時にも家中の電気を使えるメリットがあるため、その分コストも上昇するのです。
目標価格と現状の価格帯
経済産業省は、2030年度までに家庭用蓄電システムの価格を7万円/kWh以下(工事費込み)にすることを目標に掲げています。
この目標は、2019年度の目標価格である18.7万円/kWhと比べると、かなり意欲的な数値だといえるでしょう。
現状の家庭用蓄電池の価格帯は、工事費込みで48.4〜216.1万円程度となっており、蓄電容量が小さいほど安価になっています。
容量帯 | 価格相場 |
---|---|
5 kWh未満 | 48.4~93.1万円 |
5~10 kWh未満 | 103.8~159.8万円 |
10 kWh以上 | 163.7~216.1万円 |
ただし、今後は技術革新や普及拡大により、さらなる価格低下が期待できると考えられています。
ローンを利用した費用の分散化
家庭用蓄電池は、一括払いだと初期費用の負担が大きくなるデメリットがあります。
そこで、ローンを利用して費用を分散化させる方法が注目されています。
多くの販売店や施工会社では、大手信販会社と提携したローンプランを用意しており、金利手数料は業者側が負担してくれるケースも少なくありません。
ローンを組むことで、初期費用を抑えつつ、月々の支払いを電気代の節約分で賄うことができるため、家計への負担を軽減できるメリットがあるのです。
ただし、ローンの審査には一定の条件があり、金利手数料が上乗せされるケースもあるため、事前によく確認しておく必要があります。
また、ローン期間が長くなるほど、トータルの支払額は増えていくことも覚えておきましょう。
家庭用蓄電池の種類と特徴
リチウムイオン電池と鉛蓄電池の比較
家庭用蓄電池には、主にリチウムイオン電池と鉛蓄電池の2種類があります。
リチウムイオン電池は、高いエネルギー密度と優れた充放電効率を持ち、コンパクトでありながら大容量の蓄電が可能です。
また、自己放電率が低く、メンテナンスフリーで長寿命という特長があります。
一方、鉛蓄電池は、比較的安価で導入しやすいメリットがありますが、リチウムイオン電池と比べると、エネルギー密度や充放電効率が劣ります。
また、定期的な補水が必要で、寿命も短めです。
総合的に見ると、リチウムイオン電池のほうが高性能ですが、コストを重視する場合は鉛蓄電池も選択肢になるでしょう。
ハイブリッド型とAC連系型の違い
蓄電池の運転方式には、ハイブリッド型とAC連系型の2種類があります。
ハイブリッド型は、太陽光発電システムと蓄電池を直流(DC)で接続する方式で、1台のパワーコンディショナーを共有します。
これにより、システム全体の効率が高く、コストを抑えられるメリットがあります。
一方、AC連系型は、太陽光発電システムと蓄電池を交流(AC)で接続する方式で、それぞれ独立したパワーコンディショナーを使用します。
ハイブリッド型と比べると効率は劣りますが、既存の太陽光発電システムに後付けで蓄電池を導入しやすいのが特長です。
また、蓄電池単体でも使用できるため、非常用電源としての利用もしやすくなります。
蓄電容量と停電時の電力供給範囲
家庭用蓄電池の選び方で重要なのが、蓄電容量と停電時の電力供給範囲です。
蓄電容量は、一般的に4~12kWhの範囲で、家庭のエネルギー消費量に応じて選択します。
目安としては、1日の消費電力量の半分程度の蓄電容量があれば、十分といわれています。
ただし、停電時に必要な電力をまかなうためには、より大きな蓄電容量が求められます。
停電時の電力供給範囲は、特定負荷型と全負荷型の2種類に分けられます。
【特定負荷型と全負荷型の違い】
– 特定負荷型:あらかじめ設定した特定の回路にのみ電力を供給
– 全負荷型:分電盤を介して家中の回路に電力を供給
特定負荷型は、主要な家電製品などに限定して電力を供給するため、コストを抑えられるメリットがあります。
一方、全負荷型は、停電時でも通常時と同じように電気が使えるため、利便性に優れています。
ただし、その分、大容量の蓄電池が必要になり、イニシャルコストが高くなるのがデメリットです。
おすすめの家庭用蓄電池メーカーと商品
京セラ『エネレッツァ』EGS-LM0500
京セラの家庭用蓄電池『エネレッツァ』は、世界初のクレイ型リチウムイオン電池を採用した革新的な製品です。
クレイ型電池は、高い安全性と長寿命が特長で、5kWhの大容量モデルでもコンパクトなサイズを実現しています。
また、専用のエネルギーマネジメントシステム「エネレッツァ コントローラー」により、太陽光発電との連携や電力使用状況の見える化が可能です。
停電時には、自動で電力を供給し、最大2,500Wの出力で家電製品を稼働できるので、非常用電源としても優れています。
シャープ『クラウド蓄電池システム』JH-WBPDB650
シャープの『クラウド蓄電池システム』は、6.5kWhの大容量リチウムイオン電池を搭載し、スマートフォンアプリで遠隔操作ができるのが特長です。
クラウドサーバーを介して、蓄電池の充放電状況や太陽光発電の電力状況を確認でき、効率的なエネルギー管理が可能です。
また、AIを活用した最適制御により、無駄のない運転を自動で実現してくれます。
停電時には、最大3,000Wの出力で電力を供給し、冷蔵庫や照明、テレビなどの主要家電を稼働できます。
パナソニック『[住宅用]創蓄連携システムS+』PLJ-RC41063A
パナソニックの『創蓄連携システムS+』は、太陽光発電と蓄電池を効率的に連携させるためのハイブリッド型パワーコンディショナーを採用しています。
これにより、太陽光で発電した電力を無駄なく蓄電池に貯め、夜間や停電時に有効活用できます。
蓄電容量は6.3kWhで、最大2,100Wの出力が可能。
また、停電時に特定の回路に電力を供給する特定負荷モードを搭載しているのも特長です。
Tesla(テスラ)『Powerwall』
アメリカの電気自動車メーカー、Tesla(テスラ)の家庭用蓄電池『Powerwall』は、大容量の13.5kWhリチウムイオン電池を搭載しています。
コンパクトでスタイリッシュなデザインながら、最大5,000Wの高出力を実現。
太陽光発電システムと組み合わせることで、完全なオフグリッド運転も可能です。
また、専用アプリで電力の使用状況や蓄電状態を確認でき、AIを活用した自動制御も行ってくれます。
停電時には、家全体に電力を供給し、ほぼ通常通りの生活を送ることができるでしょう。
ただし、日本国内での販売台数はまだ限られており、価格もやや高めとなっています。
家庭用蓄電池の導入費用に影響する要因
蓄電池のタイプと容量
家庭用蓄電池の導入費用に大きく影響するのが、選択する蓄電池のタイプと容量です。
現在主流となっているリチウムイオン電池は、鉛蓄電池と比べて高価な傾向がありますが、コンパクトでメンテナンスフリーという利点があります。
一方、鉛蓄電池は低価格ですが、設置スペースが大きく、定期的な補水が必要となるため、ランニングコストを考慮する必要があるでしょう。
また、蓄電容量が大きいほど、より多くの電力を貯められますが、その分、初期費用も高くなります。
一般的に、4~12kWhの容量が家庭用として選ばれることが多く、1日の消費電力量の半分程度を目安に選ぶとよいでしょう。
電気の変換方式と停電時の供給範囲
蓄電池の運転方式も、導入費用に影響を与えます。
ハイブリッド型は、太陽光発電システムと直流(DC)で接続するため、パワーコンディショナーを共有でき、コストを抑えられます。
一方、AC連系型は、太陽光発電システムと交流(AC)で接続するため、パワーコンディショナーを別々に設置する必要があり、イニシャルコストが高くなります。
また、停電時の電力供給範囲も重要な要素です。
特定負荷型は、あらかじめ設定した回路にのみ電力を供給するため、蓄電容量を抑えられ、低コストで導入できます。
全負荷型は、分電盤を介して家中に電力を供給できますが、大容量の蓄電池が必要となり、費用も高くなる傾向があります。
設置工事の難易度と付帯設備
蓄電池の設置工事費用は、施工の難易度によって大きく異なります。
たとえば、屋内設置の場合、配線や基礎工事が必要となるため、屋外設置よりも費用が高くなる傾向にあります。
また、機器を設置するスペースが十分になく、大規模な工事が必要になれば、さらに費用が上昇します。
さらに、付帯設備の有無も導入費用に影響します。
遠隔監視システムやエネルギー管理システムなどを導入すれば、利便性は向上しますが、それだけ初期費用も高くなります。
ただし、こうした付帯設備により、効率的な運用が可能となり、長期的なランニングコストの削減につながるケースもあります。
導入費用を検討する際は、初期費用だけでなく、長期的な視点で総合的に判断することが大切です。
蓄電池導入の補助金制度と活用方法
国の補助金制度と申請時期
家庭用蓄電池の導入費用を抑えるための有効な手段が、国や自治体が実施している補助金制度の活用です。
国の代表的な補助金としては、経済産業省の「家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業」が挙げられます。
この制度では、対象となる蓄電池を導入する費用の最大3分の1、上限60万円が補助されます。
申請期間は毎年異なりますが、2024年度は3月14日から12月6日までとなっています。
ただし、予算に達し次第、受付は終了となるため、早めの申請がポイントです。
また、国土交通省の「子育てグリーン住宅支援事業」も、蓄電池導入に対して1戸あたり6.4万円の補助を行っています。
自治体の補助金制度と併用可能性
国の補助金制度に加えて、都道府県や市区町村レベルでも、独自の補助金制度を設けている自治体が多数あります。
たとえば、東京都の「家庭における蓄電池導入促進事業」では、新規に蓄電池を設置する費用の最大4分の3、上限120万円が補助されます。
補助金額は、蓄電容量に応じて15~19万円/kWhが基本となっています。
こうした自治体の補助金制度は、国の制度と併用できるケースが多いため、両方を活用することで、大幅な初期費用の削減が可能です。
ただし、自治体によって対象機器や申請条件、受付期間などが異なるため、事前によく確認しておく必要があります。
補助金申請時の注意点
補助金の申請時には、いくつか注意すべき点があります。
まず、対象となる蓄電池のメーカーや機種、容量が指定されているケースがほとんどです。
補助金を活用する場合は、対象機器の条件を満たしているかどうかを確認することが大切です。
また、多くの補助金制度では、着工前の申請が必須となっています。
工事を開始してしまうと、申請が認められないケースが多いため、注意が必要です。
さらに、申請書類の不備や提出期限の過ぎなども、補助金を受け取れない原因となります。
必要書類を揃え、期日までに提出することが重要です。
補助金制度を上手に活用することで、家庭用蓄電池の導入費用を大幅に抑えることができるでしょう。
ただし、申請手続きは複雑なため、専門家のアドバイスを受けながら進めていくことをおすすめします。
家庭用蓄電池導入のメリットとデメリット
災害時・停電時の電力確保
家庭用蓄電池の最大のメリットは、災害時や停電時に電力を確保できる点にあります。
近年、地震や台風などの自然災害が頻発し、長期間の停電が発生するケースが増えています。
そのような非常時でも、蓄電池があれば、冷蔵庫や照明、通信機器などの電源を確保することができます。
たとえば、容量5kWhの蓄電池であれば、冷蔵庫や照明、テレビなどを1日程度運転できる電力を供給可能です。
また、蓄電池を活用することで、非常用発電機の使用を減らすことができ、燃料の備蓄量を抑えられるというメリットもあります。
停電に備えて、家庭用蓄電池を導入する家庭が増えています。
太陽光発電との連携による効率的な電力活用
家庭用蓄電池は、太陽光発電システムとの相性も抜群です。
昼間に太陽光で発電した電力を蓄電池に貯めておき、夜間や天候の悪い日に活用することで、効率的な電力の自給自足が可能となります。
これにより、電力会社から購入する電力量を減らすことができ、光熱費の削減にもつながります。
また、太陽光発電の余剰電力を蓄電池に貯めておけば、売電価格が安い時間帯でも無駄なく活用できるというメリットがあります。
太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、エネルギーの地産地消を実現できるでしょう。
導入費用の回収期間と初期投資の負担
一方、家庭用蓄電池の最大のデメリットは、導入費用の高さです。
蓄電池本体や付帯設備、工事費など、初期投資が数十万円から数百万円に及ぶケースが少なくありません。
たとえば、容量5kWhのリチウムイオン電池の場合、本体価格だけで70万円前後、工事費込みだと100万円以上かかることもあります。
この高い初期投資を回収するには、長期間の使用が必要となります。
仮に、年間の電気代削減額を5万円とすると、100万円の初期投資を回収するためには、20年かかる計算です。
ただし、補助金制度を活用することで、初期負担を大幅に軽減できます。
また、蓄電池の価格は年々下がってきており、将来的にはさらに導入しやすい環境になると期待されています。
導入費用の回収には時間がかかりますが、災害対策や環境配慮の観点から、長期的なメリットは大きいといえるでしょう。
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まとめ
本記事では、家庭用蓄電池の導入について、さまざまな角度から解説してきました。
ポイントをまとめると、以下のようになります。
【家庭用蓄電池導入のポイント】
– 蓄電容量や機能によって価格は大きく異なる
– 2030年までに7万円/kWh以下を目指す目標価格が設定されている
– リチウムイオン電池と鉛蓄電池では特性が異なる
– ハイブリッド型とAC連系型で費用や機能に違いがある
– 蓄電容量と停電時の供給範囲を考慮して選ぶ
– 京セラ、シャープ、パナソニックなどの大手メーカーから選択肢が豊富
– 蓄電池のタイプや容量、設置工事の内容によって費用が変動する
– 国や自治体の補助金を活用することで初期費用を大幅に軽減できる
– 停電時の電力確保や太陽光発電との連携がメリット
– 導入費用の回収には長期間を要するのがデメリット
家庭用蓄電池は、災害対策や電気代削減など、さまざまなメリットがあります。
一方で、初期費用の高さが課題となっているのも事実です。
しかし、技術革新により価格は年々下がってきていますし、補助金制度を活用することで、よりお得に導入できるようになっています。
長期的な視点で見れば、蓄電池を導入することで、エネルギーの自給自足が可能となり、快適な暮らしを実現できるでしょう。
ライフスタイルや予算に合わせて、最適な蓄電池を選ぶことが大切です。
導入をご検討の際は、ぜひ専門家に相談して、しっかりとシミュレーションを行ってみてください。
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