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お役立ちコラム

災害に備える蓄電池の活用法と注意点!役立つ蓄電池の選び方も解説

近年、地震や台風による大規模な停電被害が頻発しています。

2019年の台風15号では、千葉県を中心に最大約93万戸が停電し、復旧までに2週間以上かかった地域もありました。

このような事態に備えて、家庭用蓄電池の導入を検討する方が増えています。

蓄電池の災害時活用メリット

災害による停電時、蓄電池があれば電気の心配をすることなく避難生活を送れます。

冷蔵庫や照明といった生活必需品はもちろん、スマートフォンの充電も可能です。

情報収集や連絡手段を確保できる点は、命をつなぐライフラインとして重要な役割を果たします。

信頼性の高い電力確保

蓄電池システムは、停電を検知すると自動で自立運転モードに切り替わります。

手動での切り替え操作が不要なため、夜間の突然の停電時にも安心です。

また、電力会社の送電網から独立して稼働するため、安定した電力供給が可能です。

燃料管理が不要

発電機と比較して、蓄電池には大きな優位性があります。

ガソリンやガスといった燃料の備蓄が不要なため、保管場所の確保に悩む必要がありません。

また、燃料の定期的な入れ替えも不要なため、維持管理の手間やコストを抑えられます。

特にガソリンは消防法で保管量が制限されており、長期保存も難しい特徴があります。

静音での運転

蓄電池のもう1つの大きな特徴は、運転音がほとんどないことです。

エンジン発電機は稼働時に大きな音を発するため、深夜の使用は近隣への配慮が必要です。

 

一方、蓄電池は静かな住宅街でも気兼ねなく使用できます。

避難生活が長期化した場合でも、周囲に迷惑をかけることなく電力を確保できる点は大きなメリットといえます。

さらに、エンジン発電機は経年劣化により騒音が大きくなる傾向がありますが、蓄電池はそのような心配もありません。

家電製品への給電

災害時の蓄電池活用で重要なのは、どの家電製品にどれくらいの時間電力供給できるかを把握しておくことです。

蓄電池の容量と出力によって、使用可能な機器は大きく変わってきます。

対応可能な機器

 

一般的な家庭用蓄電池で使用できる主な電化製品は以下の通りです:

 

【主な家電製品の消費電力目安】

家電製品 消費電力
冷蔵庫 100W~300W
LED照明 20W~80W
テレビ 150W~500W
エアコン 300W~3,000W
電子レンジ 1,000W~1,400W

 

定格出力3kWの蓄電池であれば、複数の家電製品を同時に使用することが可能です。

ただし、エアコンやIH調理器など消費電力の大きな機器は、同時使用に注意が必要です。

使用可能時間の目安

一般的な容量5kWhの蓄電池を例に、使用可能時間の目安を見てみましょう。

 

以下は災害時の想定使用例です:

 

【使用例】 

  • 冷蔵庫(150W):24時間使用=3.6kWh 
  • LED照明2部屋(80W):5時間使用=0.4kWh 
  • テレビ(150W):3時間使用=0.45kWh 
  • スマートフォン充電(15W):4時間使用=0.06kWh

 

上記の使用例では1日あたりの消費電力量は約4.5kWhとなります。

つまり、5kWhの蓄電池であれば、必要最低限の電化製品を約1日使用できる計算になります。

太陽光発電と組み合わせれば、長期の停電にも対応可能です。

なお、これらは目安であり、実際の使用時間は機器の使い方や外気温などの環境要因によって変動することにご注意ください。

効果的な導入のポイント

災害時に蓄電池システムを最大限活用するには、適切な機種選択が不可欠です。

家族構成生活スタイルに合わせて、必要な機能を見極めましょう。

システム選びの基準

蓄電池の選定では、以下の3つの要素を重視します:

 

【主な検討項目】 

  • 蓄電容量(kWh)
  • 定格出力(kW) 
  • 負荷タイプ(特定/全負荷)

 

使用目的予算設置スペースなども含めて総合的に判断することが大切です。

蓄電容量の検討

蓄電容量は、停電時の備えとしてどれくらいの電力を確保したいかで決めます。

 

一般的な家庭用蓄電池の容量は以下の3タイプに分類されます:

 

【容量別の特徴】 

  • 小容量(4~6kWh):1日程度の必要最低限の電力確保 
  • 中容量(8~10kWh):2~3日分の基本的な電力確保 
  • 大容量(12kWh以上):長期の停電や複数の電化製品使用に対応

 

災害対策として導入する場合は、少なくとも4kWh以上の容量を推奨します。

世帯人数が多い家庭や、エアコンなど大型家電の使用を想定する場合は、より大きな容量を検討しましょう。

負荷タイプの選択

蓄電池システムには、特定負荷型全負荷型の2種類があります。

 

【特定負荷型の特徴】 

  • 必要な場所にのみ電力を供給 
  • 設置コストを抑えられる 
  • 電力を効率的に使用できる 
  • 工事が比較的シンプル

 

【全負荷型の特徴】 

  • 家中のコンセントで電力使用可能 
  • 200V機器にも対応可能 
  • より快適な避難生活を実現 – 将来の機器追加に柔軟対応

 

特定負荷型は、冷蔵庫やリビングなど必要最低限の電力確保に適しています。

全負荷型は、より自由度の高い電力使用が可能ですが、その分コストは上がります。

選択の際は、普段の生活災害時の想定予算などを考慮して判断することをおすすめします。

太陽光発電との連携

蓄電池システムは、太陽光発電と組み合わせることで、より強固な災害対策となります。

停電時でも発電した電力を蓄電池に充電できるため、電力を持続的に確保できます。

長期停電への対応

過去の災害では、復旧までに2週間以上かかったケースもあります。

太陽光発電との連携により、以下のような電力確保が可能になります:

 

【停電時の電力確保サイクル】

  • 昼間:太陽光発電の電力を直接使用 
  • 余剰時:蓄電池への充電 
  • 夜間:蓄電池の電力を使用 – 悪天候:節電モードで対応

 

天候に左右されるものの、計画的な電力使用により、長期停電にも対応できます。

実際の災害時には、このサイクルを活用して電力を確保した家庭も多く報告されています。

充電効率の向上

太陽光発電と蓄電池の連携では、充電効率を高める工夫も重要です。

 

以下のポイントに注意して運用することで、より効率的な電力確保が可能になります:

 

【充電効率を高めるポイント】 

  • 天気予報による充電計画の調整 
  • 時間帯による使用電力の配分
  • AIによる充放電の最適化 
  • 季節ごとの発電量変動への対応

 

最新の蓄電池には、AI制御機能が搭載されているものも多くあります。

天候情報を自動で取得し、充電タイミングを最適化するシステムで、より効率的な電力確保を実現します。

一般的な晴天時の発電効率を100%とすると、曇り時は40~60%、雨天時は10~20%程度まで低下するため、このような制御が重要になります。

蓄電池単体と比べて、太陽光発電との連携により、より安定した非常用電源として機能させることができます。

導入支援制度の活用

蓄電池の導入には、国や地方自治体からさまざまな支援制度があります。

補助金制度を活用することで、初期費用を大幅に抑えることができます。

各種補助金の概要

2024年度における主な補助金制度は以下の通りです:

 

【国の補助金制度】 

こどもエコすまい支援事業 

補助額 64,000円/戸 
対象 子育て世帯・若者夫婦世帯

 

電力需給ひっ迫等対応補助金 
補助額 最大60万円 
容量別の補助 3.2万円/kWh

 

 DER補助金(分散型エネルギー) 
補助額 機器費用の1/3 
条件 HEMS導入で追加5万円

 

 

地方自治体による補助金も用意されており、国の制度併用できる場合があります。

申請時の注意点

補助金の申請では、以下の点に特に注意が必要です:

 

【重要なチェックポイント】 

  • 申請期限の確認 
  • 予算額の残高確認 
  • 対象製品の確認 
  • 工事事業者の選定 
  • 申請書類の準備

 

補助対象製品は事前に登録された機種に限定されるため、購入前に確認が必要です。

予算枠には限りがあり、申請期間内でも予算切れで終了することがあります。

工事を依頼する事業者は、補助金の申請手続きに精通した登録事業者を選びましょう。

まとめ

災害時における蓄電池の活用は、安心な在宅避難を実現する重要な選択肢です。

太陽光発電との連携適切な容量選択により、より効果的な備えが可能です。

 

導入時には以下の点を意識しましょう:

 

【導入のポイント】 

  • 必要な電力量の把握 
  • 使用したい機器の確認 
  • 負荷タイプの選択 
  • 補助金制度の活用 
  • 信頼できる施工業者の選定

 

さらに、定期的な動作確認使用方法の確認も忘れずに行いましょう。

いざという時のために、家族全員で使用手順を共有しておくことをおすすめします。

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