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お役立ちコラム

災害時に太陽光パネルはどこまで使える?停電対策を解説

日本は地震や台風などの自然災害がおおい国です。 突然の停電でこまったけいけんはありませんか? スマートフォンの充電がなくなり、れんらくがとれなくなる。 冷蔵庫がとまって、食材がいたんでしまう。 真夏や真冬に冷暖房がつかえず、体調をくずしてしまう。

このような不安をかかえるかたにとって、太陽光パネルは心強い味方になります。 災害時でも太陽光発電があれば、でんきをつかいつづけることができるのです。 ただし、正しいつかいかたを知らないと、いざというときに活用できません。

本記事では、災害時における太陽光パネルの活用方法について、くわしく解説します。 停電時にどれくらいの電力がつかえるのか、どのような家電が動かせるのか、より効果的に活用するためのポイントまで、じっさいに役立つ情報をお届けします。 災害への備えとして太陽光発電を検討しているかたや、すでに設置しているかたも、ぜひ参考にしてください。

災害時でも太陽光発電の電気は使える

パワーコンディショナの自立運転モードを活用

災害によって停電がおきても、太陽光パネルがこわれていなければ発電はつづきます。 しかし、通常のままでは発電した電気をつかうことができません。 なぜなら、太陽光パネルでつくられた直流電流を、家庭でつかえる交流電流にかえる装置である「パワーコンディショナ」が、停電時には動作しなくなるからです。

停電時に太陽光発電の電気をつかうには、パワーコンディショナを「自立運転モード」にきりかえる必要があります。 自立運転モードとは、電力会社からの電気供給がなくても、太陽光発電の電気だけでパワーコンディショナを動かすことができる機能です。 この機能により、最大1,500Wまでの電力を非常用電源として活用できるようになります。

 

自立運転モードへのきりかえ手順は以下のとおりです:

手順 操作内容
1 主電源ブレーカーをきる
2 太陽光発電ブレーカーをきる
3 パワーコンディショナの運転スイッチをきる
4 自立運転モードにきりかえる
5 自立運転用コンセントから電源をとる

 

メーカーによって操作方法がことなる場合があるため、取扱説明書を事前に確認しておくことが大切です。 災害時にあわてないよう、平常時に一度練習しておくことをおすすめします。 また、自立運転モードのスイッチがカバーでかくれているタイプもあるので、設置場所をかならず把握しておきましょう。

使用できる家電と使えない家電

自立運転モードでは最大1,500Wまでの電力がつかえますが、すべての家電が動かせるわけではありません。 災害時にどの家電がつかえるのか、事前に把握しておくことが重要です。 以下に、つかえる家電とつかいにくい家電をまとめました。

 

つかえる家電の例:

  • スマートフォンの充電器(5W程度)
  • LED照明(10~20W)
  • 扇風機(30~50W)
  • テレビ(100~300W)
  • 冷蔵庫(150~250W)
  • 炊飯器(300~700W)
  • 電気ポット(700~1,000W)

 

これらの家電は、消費電力が比較的すくないため、複数同時につかうことも可能です。 たとえば、冷蔵庫(250W)、テレビ(300W)、スマートフォン充電4台(20W)、LED照明3つ(60W)を同時につかっても、合計630Wで1,500W以内におさまります。 災害時の生活に必要な最低限の電力は確保できるといえるでしょう。

 

一方で、つかいにくい家電もあります:

  • エアコン(起動時2,000W以上)
  • 電子レンジ(1,000~1,500W)
  • ドライヤー(1,200W程度)
  • 掃除機(1,000W程度)
  • IHクッキングヒーター(3,000W以上)

 

これらの家電は、起動時に大きな電力を必要とするため、自立運転モードではつかえない場合があります。 とくに、モーターをつかう家電は、スイッチをいれた瞬間に定格消費電力の数倍の電力を必要とすることがあるので注意が必要です。 また、パソコンなどの精密機器は、天候による発電量の変動で突然電源がきれる可能性があるため、重要なデータが保存されている場合は使用をひかえたほうがよいでしょう。

自立運転用コンセントの確認

自立運転モードで電気をつかうには、通常のコンセントではなく「自立運転用コンセント」をつかう必要があります。 このコンセントは、パワーコンディショナ本体の側面にあるか、設置工事のときに指定した場所に設置されています。 「非常用コンセント」「自立コンセント」などと表示されていることがおおいです。

自立運転用コンセントの設置場所によって、災害時の使い勝手が大きくかわります。

 

以下の点を確認しておきましょう:

• コンセントの位置がわかりやすいか
• 延長コードでとどく範囲に必要な家電があるか
• コンセント周辺に物がおかれていないか
• 屋外設置の場合、雨にぬれない場所か
• 複数口のコンセントか、単独のコンセントか

 

屋内外兼用型のパワーコンディショナであれば、自立運転用コンセントの設置場所をえらぶことができます。 リビングやキッチンなど、災害時によくつかう場所の近くに設置しておくと便利です。 すでに設置済みの場合は、延長コードやテーブルタップを用意しておき、必要な場所まで電源をひけるようにしておきましょう。

災害時に太陽光発電で電気が使えるメリット

連絡や情報収集ができる

災害時にもっとも重要なのは、正確な情報の入手と家族や知人との連絡です。 停電によってスマートフォンの充電ができなくなると、これらの重要な機能がうしなわれてしまいます。 太陽光発電があれば、スマートフォンやタブレットの充電を継続でき、以下のようなことが可能になります。

 

情報収集の手段:

  • 気象庁や自治体からの災害情報の確認
  • 避難所の場所や開設状況の把握
  • 交通機関の運行状況のチェック
  • ライフラインの復旧見込みの確認
  • SNSをつうじた地域情報の収集

 

スマートフォン1台の充電に必要な電力は約5Wと非常にすくないため、家族全員分を同時に充電しても問題ありません。 また、ラジオ(5~10W)やポータブルテレビ(50~100W)もつかえるので、インターネットがつながらない状況でも情報収集が可能です。 とくに、災害時は情報が錯綜しやすいため、複数の情報源から正確な情報をえることが重要になります。

 

連絡手段の確保により、以下のメリットもあります:
• 家族の安否確認ができて安心できる
• 勤務先や学校との連絡がとれる
• 遠方の親戚や友人に状況を伝えられる
• 必要に応じて救助要請ができる
• 近隣住民との情報共有が可能になる

 

災害時は電話回線が混雑することがおおいですが、SNSやメッセージアプリは比較的つながりやすい傾向があります。 太陽光発電で充電を確保できれば、これらの通信手段を有効活用できるでしょう。

冷蔵庫が使えて食料管理ができる

停電時に冷蔵庫がとまってしまうと、保存している食材がいたんでしまう心配があります。 とくに夏場は、数時間で食材が傷みはじめ、食中毒のリスクも高まります。 太陽光発電があれば、冷蔵庫を動かしつづけることができ、食材の安全な保存が可能です。

冷蔵庫の消費電力は機種によってことなりますが、一般的な家庭用冷蔵庫であれば150~250W程度です。 これは自立運転モードの最大出力1,500Wの範囲内であり、ほかの家電と同時につかうことも十分可能です。 ただし、冷蔵庫は24時間連続で動かす必要があるため、以下の工夫が必要になります。

 

冷蔵庫を効率的につかうポイント:

時間帯 対策
昼間(発電時) 冷凍室で氷を大量につくる
夕方 冷蔵室に保冷剤をいれる
夜間(発電停止時) ドアの開閉を最小限にする
早朝 傷みやすい食材から消費する

 

昼間の発電時間帯に氷や保冷剤をつくっておき、夜間は保冷ボックスのように活用することで、24時間食材を安全に保存できます。 また、停電が長期化する場合は、傷みやすい食材から優先的に消費し、缶詰や乾物などの保存食を活用することも大切です。 災害時の食事は体力維持のために重要なので、食材管理ができることは大きなメリットといえるでしょう。

暑さ寒さ対策に冷暖房が使える

 

災害は季節をえらばずに発生します。 真夏の猛暑日や真冬の寒い日に停電がおきると、エアコンがつかえなくなり、体調をくずすリスクが高まります。 とくに高齢者や乳幼児、持病のあるかたにとっては、適切な温度管理が生命にかかわることもあります。

太陽光発電があれば、ある程度の冷暖房機器をつかうことができます。 ただし、エアコンは起動時に2,000W以上の電力を必要とするため、自立運転モードではつかえない場合がほとんどです。 そのため、以下のような代替手段を活用することになります。

 

夏場の暑さ対策:

  • 扇風機(30~50W)を複数台つかう
  • 冷風扇(50~100W)で局所的に冷やす
  • 製氷機能をつかって氷をつくる
  • 冷蔵庫で冷たい飲み物を確保する
  • 換気扇(20~30W)で熱気を排出する

 

冬場の寒さ対策:

  • 電気毛布(50~100W)をつかう
  • 電気ストーブ(400~800W)で局所暖房
  • 電気カーペット(500~700W)を活用
  • 電気ポット(700~1,000W)で温かい飲み物
  • ホットカーペット(500~700W)で足元を暖める

 

これらの機器は消費電力が比較的すくないため、自立運転モードでも問題なくつかえます。 複数の暖房器具を組み合わせることで、エアコンがなくても快適な室温を保つことが可能です。 また、昼間の暖かい時間帯に部屋を暖めておき、夜間は保温につとめるなど、時間帯にあわせた工夫も効果的でしょう。

太陽光発電だけでどれだけの電力をカバーできる?

発電量と消費電力量の目安

太陽光パネルの発電量は、設置容量によって大きくことなります。 一般的な住宅用太陽光発電システムは3~5kW程度の容量で設置されることがおおく、4kWのシステムの場合、月間平均で約340kWhの発電が期待できます。 これを1日あたりになおすと、約11kWhの発電量となります。

では、この発電量でどれくらいの電力消費をカバーできるのでしょうか。 一般家庭の1日の電力消費量は約10~15kWhといわれているので、晴天時であれば日中の電力需要の大部分をまかなうことができます。 ただし、災害時の自立運転モードでは、最大出力が1,500Wに制限されるため、同時につかえる家電には限りがあります。

 

主な家電の1日あたりの消費電力量:
• 冷蔵庫(24時間稼働):約1.2~2.4kWh
• LED照明(5時間使用):約0.05~0.1kWh
• テレビ(5時間視聴):約0.5~1.5kWh
• 扇風機(8時間使用):約0.24~0.4kWh
• スマートフォン充電(4台):約0.02kWh
• 炊飯器(1回使用):約0.3~0.5kWh

 

これらを合計すると、約2.3~4.8kWhとなり、晴天時の発電量であれば十分にまかなえることがわかります。 実際には、曇りや雨の日もあるため、優先順位をつけて電力をつかう必要がありますが、最低限の生活に必要な電力は確保できるといえるでしょう。 重要なのは、どの家電を優先的につかうか、事前に計画をたてておくことです。

天候による発電量の変動

 

太陽光発電の最大の特徴は、天候によって発電量が大きく変動することです。 快晴の日を100%とすると、くもりの日は30~50%、雨の日は10~20%程度まで発電量が低下します。 この変動は、災害時の電力供給計画に大きな影響をあたえます。

 

天候別の発電量の目安(4kWシステムの場合):

天候 発電量/日 発電割合
快晴 約16kWh 100%
晴れ 約13kWh 80%
薄曇り 約8kWh 50%
曇り 約5kWh 30%
約2kWh 10%

 

興味深いことに、完全に曇っていても、ある程度の発電はおこなわれます。 実験によると、薄曇りの条件下で0.16kW(最大利用可能電力の約10分の1)の発電量でも、テレビ、ラジオ、扇風機、携帯電話の充電など、複数の機器を同時につかうことができたという報告があります。 つまり、天候が悪くても、最低限の電力供給は期待できるということです。

 

ただし、天候による発電量の変動にそなえて、以下の対策が必要です:
• 晴天時に充電できるものは充電しておく
• 曇りや雨の日は消費電力をおさえる
• 優先順位の低い家電の使用をひかえる
• バッテリー式の機器を併用する
• 手動でつかえる代替品を用意する

 

災害は天候をえらばずに発生するため、悪天候時でも最低限の生活ができるよう、省エネを意識した電力使用計画をたてることが重要です。

夜間や雨天時の電力確保の課題

太陽光発電の最大の弱点は、太陽がでていない時間帯は発電できないことです。 夜間はもちろん、雨天が続く場合も、十分な発電量が期待できません。 災害時は、この弱点が生活に大きな影響をあたえる可能性があります。

 

夜間の電力不足による影響:

  • 照明がつかえず、真っ暗な中での生活
  • 冷蔵庫がとまり、食材の保存ができない
  • 暖房機器がつかえず、寒さに耐える必要がある
  • 携帯電話の充電ができず、連絡手段をうしなう
  • 防犯上の不安が増大する

 

これらの課題に対処するため、太陽光発電だけに頼らない対策が必要です。 昼間の発電時間帯に、できるだけ多くの準備をしておくことが重要になります。 たとえば、モバイルバッテリーを複数用意して昼間に充電したり、保冷剤を凍らせたり、懐中電灯の電池を充電したりするなど、夜間にそなえた準備が欠かせません。

 

また、長期間の悪天候にそなえて、以下のような代替手段も検討しておくとよいでしょう:
• 手回し充電器の準備
• 乾電池式の機器の活用
• カセットコンロなどの代替調理器具
• 石油ストーブなどの非電化暖房
• ソーラー充電式のランタン

 

太陽光発電は災害時の心強い味方ですが、万能ではありません。 その限界を理解したうえで、適切な備えをしておくことが、災害を乗り切るカギとなるでしょう。

災害時の太陽光発電を有効活用するためのポイント

蓄電池との組み合わせがおすすめ

蓄電池の仕組みと特徴

太陽光発電の弱点である夜間の電力供給問題を解決する最も効果的な方法は、蓄電池の導入です。 蓄電池は、昼間に太陽光パネルで発電した電気をためておき、必要なときに取り出してつかうことができる装置です。 リチウムイオン電池を採用した家庭用蓄電池が主流で、長寿命かつ高効率な充放電が可能になっています。

蓄電池には大きくわけて2つのタイプがあります。 「特定負荷タイプ」は、あらかじめ指定した回路(冷蔵庫やリビングの照明など)にのみ電気を供給するタイプで、比較的安価に導入できます。 一方、「全負荷タイプ」は、家中すべての回路に電気を供給できるタイプで、停電時でも普段とかわらない生活ができますが、価格は高めになります。

 

蓄電池の主な特徴:

項目 特定負荷タイプ 全負荷タイプ
供給範囲 指定回路のみ 家中すべて
導入費用 100~200万円 200~300万円
停電時の利便性 限定的 高い
設置スペース コンパクト 大型
メンテナンス 簡単 やや複雑

 

蓄電池があれば、太陽光発電でつくった電気を24時間有効活用できます。 昼間の余剰電力を蓄電し、夜間や悪天候時につかうことで、停電が長期化しても安定した電力供給が可能になります。 実際に、蓄電池と太陽光発電を組み合わせた家庭では、3日間の停電でも冷蔵庫を連続運転しながら、照明やテレビもつかえたという事例が報告されています。

太陽光発電と蓄電池の最適な容量選び

蓄電池を導入する際に重要なのは、太陽光発電の容量とのバランスです。 太陽光パネルの発電量に対して蓄電池の容量が小さすぎると、せっかくの電気を無駄にしてしまいます。 逆に、蓄電池が大きすぎると、初期投資が過大になり、費用対効果が悪くなります。

 

最適な容量を選ぶための目安として、以下の計算式があります:
蓄電池容量(kWh)= 1日の消費電力量(kWh)× 自給したい日数

 

たとえば、1日に10kWhの電力を消費する家庭が、2日間完全自給したい場合は、20kWhの蓄電池容量が必要になります。 ただし、実際には変換ロスや劣化を考慮して、計算値の1.2~1.3倍程度の容量を選ぶことが推奨されています。

 

家族構成別の推奨容量:
• 1~2人暮らし:太陽光3kW + 蓄電池5kWh
• 3~4人家族:太陽光4kW + 蓄電池7kWh
• 5人以上の家族:太陽光5kW + 蓄電池10kWh
• オール電化住宅:太陽光6kW + 蓄電池13kWh

 

これらはあくまで目安であり、実際の電力使用パターンによって最適な容量はことなります。 在宅勤務がおおい家庭や、電気自動車を所有している家庭では、より大きな容量が必要になるでしょう。 また、災害への備えを重視する場合は、通常の使用量よりも余裕をもった容量選びが大切です。

普段からの備えと非常用品の準備

 

太陽光発電システムを災害時に有効活用するためには、設備の準備だけでなく、日頃からの備えが欠かせません。 いざというときにあわてないよう、定期的な点検と非常用品の準備をしておきましょう。 とくに、自立運転モードへの切り替え方法は、家族全員が理解しておく必要があります。

 

定期的に確認すべき項目:

  • パワーコンディショナの操作方法
  • 自立運転用コンセントの位置
  • ブレーカーの位置と操作手順
  • 取扱説明書の保管場所
  • 緊急連絡先(設置業者・メーカー)

 

年に2回程度は、実際に自立運転モードへの切り替え練習をおこなうことをおすすめします。 停電を想定して、ブレーカーを落として操作してみると、実際の災害時にも冷静に対応できるでしょう。 また、天候が悪い日に練習すると、発電量が少ないときの電力使用の感覚もつかめます。

 

太陽光発電とあわせて準備しておきたい非常用品:
• 延長コード(10m以上)複数本
• 電源タップ(差込口6個以上)
• LEDランタン・懐中電灯
• モバイルバッテリー(大容量タイプ)
• 手回し充電器
• ポータブルラジオ
• 予備の乾電池各種

 

これらの非常用品は、太陽光発電の電力を効率的に活用したり、発電できない時間帯を補完したりするために重要です。 とくに延長コードは、自立運転用コンセントから離れた場所で電気をつかうために必須となります。 保管場所は家族全員がわかる場所にし、定期的に動作確認をおこないましょう。

停電時の電力使用ルールを家族で決めておく

 

災害時の限られた電力を有効につかうためには、家族全員が協力することが不可欠です。 事前に電力使用のルールを決めておくことで、いざというときの混乱をさけ、効率的な電力活用が可能になります。 家族会議をひらいて、以下のような内容を話し合っておきましょう。

 

優先順位を決める項目:

  1. 生命維持に必要な機器(医療機器など)
  2. 食料保存のための機器(冷蔵庫)
  3. 情報収集・連絡手段(スマートフォン、ラジオ)
  4. 最低限の生活機器(照明、扇風機)
  5. 快適性向上のための機器(テレビ、暖房)

 

家族構成によって優先順位はことなります。 高齢者がいる家庭では医療機器や冷暖房を優先し、小さな子どもがいる家庭では照明や調乳器具を重視するなど、それぞれの事情にあわせたルールづくりが大切です。 また、時間帯別の使用ルールも決めておくとよいでしょう。

 

時間帯別の電力使用ルール例:

時間帯 使用する機器 制限事項
朝(6-9時) 照明、炊飯器、スマホ充電 テレビは朝のニュースのみ
昼(9-15時) 冷蔵庫、扇風機、洗濯機 発電ピーク時は充電優先
夕(15-18時) 調理器具、照明準備 消費電力の確認
夜(18-22時) 最小限の照明、通信機器 蓄電池使用は緊急時のみ

 

ルールは紙に書いて、見やすい場所にはっておきましょう。 定期的に見直しをおこない、季節や家族構成の変化にあわせて更新することも重要です。 災害はいつ起こるかわからないので、日頃から省エネ意識をもって生活することで、いざというときにも対応しやすくなります。

停電から復旧までにかかる期間の目安

過去の大規模災害の事例

日本でおきた過去の大規模災害を振り返ると、停電の復旧にかかった期間はさまざまです。 災害の規模や種類、被害地域によって大きくことなりますが、これらの事例から復旧までの目安を知ることができます。 主な災害における停電復旧の実績をみてみましょう。

東日本大震災(2011年3月)では、東北地方を中心に約466万戸が停電しました。 電力会社の懸命な復旧作業により、震災から3日後には約80%が復旧し、1週間後には約94%まで回復しました。 ただし、津波被害が甚大だった沿岸部や原発事故の影響をうけた地域では、復旧に数か月以上かかったところもあります。

 

主要災害の停電復旧実績:
• 阪神・淡路大震災(1995年):7日間で完全復旧
• 新潟県中越地震(2004年):13日間で復旧
• 熊本地震(2016年):5日間で99%復旧
• 北海道胆振東部地震(2018年):2日間で99%復旧
• 台風15号(2019年千葉):16日間で復旧

 

これらの事例からわかるように、電気の復旧は比較的はやい傾向があります。 これは、電線が地上にあるため、被害箇所の特定と修理が比較的容易であることが理由です。 一方、ガスは5週間、水道は3週間程度かかることがおおく、ライフラインの中では電気がもっとも早期に復旧することが期待できます。

地域や被害状況による復旧の差

 

停電復旧までの期間は、地域特性や被害状況によって大きな差があります。 都市部では復旧が優先されることがおおく、人口密度の高い地域から順次復旧作業がすすめられます。 一方、山間部や離島などでは、アクセスの困難さから復旧が遅れる傾向があります。

 

復旧に時間がかかるケース:

  • 土砂崩れで道路が寸断された地域
  • 倒木により電線が広範囲で切断された場所
  • 津波や洪水で設備が流失した地域
  • 橋が落ちて孤立した集落
  • 電柱が大量に倒壊した地域

 

2019年の台風15号では、千葉県で大規模な停電が発生し、一部地域では復旧に2週間以上かかりました。 これは、想定以上の暴風により、約2,000本もの電柱が倒壊・損傷したことが原因でした。 山間部では倒木の処理に時間がかかり、復旧作業員の安全確保も必要だったため、通常よりも大幅に時間を要しました。

 

地域特性別の復旧目安:

地域タイプ 復旧期間の目安 特徴
都市中心部 1~3日 優先復旧、代替ルート多数
郊外住宅地 3~7日 標準的な復旧期間
農村地域 5~10日 範囲が広く時間がかかる
山間部 7~14日 アクセス困難、倒木処理必要
離島 10日以上 資材・人員の輸送に制約

 

自分の住んでいる地域がどのタイプに該当するか把握し、それに応じた備えをしておくことが重要です。 とくに復旧に時間がかかりそうな地域では、太陽光発電と蓄電池の組み合わせが大きな安心につながるでしょう。

復旧までの間の電力確保方法

 

停電が長期化する場合、太陽光発電だけでは十分な電力を確保できないこともあります。 そのため、複数の電源確保方法を組み合わせて、復旧までの期間を乗り切る必要があります。 以下に、太陽光発電以外の電力確保方法を紹介します。

ポータブル電源は、近年急速に普及している非常用電源です。 リチウムイオン電池を内蔵し、AC100Vコンセントが使用できるため、さまざまな家電を動かすことができます。 容量は300Wh~3,000Whまで幅広く、家族構成や用途にあわせて選択できます。 太陽光発電と併用すれば、昼間に充電して夜間につかうという運用も可能です。

 

その他の電力確保方法:
• 発電機(ガソリン・カセットガス式)
• 車載インバーター(車のバッテリーから給電)
• エネファーム(都市ガスで発電)
• 小型風力発電機 • 手回し発電機

 

これらの方法にはそれぞれメリット・デメリットがあります。 発電機は出力が大きいですが、騒音と排気ガスの問題があります。 車載インバーターは手軽ですが、ガソリンの確保が必要です。 複数の方法を準備しておき、状況に応じて使い分けることが、長期停電を乗り切るコツといえるでしょう。

災害に備えて太陽光発電を導入するメリット

電気代削減と環境貢献

太陽光発電の導入は、災害への備えだけでなく、日常生活においても大きなメリットをもたらします。 もっとも直接的な効果は、毎月の電気代を大幅に削減できることです。 4kWの太陽光発電システムを設置した場合、年間約4,000kWhの発電が期待でき、これは一般家庭の年間消費電力の約80%に相当します。

電気代削減の具体例をみてみましょう。 東京電力の従量電灯Bで月450kWh使用している家庭の場合、月額電気料金は約14,000円になります。 このうち日中使用分(35%)を太陽光発電でまかなうと、月額約4,800円、年間では約60,000円の電気代削減が可能です。 さらに、余った電気を売電すれば、追加の収入も期待できます。

 

電気代削減効果の試算:

項目 金額
導入前の年間電気代 約168,000円
太陽光発電による削減額 約60,000円
売電収入(推定) 約30,000円
年間メリット合計 約90,000円

 

環境面でのメリットも見逃せません。 4kWの太陽光発電システムは、年間約2.1トンのCO2削減効果があります。 これは、スギの木約150本が1年間に吸収するCO2量に相当し、地球温暖化防止に大きく貢献します。 家庭から排出されるCO2の約半分は電気によるものなので、太陽光発電の導入は環境にやさしい暮らしへの第一歩といえるでしょう。

断熱効果による冷暖房費用の節約

 

意外に知られていないメリットとして、太陽光パネルの断熱効果があります。 屋根に太陽光パネルを設置すると、パネルが日傘のような役割をはたし、屋根への直射日光をさえぎります。 これにより、夏場は室内温度の上昇がおさえられ、冬場は室内の暖気が逃げにくくなるのです。

実測データによると、太陽光パネルを設置した屋根の表面温度は、未設置の屋根とくらべて夏場で約10℃低くなることがわかっています。 これは、パネルと屋根の間にできる空気層が断熱材として機能するためです。 室内温度への影響は約2~3℃といわれており、エアコンの設定温度を調整できることで、さらなる省エネ効果が期待できます。

 

季節別の断熱効果:
• 夏場:屋根温度を10℃低下、室温を2~3℃低下
• 冬場:屋根からの放熱を20%削減、暖房効率向上
• 年間:冷暖房費を10~15%削減可能

 

この断熱効果により、年間の冷暖房費用を10~15%程度削減できるという試算があります。 一般的な家庭の年間冷暖房費が約60,000円とすると、年間6,000~9,000円の節約になります。 太陽光発電による電気代削減とあわせると、経済的メリットはさらに大きくなるでしょう。

停電に強い住まいづくり

住宅蓄電池

 

太陽光発電を導入することで、停電に強い住まいづくりの第一歩を踏み出すことができます。 近年、異常気象による災害が増加しており、いつどこで大規模停電が発生してもおかしくない状況です。 太陽光発電があれば、そのような非常時でも最低限の生活を維持できる安心感があります。

 

停電に強い住まいの要素:

  • 太陽光発電による自家発電能力
  • 蓄電池による24時間の電力供給
  • 省エネ家電による消費電力の削減
  • 断熱性能の向上による空調負荷の軽減
  • 非常用設備の充実

 

これらの要素を組み合わせることで、災害時でも通常に近い生活ができる「レジリエンス住宅」が実現します。 とくに、オール電化住宅では、太陽光発電と蓄電池の組み合わせが必須といえるでしょう。 ガスや灯油をつかわないため、災害時の二次災害リスクも低減できます。

また、地域全体で太陽光発電の普及がすすめば、大規模停電のリスク自体を減らすことにもつながります。 分散型電源として各家庭が発電能力をもつことで、電力システム全体の安定性が向上し、ブラックアウトのような事態を防ぐ効果も期待されています。 個人の備えが、地域社会全体の防災力向上にも貢献するのです。

まとめ

メンテナンスしているところ

災害時における太陽光パネルの活用について、詳しく解説してきました。 太陽光発電は、停電時でも自立運転モードに切り替えることで、最大1,500Wまでの電力を供給できる頼もしい存在です。 スマートフォンの充電から冷蔵庫の稼働まで、生活に必要な最低限の電力を確保できることがわかりました。

ただし、太陽光発電にも限界があります。 夜間や悪天候時は発電できないため、蓄電池との組み合わせが理想的です。 また、使用できる家電には制限があり、家族で優先順位やルールを決めておくことが大切です。 過去の災害事例から、電気の復旧には1週間程度かかることもあるため、しっかりとした備えが必要となります。

太陽光発電の導入は、災害への備えだけでなく、日常生活にも多くのメリットをもたらします。 電気代の削減、環境への貢献、断熱効果による省エネなど、長期的にみて大きな価値があります。 初期費用が心配な方も、最近では初期費用0円のリースサービスなど、導入しやすい選択肢が増えています。

災害大国日本に住む私たちにとって、停電への備えは他人事ではありません。 太陽光発電という選択肢を検討し、家族や地域の安全・安心につなげていただければ幸いです。 まずは、お住まいの地域や家族構成にあった最適なシステムを、専門家に相談してみることから始めてみてはいかがでしょうか。

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