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お役立ちコラム

パナソニック太陽光の評判・特徴・価格・保証徹底解説完全版

「パナソニックが太陽光発電から撤退した」というニュースを見て、不安に感じている方は多いのではないでしょうか。

「すでに設置している太陽光パネルの保証はどうなるの?」「これから購入しても大丈夫なの?」「アフターサービスは受けられるの?」──こうした疑問や不安をお持ちの方もいるでしょう。

結論から申し上げると、パナソニックは太陽電池の自社生産から撤退しただけであり、太陽光発電事業そのものは継続しています。

保証内容も変わらず、アフターサービスも従来通り提供されているため、過度に心配する必要はありません。

むしろ、パナソニックは日本の太陽光発電の歴史そのものを作ってきた企業であり、1992年に日本初の住宅用太陽光発電システムを設置して以来、30年以上にわたる実績と信頼性を誇っています。

2016年には世界最高の変換効率23.8%を達成するなど、技術力の高さは今も健在です。

本記事では、パナソニック太陽光発電の現在の体制から、製品の技術的特徴、価格相場、充実した保証内容、そして蓄電池やHEMSとの連携活用まで、2025年時点の最新情報を徹底的に解説します。

「生産撤退後も本当に大丈夫なのか」「今からパナソニックを選ぶメリットはあるのか」「海外メーカーと比べてどうなのか」──こうした疑問に、具体的なデータと事例をもとに答えていきます。

この記事を最後までお読みいただくことで、パナソニック太陽光発電の真の価値を理解し、自分に合った選択ができるようになるでしょう。

パナソニック太陽光の全体像

生産撤退の経緯と現在の販売・保証体制

パナソニックの太陽光発電事業について理解するためには、まず生産撤退の経緯と現在の体制を正確に把握することが重要です。

2021年2月、パナソニック株式会社ライフソリューションズ社は、2021年度中に自社工場での太陽電池生産を終了することを発表しました。

この発表は、太陽光発電業界に大きな衝撃を与えました。

しかし、ここで重要なのは、「生産撤退」であって「事業撤退」ではないという点です。

多くの人が誤解しているのは、「パナソニックが太陽光発電から完全に手を引いた」という認識ですが、これは正しくありません。

パナソニックが終了したのは、あくまで自社工場での太陽電池(パネル)の製造です。

国内の島根工場や二色の浜工場、海外のマレーシア工場などでの生産を停止しましたが、太陽光発電システムの販売そのものは継続しています。

では、生産を終了したのになぜ販売を続けられるのでしょうか。

それは、外部メーカーからOEM(相手先ブランド製造)調達する体制に切り替えたからです。

つまり、他のメーカーに製造を委託し、パナソニックが品質基準を満たしたものをパナソニックブランドの製品として販売する形になったのです。

これは、太陽光発電業界では決して珍しいことではありません。

実際、多くの国内メーカーがすでにOEM体制に移行しています。

重要なのは、パナソニックがブランドとして認めた製品だけが販売されるという点です。

品質管理や性能基準はパナソニックが責任を持って管理しており、単に他社の製品を右から左に流すわけではありません。

さらに重要なのは、パワーコンディショナーと蓄電池については自社工場での生産を継続しているという事実です。

太陽光発電システムは、パネルだけで成り立っているわけではありません。

発電した電気を家庭で使える形に変換するパワーコンディショナー、電気を蓄える蓄電池、そしてエネルギーを管理するHEMSなど、様々な機器が連携して初めて機能します。

パナソニックは、これらの中核機器については自社での開発・生産を継続しており、太陽光発電事業への意欲は依然として高いのです。

では、なぜパナソニックは太陽電池の自社生産から撤退したのでしょうか。

各種メディアや専門家の分析によると、最大の理由は中国や韓国メーカーとの価格競争に対抗できなくなったからとされています。

現在、世界の太陽電池生産能力の上位を占めるのは、ほとんどが中国メーカーです。

トップ5社だけで年間約99GW(ギガワット)の生産能力を持ち、これは世界の年間需要の大半を占める規模です。

これらのメーカーが生産能力1GW/年に達したのは2009年前後でした。

一方、パナソニックが同じ規模に到達したのは2016年、約7年遅れでした。

この生産規模の差が、コスト競争力の決定的な差となったのです。

大量生産によるスケールメリットを活かせる中国メーカーに対し、相対的に小規模な生産体制のパナソニックは、価格面で太刀打ちできなくなりました。

高い変換効率という技術的優位性はあったものの、市場はコモディティ化(汎用品化)が進み、価格が最も重要な競争要素となっていたのです。

しかし、生産から撤退したからといって、パナソニックのブランド価値が失われたわけではありません。

現在の販売・保証体制は以下のようになっています。

現在の販売体制

  • 太陽電池モジュール:外部メーカーからOEM調達してパナソニックブランドで販売
  • パワーコンディショナー:自社工場で生産継続
  • 蓄電池:自社工場で生産継続
  • HEMS(エネルギー管理システム):自社で開発・提供
  • 販売チャネル:従来通りの販売店ネットワークを維持

保証体制の継続

ここが最も重要なポイントですが、保証内容や保証期間、アフターサービスの品質には一切変更がありません。

生産撤退発表から数年が経過した2025年現在でも、以下の保証が維持されています。

  • モジュール保証:25年間(無償)
  • 周辺機器保証:15年間(無償)
  • 自然災害補償:15年間(販売店経由で加入可能)

さらに、ほぼすべての都道府県にサービス拠点があるため、トラブル発生時の対応も迅速です。

修理が完了するまでの期間も最小限に抑えられるでしょう。

これは、全国展開する大手メーカーならではの強みです。

既設ユーザーにとって最も心配なのは、「今使っているパネルの保証が打ち切られるのでは」という点でしょう。

しかし、既存の保証は全て継続されます。

生産撤退前に設置したパナソニックの太陽光発電システムは、当初の保証期間満了まで変わらずサポートを受けられます。

また、今後新たに購入する場合でも、同様の保証が適用されます。

以下の表に、生産撤退前後の変化をまとめました。

項目

生産撤退前

生産撤退後(現在)

太陽電池の生産

自社工場で生産

外部OEM調達

パワコン・蓄電池

自社工場で生産

変わらず自社生産

販売

継続

継続

保証内容・期間

25年・15年保証

変更なし

アフターサービス

全国拠点で対応

変更なし

品質管理

パナソニック基準

パナソニック基準(OEM品も)

このように、消費者にとって重要な保証やサービスは何も変わっていないのです。

むしろ、外部調達に切り替えたことで、価格競争力が向上する可能性もあります。

実際、数年前までは「パナソニックは高級・割高」というイメージがありましたが、近年は価格が下がってきています。

「パナソニックの太陽光発電を検討していたけど、撤退のニュースで不安になった」という方も、安心してください。

ブランドとしてのパナソニック、そして長年培われた技術力とサポート体制は、今も健在なのです。

ブランドの強み—高効率・信頼性・機器連携

生産体制の変化があったとはいえ、パナソニックが太陽光発電分野で築き上げてきた強みは依然として大きな価値を持っています。

ここでは、パナソニックならではの3つの強みについて詳しく解説します。

第一の強みは、高い変換効率です。

パナソニックの太陽光パネルは、HIT(ヘテロ接合)技術を核としています。

この技術は、もともと三洋電機が開発したもので、2009年にパナソニックが三洋電機をグループ内に統合したことで、パナソニックの主力技術となりました。

HIT技術の最大の特徴は、高い変換効率です。

太陽光パネルの性能を測る重要な指標が「変換効率」であり、これは太陽光のエネルギーのうち、どれだけを電気に変換できるかを示す数値です。

パナソニックのパネルは、変換効率19%以上を維持しています。

これは業界でもトップクラスの性能です。

2016年には、世界最高の変換効率23.8%を達成した実績もあります。

高い変換効率は、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか。

まず、限られた屋根面積でより多くの電気を作れるという点です。

同じ屋根面積でも、変換効率が高ければ発電量が増えます。

例えば、変換効率15%のパネルと19%のパネルでは、同じ面積でも発電量に約27%の差が生まれます。

これは、年間の電気代削減額や売電収入に直結します。

特に、屋根面積が限られている住宅では、高効率パネルの価値が際立ちます。

また、高効率であることは、悪天候時の発電量にも影響します。

晴天時だけでなく、曇りや雨の日でも効率よく発電できることが、年間トータルの発電量を左右するのです。

第二の強みは、長年の実績による信頼性です。

パナソニックは、1992年に日本初の住宅用太陽光発電システムを設置しました。

これは、日本の住宅用太陽光発電の歴史の始まりと言っても過言ではありません。

そして驚くべきことに、当時設置された設備は、30年以上経過した現在でもトラブルなく順調に稼働しているのです。

これは、パナソニックの技術力と品質管理の高さを証明する事実です。

太陽光発電システムは、20年、30年と長期間使用することを前提とした設備です。

したがって、長期的な耐久性と信頼性が何より重要です。

短期的には問題なくても、10年後、20年後にトラブルが頻発するようでは意味がありません。

パナソニックには、30年以上の実績があります。

この実績は、他の多くのメーカーが持っていない、非常に大きな価値です。

さらに、パナソニックは1975年からアモルファスシリコン太陽電池の研究を開始しており、太陽光発電分野での研究開発の歴史は50年近くに及びます。

この長い研究開発の歴史が、現在の高い技術力の基盤となっているのです。

また、パナソニックは厳しい耐久性試験を実施しています。

風速60メートルの超大型台風を想定した耐風試験では、この強風に耐えることが確認されています。

垂直・水平方向の動きを確認する耐震試験でも、パナソニック太陽光の耐久性は証明されています。

日本は台風や地震が多い国です。

こうした自然災害に対する耐久性は、安心して長く使うために不可欠な要素です。

第三の強みは、パナソニック製品との機器連携です。

これは、総合家電メーカーであるパナソニックならではの大きなアドバンテージです。

パナソニックは、太陽光発電だけでなく、照明器具、エアコン、洗濯機、冷蔵庫など、あらゆる家電製品を製造しています。

そして、これらの製品をHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)で一元管理できるのです。

HEMSとは、家庭で使うエネルギーを「見える化」し、最適に制御するシステムです。

パナソニックのHEMSを導入すれば、太陽光で発電した電気がどこで使われているか、どの家電がどれだけ電気を消費しているかが、スマートフォンやタブレットで一目でわかります。

さらに、自動制御機能により、太陽光で発電している時間帯に自動的に家電を稼働させるといった賢い使い方もできます。

例えば、晴れた日の昼間に、自動的に洗濯機を回したり、エコキュートでお湯を沸かしたりすることで、電力会社から買う電気を減らし、電気代を削減できます。

また、蓄電池と組み合わせることで、さらに効果が高まります。

太陽光で発電した電気を蓄電池に蓄え、夜間や停電時に使用できます。

パナソニックの蓄電池は、太陽光発電システムとの連携が最適化されており、創蓄連携システムとして一体的に機能します。

停電時には、自動的に蓄電池から電力を供給するバックアップ機能もあります。

近年、自然災害による停電が増えていることを考えると、この機能は大きな安心材料です。

以下に、パナソニックならではの強みをまとめました。

パナソニックの3つの強み

  • 高効率:HIT技術による変換効率19%以上、世界最高23.8%達成の実績
  • 信頼性:1992年設置の設備が30年以上稼働、50年近い研究開発の歴史
  • 機器連携:HEMS・蓄電池・家電との一体制御、停電時のバックアップ

これらの強みは、生産体制の変化によって失われるものではありません。

むしろ、長年の蓄積によって築かれた、パナソニックというブランドの本質的な価値なのです。

「太陽光発電は初期費用が高いから、できるだけ安いメーカーを選びたい」という考え方も理解できます。

しかし、20年、30年と使い続けることを考えれば、初期費用だけでなく、長期的な信頼性とトータルコストで判断すべきでしょう。

パナソニックは、その観点から見れば、依然として非常に魅力的な選択肢なのです。

製品の特徴とメリット

悪天候・高温下でも発電を維持する変換効率

太陽光発電を検討する際、多くの人が気にするのが「曇りや雨の日はどうなるの?」という点でしょう。

確かに、太陽光発電は太陽の光がなければ発電できません。

しかし、完全に発電が止まるわけではなく、曇天や雨天でも一定の発電は可能です。

そして、この悪天候時の発電性能こそが、メーカーによる差が大きく現れる部分なのです。

パナソニックの太陽光発電システムは、悪天候時でも効率的に発電できるという特長があります。

その鍵となるのが、パワーコンディショナーの性能です。

パワーコンディショナー(パワコン)は、太陽光パネルで発電した直流電力を、家庭で使える交流電力に変換する機器です。

この変換効率が高いほど、発電した電気を無駄なく家庭で使えます。

パナソニックのパワーコンディショナーには、MPPT(最大電力点追従)制御という技術が搭載されています。

これは、日射量の変化に応じて、常に最適な動作ポイントを追従し、発電ロスを最小限に抑える技術です。

晴天時には太陽光が強く、曇天時には弱くなりますが、その変化する条件下でも、常に最大の電力を取り出せるように自動調整されるのです。

具体的に考えてみましょう。

日本の気候では、年間の約半分が曇りや雨の日です。

したがって、晴天時だけでなく、こうした悪天候時にどれだけ発電できるかが、年間トータルの発電量を大きく左右します。

パナソニックのシステムは、曇りや雨といった太陽光が弱い日でも効率よく発電し、変換することができます。

例えば、晴天時を100とした場合、曇天時は20〜40程度、雨天時でも5〜15程度の発電が可能です。

この「悪天候時の発電量」こそが、年間発電量の差となって現れます。

さらに、もう一つ重要な要素が高温時の性能低下です。

実は、太陽光パネルには意外な弱点があります。

それは、温度が高くなると発電効率が低下するという特性です。

「太陽光発電は夏に最も発電する」と思われがちですが、実際には夏の高温がパネルの性能を低下させてしまうのです。

屋根の上に設置されたパネルは、真夏の直射日光を浴びて60度以上に達することもあります。

この高温状態では、多くのパネルで発電効率が大きく低下します。

しかし、パナソニックのHIT技術は、この高温時の性能低下を最小限に抑えることができます。

HIT(ヘテロ接合)とは、異なる種類の半導体を組み合わせた構造のことです。

具体的には、結晶シリコンと非晶質シリコンを組み合わせることで、温度による性能低下を抑制しています。

数値で比較すると、その差は明確です。

通常の結晶シリコンパネルでは、温度が1度上昇するごとに出力が約0.5%低下します。

25度を基準として、屋根上で60度に達した場合、35度の温度上昇により、約17.5%の出力低下が発生します。

一方、パナソニックのHITパネルは、温度上昇による出力低下が約0.25〜0.3%/度に抑えられています。

同じ35度の温度上昇でも、約8.75〜10.5%の低下にとどまるのです。

この差は、特に夏場の発電量に大きく影響します。

年間を通じて考えると、数%の効率改善が、年間数千kWh、金額にして数万円の差となって現れることもあるのです。

以下の表に、悪天候・高温時の性能をまとめました。

条件

パナソニックの対応技術

メリット

曇天・雨天

MPPT制御

弱い光でも効率的に発電

日射量の変化

最適動作点の追従

発電ロスを最小化

高温環境

HIT(ヘテロ接合)技術

温度による出力低下を抑制

年間トータル

高効率+高温耐性

年間発電量の最大化

太陽光発電の性能を評価する際、カタログに記載されている「公称最大出力」だけを見ても、実際の発電量はわかりません。

重要なのは、様々な条件下での実発電量です。

晴天時だけでなく、曇天時、雨天時、そして高温時──あらゆる条件下で安定して発電できることが、年間トータルの経済メリットを最大化します。

パナソニックの太陽光発電システムは、この「実発電量」において優れた性能を発揮するのです。

「うちの地域は曇りや雨が多いから、太陽光発電は向いていないかも」と思っている方も、パナソニックのシステムなら、予想以上の発電量が得られるかもしれません。

また、「夏場はエアコンをよく使うから、その時期にしっかり発電してほしい」という方にとって、高温耐性は非常に重要な要素です。

パナソニックは、こうした「リアルな使用環境」を考慮した製品開発を行っている点が、大きな強みと言えるでしょう。

耐風・耐震試験と25年出力/15年機器保証

太陽光発電システムは、一度設置したら20年、30年と長期間にわたって使い続ける設備です。

したがって、長期的な耐久性と充実した保証が何より重要です。

ここでは、パナソニックの耐久性試験と、業界でもトップクラスの保証内容について詳しく解説します。

日本は、台風、地震、豪雪など、自然災害が多い国です。

太陽光パネルは屋根の上という、最も過酷な環境にさらされる場所に設置されます。

強風、地震の揺れ、雪の重み──これらすべてに耐えられなければ、長期間安心して使うことはできません。

パナソニックは、こうした過酷な条件を想定した厳しい耐久性試験を実施しています。

耐風試験では、風速60メートルの超大型台風を想定した試験が行われます。

風速60メートルというのは、気象庁の定義では「猛烈な台風」に相当する風速です。

車や電柱が倒れ、木造住宅が倒壊する恐れがあるレベルの暴風です。

パナソニックの太陽光パネルは、この風速60メートルの強風に耐えることが確認されています。

架台(パネルを固定する金属フレーム)の強度、固定方法、パネル自体の構造──すべてが、この強風に耐えられる設計になっているのです。

耐震試験では、垂直・水平方向の揺れに対する耐性が確認されます。

地震の揺れは、建物に複雑な力を加えます。

パネルが屋根から外れたり、架台が破損したりしないよう、十分な強度が確保されています。

これらの試験をクリアしていることは、日本の気候や災害リスクを熟知した国内メーカーならではの強みと言えるでしょう。

海外メーカーの中には、日本特有の気候や災害を十分に考慮していない製品もあります。

パナソニックは、日本市場で30年以上の実績があるからこそ、こうした試験の重要性を理解し、実施しているのです。

そして、耐久性と同じくらい重要なのが保証内容です。

パナソニックの保証は、業界でもトップクラスの充実度を誇ります。

保証1:モジュール保証(25年間・無償)

太陽光パネル(モジュール)の出力を、25年間にわたって保証します。

太陽光パネルは、時間とともに徐々に出力が低下します。

これは経年劣化による避けられない現象ですが、その低下率が一定の基準を超えた場合、無償で修理または交換が行われます。

25年という長期保証は、太陽光パネルのライフサイクル(寿命)に近い期間をカバーしています。

競合メーカーの中には、10年〜20年保証のところもあります。

パナソニックの25年保証は、長期的な安心感を提供します。

保証2:周辺機器保証(15年間・無償)

パワーコンディショナー、接続箱、標準架台、パワーステーション(創蓄連携システム)などの周辺機器に、製造上の不具合があった場合、15年間にわたって無償で修理対応します。

ここで注目すべきは、15年間が無償という点です。

他の国内メーカー、例えばシャープや京セラでは、周辺機器の無償保証は10年間で、15年に延長するには追加費用が必要です。

パナソニックは、最初から15年間の保証が無償で付帯しているのです。

これは、数万円〜十数万円の価値があります。

特にパワーコンディショナーは、太陽光発電システムの中で最も故障しやすい機器と言われています。

一般的に、10〜15年程度で交換が必要になることが多く、交換費用は20万〜30万円程度かかります。

15年間の保証があれば、この期間内の故障は無償で対応してもらえるため、ランニングコストを大幅に削減できます。

保証3:自然災害補償(15年間・販売店経由で加入可能)

機器瑕疵保証では補償できない、火災、落雷、風災等の自然災害に起因する損害を、系統連系日から15年間補償します。

台風による飛来物でパネルが破損した、落雷でパワーコンディショナーが故障した──こうした自然災害による損害も、保険金で修理費用が支払われます。

ただし、地震・噴火・津波・盗難は補償対象外であることに注意が必要です。

また、産業用(50kW以上または三相パワーコンディショナー使用)は補償制度の対象外です。

この自然災害補償は、販売店経由で加入する必要がありますが、多くの販売店で標準的に案内されています。

近年、自然災害が激甚化していることを考えると、この補償は大きな安心材料です。

以下の表に、パナソニックの保証内容をまとめました。

保証の種類

保証期間

対象

費用

モジュール保証

25年

太陽光パネルの出力

無償

周辺機器保証

15年

パワコン・接続箱・架台等

無償

自然災害補償

15年

火災・落雷・風災等

販売店経由で加入

サービス拠点

全国ほぼ全都道府県

これだけ充実した保証があることで、長期的な安心感が得られます。

「高額な初期費用を払って設置したのに、数年後に故障して高額な修理費用がかかった」という事態を避けられます。

また、パナソニックは全国にサービス拠点を持っています。

ほぼすべての都道府県に拠点があるため、トラブル発生時の対応が迅速です。

地方の小規模メーカーや海外メーカーの場合、修理対応に時間がかかることがありますが、パナソニックならその心配は少ないでしょう。

保証を受けるためには、パナソニックが規定した設置工事が行われているという条件を満たす必要があります。

したがって、パナソニックの太陽光発電システムを導入する際は、パナソニックの認定施工店を選ぶことが重要です。

認定施工店であれば、適切な施工基準に従って設置されるため、保証を確実に受けられます。

「太陽光発電は高額だから、設置後のトラブルが心配」という方にとって、パナソニックの充実した保証体制は、大きな安心材料となるでしょう。

価格・ラインナップ・選び方

価格相場と海外メーカー比較の判断軸

太陽光発電を導入する際、最も気になるのが価格でしょう。

パナソニックは、果たして高いのか、安いのか。

そして、海外メーカーと比べてどう判断すべきなのか。

ここでは、2025年時点の価格相場と、賢い選び方について解説します。

まず、住宅用太陽光発電システムの価格相場を確認しましょう。

資源エネルギー庁のデータによると、住宅用太陽光発電システムの平均設置費用は28.6万円/kWとなっています。

これは、パネル、パワーコンディショナー、架台、設置工事費などすべてを含んだ価格です。

例えば、5kWのシステムを導入する場合、28.6万円×5kW=143万円が平均的な価格となります。

では、パナソニックの価格はどうでしょうか。

パナソニックの太陽光発電システムも、この平均価格と同等程度です。

数年前までは、「パナソニックは高級・割高」というイメージがありました。

実際、国内メーカーの中でも高価格帯に位置していたのは事実です。

しかし、近年の海外メーカーとの価格競争の影響で、年々価格が下がってきているのです。

現在では、国内メーカーの中でも中程度の価格帯に位置しており、決して「高すぎる」というレベルではなくなっています。

むしろ、発電量の多さと無償長期保証を考慮すると、費用対効果が良いという評価が多くなっています。

では、海外メーカーと比較するとどうでしょうか。

中国メーカーなどの海外製品は、大量生産によるスケールメリットで、1kWあたり20万〜25万円程度と、パナソニックより安価なケースが多いです。

5kWのシステムであれば、100万〜125万円程度で導入できる計算になります。

単純な初期費用だけで比較すれば、確かに海外メーカーの方が安いです。

しかし、価格だけで判断するのは危険です。

太陽光発電は20年、30年と長期間使用するものですから、トータルコストで考える必要があります。

ここで重要になるのが、判断軸です。

以下のような視点で、総合的に評価することをおすすめします。

判断軸1:初期費用 vs ランニングコスト

海外メーカーは初期費用が安いですが、保証期間が短かったり、保証延長に追加費用がかかったりすることがあります。

パナソニックは初期費用がやや高めですが、15年の機器保証が無償です。

他社で15年保証にするための追加費用(5万〜10万円程度)を考慮すれば、実質的な価格差は縮まります。

また、パワーコンディショナーの故障時、保証期間内であれば無償ですが、保証外であれば20万〜30万円の費用がかかります。

判断軸2:発電効率 vs 設置容量

パナソニックは高効率なので、限られた屋根面積でもより多くの容量を設置できます。

例えば、海外メーカーで4.5kWしか載らない屋根に、パナソニックなら5.5kW載せられるといったケースがあります。

容量が増えれば発電量も増え、電気代削減額や売電収入も増加します。

結果として、回収期間が短くなり、トータルの経済メリットが大きくなるのです。

判断軸3:ブランド信頼性 vs コストパフォーマンス

パナソニックは30年以上の実績があり、サービス拠点も全国にあります。

海外メーカーの中には、参入してから日が浅い企業や、日本国内のサポート体制が十分でない企業もあります。

20年後、30年後も安心してサポートを受けられるかという観点では、パナソニックの信頼性は高いと言えるでしょう。

判断軸4:機器連携 vs 単体性能

パナソニックは、蓄電池、HEMS、家電との連携が最適化されています。

海外メーカーのパネルでも発電はできますが、他社製の蓄電池やHEMSとの連携がうまくいかないケースもあります。

将来的に蓄電池を追加したい、HEMSで電気を管理したいという場合、パナソニックで統一するメリットは大きいです。

以下の表に、パナソニックと海外メーカーの比較をまとめました。

比較項目

パナソニック

海外メーカー(一般的)

判断のポイント

初期費用

中〜やや高

安い

長期コストで評価

変換効率

高(19%以上)

中〜高(15〜20%)

屋根面積が狭いなら高効率

保証期間

25年・15年無償

10〜25年(延長有償も)

ランニングコスト影響大

実績

30年以上

メーカーによる

長期的安心感

サポート

全国拠点

メーカーによる

トラブル時の対応速度

機器連携

最適化

限定的

将来の拡張性

結局のところ、「パナソニックと海外メーカー、どちらが良いか」という問いに対する答えは、あなたが何を重視するかによって変わります。

以下のような方には、パナソニックがおすすめです。

パナソニックがおすすめの人

  • 長期的な信頼性と安心感を重視する人
  • 屋根面積が限られており、高効率パネルで容量を確保したい人
  • パナソニック製の家電を使っており、機器連携を活用したい人
  • 将来的に蓄電池やHEMSを追加したい人
  • 充実した保証で長期的なランニングコストを抑えたい人

逆に、以下のような方には海外メーカーも選択肢となるでしょう。

海外メーカーも検討すべき人

  • 初期費用を最優先で抑えたい人
  • 広い屋根面積があり、容量を確保しやすい人
  • 短期的な回収を重視する人
  • 機器連携などの付加機能は不要な人

ただし、海外メーカーを選ぶ場合でも、信頼できるメーカーを選ぶことが重要です。

カナディアンソーラーやQセルズなど、世界的に実績のある海外メーカーは、品質も比較的安定しています。

価格は重要な要素ですが、それだけで判断せず、総合的に評価することが、後悔しない選択につながります。

モジュール・パワコン・蓄電池・HEMSの連携活用

パナソニックの太陽光発電システムの真の価値は、単体の性能だけでなく、各機器の連携によるトータルソリューションにあります。

ここでは、パナソニックの製品ラインナップと、それらを連携させることで得られるメリットについて解説します。

パナソニックが提供する太陽光関連製品は、大きく4つのカテゴリーに分かれます。

  1. 太陽電池モジュール(パネル)

太陽光を電気に変換する、システムの心臓部です。

パナソニックのモジュールには、複数のサイズと出力のバリエーションがあります。

標準サイズのモジュールだけでなく、ハーフタイプや台形タイプも用意されています。

ハーフタイプは、標準サイズの約半分のコンパクトなパネルです。

「あと少しスペースがあるのに、標準サイズだと入らない」という場面で活躍します。

台形タイプは、寄棟屋根などの三角形や台形のスペースに設置できます。

これにより、屋根面積を最大限に活用できるのです。

狭いスペースでも十分な発電量が見込めることや、形状を問わない点は、日本の住宅事情に合わせた設計と言えるでしょう。

  1. パワーコンディショナー

太陽光パネルで発電した直流電力を、家庭で使える交流電力に変換する機器です。

パナソニックのパワーコンディショナーは、自社工場で生産を継続しています。

電力変換効率が高く、前述したMPPT制御により、発電ロスを最小限に抑えます。

また、創蓄連携システムに対応したパワーステーションも用意されています。

これは、太陽光発電と蓄電池を一体的に制御する中核機器で、効率的なエネルギーマネジメントを実現します。

  1. 蓄電池(創蓄連携システム)

発電した電気を蓄え、必要な時に使用できるようにする機器です。

パナソニックの蓄電池も、自社工場で生産を継続しています。

蓄電池を導入することで、以下のようなメリットが得られます。

  • 昼間に発電した電気を蓄えて、夜間に使用できる
  • 電力会社から買う電気を減らし、電気代を削減できる
  • 停電時のバックアップ電源として機能する
  • ピークカット(電力使用のピーク時に蓄電池から給電)で電気代を最適化

特に重要なのが、停電時のバックアップ機能です。

近年、台風や地震などの自然災害による停電が増えています。

蓄電池があれば、停電時でも蓄えた電気を使って、照明、冷蔵庫、スマートフォンの充電などができます。

パナソニックの創蓄連携システムは、停電を検知すると自動的に蓄電池からの給電に切り替わるため、手動操作は不要です。

  1. HEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)

家庭で使うエネルギーを「見える化」し、最適に制御するシステムです。

パナソニックのHEMSは、太陽光発電、蓄電池、そしてパナソニック製の家電(エアコン、照明器具、エコキュートなど)を一元管理できます。

HEMSの画面で、以下のような情報がリアルタイムで確認できます。

  • 現在の発電量
  • 現在の消費電力
  • 蓄電池の充電状態
  • 各部屋・各家電の電力使用状況
  • 電気代の推移

これらの情報をスマートフォンやタブレットで確認できるため、電気の使い方を見直すきっかけになります。

さらに、自動制御機能により、賢いエネルギーマネジメントが可能です。

例えば、以下のような制御ができます。

  • 太陽光で発電している昼間に、自動的に洗濯機を稼働させる
  • 電気料金が安い深夜時間帯に、エコキュートでお湯を沸かす
  • 蓄電池の充電状態に応じて、充電・放電を最適化する
  • 天気予報と連動して、翌日の発電量を予測し、蓄電池の運用を最適化する

これらの機器をパナソニックで統一することの最大のメリットは、連携が最適化されていることです。

異なるメーカーの機器を組み合わせることも可能ですが、通信規格が異なったり、制御が最適化されていなかったりして、本来の性能を発揮できないことがあります。

パナソニックで統一すれば、すべての機器が同じプラットフォームで動作し、シームレスな連携が実現します。

また、トラブル発生時の対応も、すべてパナソニックの窓口で一本化できるため、たらい回しにされる心配がないという安心感もあります。

以下に、連携活用の具体的なメリットをまとめました。

パナソニック製品連携のメリット

  • 太陽光+蓄電池:昼間の余剰電力を蓄えて夜間使用→電気代削減
  • 太陽光+蓄電池:停電時の自動バックアップ→災害時の安心
  • HEMS+太陽光+蓄電池:エネルギーの見える化と最適制御
  • HEMS+家電:パナソニック製エアコン・照明との連携制御
  • 全体統合:トラブル時の窓口一本化→迅速な対応

初めて太陽光発電を導入する場合、いきなり蓄電池やHEMSまで揃えるのは、費用的に厳しいかもしれません。

その場合は、まず太陽光発電システムを導入し、後から蓄電池やHEMSを追加するという段階的なアプローチも可能です。

パナソニックで統一しておけば、将来の拡張がスムーズです。

逆に、最初に海外メーカーのパネルを導入してしまうと、後からパナソニックの蓄電池やHEMSを追加しても、完全な連携ができない可能性があります。

将来的な拡張性も考慮して、初期の段階でメーカー選びを慎重に行うことが重要です。

まとめ

パナソニックの太陽光発電について、生産撤退の経緯から製品特徴、価格、保証まで詳しく解説してきました。

最後に、重要なポイントをまとめます。

生産撤退の真実

パナソニックは2021年度に自社工場での太陽電池生産を終了しましたが、これは完全な事業撤退ではありません。

外部メーカーからOEM調達する体制に切り替え、太陽光発電システムの販売は継続しています。

さらに、パワーコンディショナーと蓄電池は自社工場で生産を継続しており、太陽光事業への意欲は依然として高いのです。

保証・サービスは変わらず継続

最も重要なのは、保証内容や保証期間、アフターサービスに一切変更がないという点です。

25年のモジュール保証、15年の周辺機器保証(無償)、15年の自然災害補償は、生産撤退後も維持されています。

既設ユーザーの保証も打ち切られることはなく、今後購入する場合も同様の保証が適用されます。

全国にサービス拠点があるため、トラブル時の対応も迅速です。

パナソニックの3つの強み

パナソニックならではの価値は、高効率、長期実績、機器連携の3点に集約されます。

HIT技術による変換効率19%以上、2016年には世界最高23.8%を達成した実績は、技術力の高さを証明しています。

1992年に設置された設備が30年以上稼働し続けている事実は、長期的な信頼性の証です。

そして、蓄電池、HEMS、家電との連携により、単なる発電装置を超えたトータルエネルギーソリューションを提供できます。

悪天候・高温下でも安定発電

MPPT制御により、曇りや雨の日でも効率的に発電できます。

年間の約半分が悪天候であることを考えると、この性能は年間発電量に大きく影響します。

また、HIT技術により高温時の出力低下を抑制し、夏場でも安定した発電が可能です。

充実した保証と耐久性

風速60メートルの耐風試験、厳しい耐震試験をクリアした耐久性があります。

25年のモジュール保証、15年の無償周辺機器保証は、業界トップクラスです。

他社では有償の15年保証が、パナソニックでは標準で無償付帯されています。

価格と選び方

平均価格は28.6万円/kW程度で、パナソニックもこの水準です。

海外メーカーより初期費用は高めですが、無償長期保証や高効率を考慮すれば、費用対効果は良好です。

判断の軸は、初期費用だけでなく、ランニングコスト、発電効率、ブランド信頼性、機器連携など、総合的に評価することが重要です。

こんな人にパナソニックがおすすめ

  • 長期的な信頼性と安心感を重視する人
  • 屋根面積が限られており、高効率で容量を確保したい人
  • 将来的に蓄電池やHEMSを追加したい人
  • パナソニック製家電を使っており、連携を活用したい人
  • 充実した保証で安心したい人

パナソニックの太陽光発電は、生産体制の変化はあったものの、ブランドとしての価値、技術力、サポート体制は健在です。

「生産撤退」というネガティブなニュースに惑わされず、実際の製品性能と保証内容で判断してください。

30年以上の実績、世界最高レベルの技術、全国のサポート体制──これらは、一朝一夕には築けない価値です。

太陽光発電は20年、30年と使い続ける設備です。

目先の価格だけでなく、長期的な視点で、自分にとって最適なメーカーを選んでください。

パナソニックは、その選択肢の一つとして、十分に検討する価値があるメーカーです。

この記事が、あなたの太陽光発電選びの一助となれば幸いです。

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