お役立ちコラム 2024.10.28
蓄電池との連携でエコキュートの効果を最大化しよう!理想的な連携方法について
近年の電気料金の高騰により、より効率的な給湯システムを検討する家庭が増えています。
とりわけ注目を集めているのが、エコキュートと蓄電池の組み合わせです。
省エネ性能の高いエコキュートに蓄電池を連携させることで、さらなる光熱費の削減が期待できます。
この記事では、エコキュートと蓄電池の理想的な連携方法について、具体的な数字とともに解説していきます。
目次
メリットと効果
エコキュートと蓄電池を組み合わせることで得られる効果は、想像以上に大きなものとなります。
光熱費の大幅な削減はもちろんのこと、災害時の生活維持にも大きく貢献します。
実際の導入事例からも、年間15万円以上の節約効果が確認されているケースもあります。
光熱費の削減
エコキュートと蓄電池の連携による光熱費削減効果は、具体的な数字で表すことができます。
4人世帯の場合、月額1.3万円程度の削減効果が期待できます。
これは、年間では15.5万円もの節約につながる計算です。
節約のしくみ
エコキュートと蓄電池による節約の仕組みは、以下の3つのポイントに集約されます。
【節約の3つのポイント】
1. 深夜電力の活用
- 電気料金が安い深夜帯に蓄電池を充電
- 深夜電力でエコキュートのお湯を沸かす
2. 電力の効率的使用
- 貯めた電気を日中の高額時間帯に使用
- ピークカットによる基本料金の抑制
3. 追い炊き時の電力供給
- 日中のお湯不足時も安価な電気で対応
- 蓄電池からの電力供給で高額電気を回避
コスト試算
具体的な節約効果を世帯別にみていきましょう。
【世帯別の年間節約額】
世帯人数 | 月間削減額 | 年間削減額 | 10年間の削減額 |
---|---|---|---|
4人世帯 | 約13,000円 | 約155,000円 | 約1,550,000円 |
2人世帯 | 約7,800円 | 約94,000円 | 約940,000円 |
世帯人数が多いほど、削減効果は大きくなる傾向にあります。
これは、お湯の使用量が増えるほど、エコキュートと蓄電池の連携効果が高まるためです。
災害時の活用
エコキュートと蓄電池の連携は、災害時の生活維持にも大きな力を発揮します。
停電時でも1〜2日分の電力を確保できるため、給湯システムを継続して使用できます。
特に以下のような場面で重要な役割を果たします:
【災害時の活用シーン】
- 温かい食事の提供
- 衛生的な手洗いや洗面
- 入浴による体調管理
- 赤ちゃんのミルク作り
- 高齢者の体温管理
災害大国である日本において、この機能は単なる便利さを超えた、生命維持のための重要な備えとなります。
実際に、近年増加している災害時の停電対策として、多くの家庭が注目している理由の一つです。
導入のポイント
エコキュートと蓄電池の導入には、綿密な計画と準備が必要です。
初期費用の確保から設置場所の選定まで、考慮すべき点は多岐にわたります。
ここでは、スムーズな導入を実現するための重要なポイントを解説していきます。
費用と補助金
エコキュートと蓄電池をセットで導入する場合、総額で140万円から310万円程度の初期費用が必要となります。
ただし、各種補助金制度を活用することで、実質的な負担を大きく軽減できます。
【初期費用の内訳】
- エコキュート本体・工事:40〜60万円
- 蓄電池本体・工事:100〜250万円
【活用できる補助金制度】
1. DR事業(蓄電池向け)
- 補助額:最大60万円
- 条件:電力需給ひっ迫時の遠隔操作に同意
- 期間:6年間の契約が必要
2. DER事業(蓄電池向け)
- 補助額:最大60万円
- 条件:年1回程度の実証実験に協力
- 期間:3年間の契約が必要
3. こどもエコすまい支援事業
- エコキュート:2.7万円
- 蓄電池:6.4万円
- 合計:9.1万円の補助
これらの補助金は併用が不可能なため、自身の状況に合わせて最適な制度を選択する必要があります。
設置の注意点
設置に際しては、以下の5つの重要なポイントに注意が必要です。
【設置時の確認事項】
1. スペースの確保
- エコキュート:幅0.6〜0.8m×奥行0.7〜0.8m×高さ1.8〜2.0m
- 蓄電池:幅0.5〜1.0m×奥行0.3〜0.4m×高さ0.5〜1.0m
- メンテナンス用の余裕スペース:周囲20〜30cm
2. 設置場所の条件
- 屋外設置:建物から3m以上の距離が必要
- 屋内設置:防火設備のある専用スペースが必要
- 日当たりや通気性への配慮
3. 騒音対策
- 深夜の運転音に対する配慮
- 近隣住宅との距離の確保
- 防音対策の検討
4. 電圧対応
- エコキュート:200V電源が必要
- 蓄電池:200V対応製品の選択が必須
5. 耐用年数
- 両機器とも10〜15年程度
- 定期的なメンテナンスが必要
- 将来の更新費用も考慮
特に騒音問題については、過去にトラブルになったケースもあるため、慎重な検討が必要です。
また、設置場所の選定は、将来のメンテナンス性も考慮に入れる必要があります。
寒冷地や海岸部では、それぞれの環境に適した機種を選択することも重要なポイントです。
これらの注意点をクリアしたうえで、長期的な視点で導入を検討していくことをおすすめします。
効果的な運用法
エコキュートと蓄電池の組み合わせを最大限に活用するためには、適切な運用方法を知ることが重要です。
世帯構成や生活パターンに応じた使い方を工夫することで、さらなる節約効果が期待できます。
世帯別の活用
世帯構成によって、エコキュートと蓄電池の最適な活用方法は異なります。
【世帯別おすすめの使用パターン】
1. 4人以上の世帯
- タンク容量:370L以上を選択
- 蓄電池容量:12kWh以上を推奨
- 入浴時間をずらして追い炊きを削減
- 洗濯は深夜電力の時間帯に設定
2. 2〜3人世帯
- タンク容量:300L程度で対応可能
- 蓄電池容量:8〜10kWhが目安
- 朝晩の給湯時間を集中させる
- 余剰電力は家電使用に回す
大人数世帯では、お湯の使用時間帯を分散させることで、追い炊きの頻度を減らせます。
一方、少人数世帯では、給湯以外の電力使用にも蓄電池の容量を活用できます。
省エネの工夫
日々の使用において、いくつかの工夫を取り入れることで、さらなる省エネ効果が得られます。
【時間帯別の活用のコツ】
1. 深夜(23時〜7時)
- 蓄電池の充電を優先
- エコキュートでお湯を沸かす
- 食洗機の予約運転を設定
2. 朝方(7時〜9時)
- 貯めたお湯を使用
- 蓄電池の電力は控えめに
- シャワーは短めに済ませる
3. 日中(9時〜17時)
- 余剰電力を蓄電
- お湯の追い炊きを避ける
- エアコンは控えめに使用
4. 夕方〜夜(17時〜23時)
- 蓄電池の電力を活用
- 入浴は適度な温度で
- 家電の使用時間を調整
季節に応じた設定変更も、効率的な運用のポイントです。
例えば、夏場はお湯の設定温度を下げることで、消費電力を抑えられます。
冬場の凍結対策として、配管部分の保温も忘れずに行いましょう。
まとめ
エコキュートと蓄電池の連携は、光熱費の大幅な削減を実現する有効な手段です。
適切な容量選択と効率的な運用により、最大限の効果を引き出すことができます。
【導入のメリット】
- 年間15万円以上の光熱費削減可能
- 災害時の生活維持に貢献
- 環境負荷の低減に寄与
【重要な検討ポイント】
- 世帯人数に応じた機器選定
- 補助金制度の活用
- 設置場所の適切な選択
- 運用方法の工夫
導入を検討される場合は、専門家に相談しながら、自身の生活スタイルに合った選択をすることをおすすめします。
初期費用は決して安くありませんが、長期的な視点で見れば、十分な投資価値があるといえるでしょう。
これからのエネルギー価格の上昇を考えると、早めの導入検討が賢明な選択となるかもしれません。
この記事を書いた人
TRENDLINE編集部
TRENDLINE編集部
Contact
お問い合わせ
各自治体で補助金が使えるケースがございますので、
詳しくはお問い合わせください。