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お役立ちコラム

太陽光発電の撤去費用の相場と安く抑えるコツ

太陽光発電システムの設置を検討している方の中には、将来的な撤去費用について不安を感じている人も多いのではないでしょうか。 実は太陽光パネルの取り外し費用は、設置規模や業者によって大きく異なり、住宅用では10万円から15万円、産業用では80万円から100万円程度が相場となっています。 しかし、正しい知識と効果的な方法を知っていれば、これらの費用を大幅に抑えることも可能です。

本記事では、太陽光発電の撤去費用の相場から、費用を安く抑えるための具体的な方法、そして撤去に関する重要な注意点まで、詳しく解説していきます。 特に、複数の業者から見積もりを取ることや、リサイクル・中古販売の活用、国の制度の利用など、実践的なコツを紹介します。 また、自分で撤去することの危険性や、法的な処罰についても触れていきますので、安全かつ経済的に太陽光発電を撤去するための参考にしてください。

太陽光発電の撤去費用の相場

 

太陽光発電の撤去費用は、設置規模によって大きく異なります。 一般的な住宅用から大規模な産業用まで、それぞれの費用相場を詳しく見ていきましょう。 また、なぜ規模によって価格が異なるのか、その理由についても解説します。

住宅用太陽光発電の撤去費用:10万円〜15万円程度

住宅用太陽光発電の撤去費用は、一般的に10万円から15万円程度が相場となっています。 これは、屋根に設置された太陽光パネル20枚程度(約4kWから5kW)の標準的なシステムを想定した金額です。 ただし、実際の費用は、パネルの枚数や屋根の形状、作業の難易度によって変動することがあります。

 

住宅用の撤去費用がこの程度に収まる理由として、以下のような点が挙げられます。

• 作業規模が比較的小さい
• 1日から2日程度で作業が完了する
• 特殊な重機を必要としないケースが多い
• 運搬するパネルの量が限られている

 

また、住宅用の場合は、屋根の修理や補修も同時に行うケースが多く、その場合は追加で5万円から10万円程度の費用がかかることもあります。 特に、パネルを撤去した後の屋根の防水処理は重要で、これを怠ると雨漏りの原因となるため、必ず専門業者に依頼することをお勧めします。 さらに、築年数が古い住宅や、屋根の状態が悪い場合は、追加の補修費用が必要になることもあるため、事前の見積もりでしっかりと確認しておきましょう。

産業用太陽光発電の撤去費用:80万円〜100万円程度

産業用太陽光発電の撤去費用は、80万円から100万円程度と、住宅用に比べて大幅に高くなります。 これは、太陽光パネル100枚程度(約50kW)の中規模システムを想定した金額ですが、実際には規模によってさらに大きく変動します。 例えば、メガソーラーと呼ばれる1,000kW以上の大規模発電所では、撤去費用が数千万円に達することも珍しくありません。

 

産業用の撤去費用が高くなる主な理由は以下の通りです。

項目 内容 費用への影響
作業規模 パネル枚数が100枚以上 人件費・作業日数の増加
特殊機材 クレーンや重機 機材レンタル費用
基礎撤去 コンクリート基礎の解体 解体・処分費用
原状回復 土地の整地作業 追加工事費用

 

さらに、産業用の場合は、電気設備の撤去も複雑になります。 パワーコンディショナーや変圧器、高圧受電設備など、専門的な知識を必要とする機器の撤去には、電気工事士の資格を持つ作業員が必要です。 また、撤去後の土地の利用方法によっては、基礎の撤去だけでなく、土壌の改良や整地作業も必要になるため、総額で200万円を超えるケースもあります。

設置規模によって価格が異なる

太陽光発電の撤去費用が設置規模によって異なるのには、明確な理由があります。 まず、最も大きな要因は、作業量の違いです。 住宅用の20枚程度のパネルと、産業用の100枚以上のパネルでは、単純に5倍以上の作業量の差があります。

 

規模による価格差の具体的な要因をまとめると以下のようになります。

• 作業員の人数:住宅用は2から3人、産業用は10人以上
• 作業日数:住宅用は1から2日、産業用は1週間以上
• 使用機材:住宅用は基本的な工具、産業用は重機が必要
• 運搬車両:住宅用は2tトラック1台、産業用は4tトラック複数台
• 安全対策:産業用はより厳格な安全管理が必要

 

また、規模が大きくなるほど、1枚当たりの撤去費用は割安になる傾向があります。 例えば、住宅用では1枚当たり5,000円から7,500円程度ですが、産業用では1枚当たり3,000円から5,000円程度に下がります。 これは、作業の効率化や機材のまとめて処理によるスケールメリットが働くためです。

太陽光発電の撤去にかかる費用の内訳

 

太陽光発電の撤去費用は、大きく分けて3つの項目で構成されています。 それぞれの内訳を詳しく理解することで、見積もりの妥当性を判断したり、費用を抑えるポイントを見つけたりすることができます。 ここでは、各項目の具体的な内容と費用の目安について解説していきます。

パネルの撤去費:10万円前後

パネルの撤去費は、太陽光発電撤去費用の中で最も大きな割合を占める項目です。 一般的な住宅用システムで10万円前後となり、これには作業員の人件費、安全対策費、作業に必要な機材費などが含まれています。 特に、屋根の上での作業は危険を伴うため、安全対策には十分な費用をかける必要があります。

 

撤去作業の具体的な内容は以下の通りです。

• 足場の設置(安全対策)
• 配線の切断・絶縁処理
• パネルの取り外し
• 架台(パネルを固定する金具)の撤去
• 屋根の防水処理 • 足場の解体・撤去

 

中でも、足場の設置費用は全体の30%から40%を占めることがあります。 足場の費用は1平方メートル当たり700円から1,000円が相場で、一般的な住宅では3万円から5万円程度かかります。 しかし、この安全対策を削ってしまうと、作業員の事故や屋根の破損など、より大きな損害につながる可能性があるため、必ず適切な足場を設置してもらいましょう。

また、パネルの撤去作業自体は、熟練した作業員であれば1日で完了することが多いですが、天候や屋根の状態によっては2日以上かかることもあります。 特に、雨天時は作業ができないため、梅雨時期や台風シーズンは工期が延びる可能性があることを考慮しておく必要があります。

運搬費:3万円前後

撤去した太陽光パネルや架台などの運搬費は、3万円前後が一般的な相場です。 この費用には、トラックのレンタル代、運転手の人件費、燃料費などが含まれています。 ただし、処理施設までの距離や、運搬する機材の量によって費用は変動します。

 

運搬費に影響する要因をまとめると以下のようになります。

要因 詳細 費用への影響
距離 処理施設までの往復距離 50km増加で約5,000円アップ
運搬量 パネル枚数と架台の重量 2tトラック追加で約25,000円
時期 繁忙期(3月〜4月) 通常期の1.2倍〜1.5倍
地域 都市部か地方か 地方は施設が遠く割高

 

重要なのは、太陽光パネルは産業廃棄物として扱われるため、一般の運送業者ではなく、産業廃棄物収集運搬業の許可を持つ業者でなければ運搬できないという点です。 無許可の業者に依頼してしまうと、法律違反となり、依頼者も責任を問われる可能性があります。 必ず、見積もり時に産業廃棄物収集運搬業の許可証を確認するようにしましょう。

また、運搬時の注意点として、パネルの破損を防ぐための適切な梱包や積み込み方法も重要です。 破損したパネルからは有害物質が流出する可能性があるため、専門知識を持った業者に依頼することが大切です。

処分費:3万円前後

太陽光パネルの処分費は、パネル1枚当たり1,200円から1,500円程度が相場で、20枚の場合は3万円前後となります。 この処分費には、パネルの解体・分別作業、有害物質の適正処理、リサイクル可能な部材の分離などが含まれています。 近年は、リサイクル技術の向上により、太陽光パネルの約95%がリサイクル可能となっており、環境負荷の低減にもつながっています。

 

処分プロセスの具体的な流れは以下の通りです。

• 受入検査(パネルの種類・状態の確認)
• 解体作業(アルミフレームの取り外し)
• ガラスの分離(表面ガラスの除去)
• 有害物質の処理(鉛・カドミウムなど)
• 素材別の分別(シリコン・銀・銅など)
• リサイクル処理(各素材の再資源化)

 

処分費用は、パネルの種類によっても異なります。 例えば、シリコン系のパネルは比較的処理しやすく安価ですが、化合物系のパネルは特殊な処理が必要なため、1.5倍から2倍の費用がかかることがあります。 また、パネルの劣化状態によっても費用が変動し、破損がひどい場合は追加料金が発生することもあります。

最近では、処分費用を抑えるために、リユース(中古販売)という選択肢も注目されています。 状態の良いパネルであれば、処分費用がかからないだけでなく、買取による収入も期待できるため、撤去前にリユースの可能性を検討することをお勧めします。

太陽光発電の撤去費を安く抑えるコツ

 

太陽光発電の撤去には、決して安くない費用がかかりますが、いくつかの方法を活用することで、大幅にコストを下げることが可能です。 ここでは、実践的で効果的な4つのコツを詳しく紹介していきます。 これらの方法を組み合わせることで、撤去費用を半額以下に抑えられるケースもあります。

複数の業者から見積もりをとる

 

撤去費用を安く抑える最も基本的で効果的な方法は、複数の業者から見積もりを取ることです。 太陽光発電の撤去費用は、業者によって2倍から3倍もの差が出ることがあり、1社だけの見積もりでは適正価格かどうか判断できません。 最低でも3社から4社、できれば5社以上から見積もりを取ることで、相場感を掴み、交渉の材料にすることができます。

 

見積もりを比較する際のポイントは以下の通りです。

• 作業内容の詳細(何が含まれているか)
• 使用する機材や人員の数 • 作業にかかる日数
• 保険や保証の有無 • 追加料金が発生する条件
• 産業廃棄物処理の許可の有無

 

見積もり依頼時には、必ず現地調査をしてもらいましょう。 電話やメールだけでの概算見積もりでは、実際の作業時に追加料金が発生するリスクがあります。 また、見積もりの内訳が不明確な業者や、極端に安い業者には注意が必要です。

 

見積もり項目 A社 B社 C社 確認ポイント
撤去作業費 10万円 8万円 12万円 作業内容の違い
運搬費 3万円 3.5万円 2.5万円 処理施設までの距離
処分費 3万円 4万円 2万円 リサイクル対応の有無
諸経費 1万円 0円 2万円 何が含まれるか
合計 17万円 15.5万円 18.5万円

 

さらに、他社の見積もりを提示することで、価格交渉も可能になります。 ただし、あまりに強引な値下げ交渉は、作業の質の低下につながる可能性があるため、適正な範囲での交渉に留めることが大切です。

リサイクルに出す

 

太陽光パネルのリサイクルは、処分費用を大幅に下げる効果的な方法です。 現在の技術では、太陽光パネルの約95%がリサイクル可能となっており、ガラス、アルミフレーム、シリコン、銀、銅などの貴重な資源として再利用されています。 リサイクルを選択することで、通常の処分費用3万円が1万円から1.5万円程度まで削減できることがあります。

 

リサイクルのメリットと具体的な流れは以下の通りです。

• 処分費用の削減(50%から70%オフ)
• 環境負荷の低減 • 資源の有効活用
• 企業のCSR活動への貢献

 

リサイクル業者を選ぶ際は、太陽光発電協会(JPEA)が推進する適正処理・リサイクルの認定を受けた業者を選ぶことが重要です。 これらの業者は、有害物質の適切な処理技術を持ち、高いリサイクル率を実現しています。 また、リサイクル証明書を発行してもらうことで、適正に処理されたことを確認できます。

ただし、すべてのパネルがリサイクルに適しているわけではありません。 破損がひどいパネルや、製造から20年以上経過した古いタイプのパネルは、リサイクルが困難な場合があります。 事前に業者に相談し、リサイクル可能かどうか確認しておくことが大切です。

中古販売をする

 

状態の良い太陽光パネルは、中古市場で販売することができ、撤去費用を相殺するだけでなく、利益を得られる可能性もあります。 特に、国内メーカー製で10年以内のパネルは需要が高く、1枚当たり5,000円から10,000円で買い取ってもらえることがあります。 20枚のパネルすべてが買取対象となれば、10万円から20万円の収入となり、撤去費用を上回ることも珍しくありません。

 

中古販売の方法には2種類あります。

販売方法 メリット デメリット 向いているケース
買取 すぐに現金化できる 価格が安い傾向 急いで処分したい
仲介 高値で売れる可能性 時間がかかる 時間に余裕がある

 

買取価格に影響する要因は以下の通りです。

• メーカーと型番(国内メーカーが有利)
• 使用年数(10年以内が理想)
• 発電効率の低下率(年1%以内)
• 外観の状態(ひび割れ、変色の有無)
• 付属品の有無(保証書、取扱説明書)

 

中古販売を成功させるためには、日頃からのメンテナンスが重要です。 定期的な清掃や点検を行い、発電量のデータを記録しておくことで、買取査定時に有利になります。 また、複数の買取業者に査定を依頼し、最も高い価格を提示した業者を選ぶことも大切です。

国の制度を利用する

 

2022年7月から始まった「廃棄費用積立制度」は、10kW以上のFIT認定を受けた産業用太陽光発電が対象となる制度です。 この制度では、売電収入の一部が自動的に積み立てられ、撤去時に積立金を受け取ることができます。 積立金額はFIT価格の3%から4%程度で、20年間の積立総額は撤去費用の大部分をカバーできる設計となっています。

 

積立制度の詳細は以下の通りです。

• 対象:10kW以上のFIT認定発電所(住宅用除く)
• 積立期間:FIT期間終了の10年前から
• 積立方法:売電収入から源泉徴収
• 積立金額:FIT価格により異なる(40円/kWhなら1.62円/kWh)
• 取戻し条件:廃棄または解体時

 

例えば、50kWの発電所で年間発電量が50,000kWhの場合、年間の積立額は約8万円となります。 10年間で80万円が積み立てられ、産業用の撤去費用の大部分を賄うことができます。 ただし、この制度は住宅用(10kW未満)には適用されないため、注意が必要です。

また、自治体によっては、太陽光発電の撤去に対する補助金制度を設けているところもあります。 老朽化した設備の撤去や、災害で破損した設備の撤去などが対象となることが多く、撤去費用の30%から50%を補助してもらえる場合があります。 お住まいの自治体のホームページや窓口で、利用可能な制度がないか確認してみましょう。

太陽光発電の撤去手順

 

太陽光発電の撤去は、専門的な知識と技術を必要とする作業です。 安全かつ確実に撤去を行うためには、正しい手順を踏むことが重要です。 ここでは、業者への連絡から撤去完了まで、3つのステップに分けて詳しく解説していきます。

①太陽光発電を撤去できる専門業者に連絡する

 

太陽光発電の撤去を決めたら、まず最初に行うべきは、信頼できる専門業者を探して連絡することです。 太陽光パネルには鉛やカドミウムなどの有害物質が含まれているため、産業廃棄物として適切に処理する必要があり、専門的な知識と資格を持った業者でなければ対応できません。 個人で撤去しようとすると、法律違反となるだけでなく、感電や落下などの重大な事故につながる危険性があります。

 

業者選びの重要なポイントは以下の通りです。

• 産業廃棄物収集運搬業の許可を持っているか
• 電気工事士の資格者が在籍しているか
• 太陽光発電の撤去実績が豊富か(100件以上が理想)
• 損害保険に加入しているか
• 見積もりが明確で追加料金の説明があるか

 

業者を探す方法としては、インターネットでの検索、太陽光発電を設置した業者への相談、知人からの紹介などがあります。 特に、「産業廃棄物処理業許可行政情報検索システム」を利用すれば、正規の許可を持った業者を確認できます。 また、複数の業者に問い合わせをする際は、同じ条件を伝えて比較しやすくすることが大切です。

連絡時に伝えるべき情報: • 太陽光パネルの枚数とメーカー名 • 設置年月と使用年数 • 屋根の種類(瓦、スレート、金属など) • 撤去希望時期 • 撤去理由(故障、建て替え、売却など) • 現在の発電状況

②費用の見積もりをとる

 

業者への連絡が済んだら、次は詳細な見積もりを取る段階です。 正確な見積もりを得るためには、必ず現地調査をしてもらうことが重要です。 写真や電話だけでの見積もりでは、実際の作業時に想定外の追加費用が発生するリスクがあります。

 

見積もり時に確認すべき項目を表にまとめました。

確認項目 詳細内容 注意点
作業内容 撤去、運搬、処分の詳細 含まれない作業を確認
作業日数 開始から完了までの期間 天候による延期の扱い
人員体制 作業員の人数と資格 有資格者の有無
使用機材 足場、クレーンなど レンタル費用の内訳
保証内容 作業中の事故・破損 保険の適用範囲
支払条件 前払い、後払い、分割 追加費用の扱い

 

見積もりは、最低でも3社以上から取ることをお勧めします。 価格だけでなく、作業内容や保証内容もしっかりと比較検討しましょう。 極端に安い見積もりを提示する業者は、後から追加料金を請求してきたり、不適切な処分をしたりする可能性があるため注意が必要です。

また、見積もり書は必ず書面でもらい、内容をよく確認してから契約しましょう。 口約束だけでは、トラブルが発生した際に対応が困難になります。 不明な点があれば、遠慮なく質問し、納得できるまで説明を求めることが大切です。

③撤去してもらう

見積もりに納得し、業者を決定したら、いよいよ撤去作業の実施です。 作業当日は、立ち会いが必要な場合が多いため、スケジュールを調整しておきましょう。 撤去作業は、天候に左右されやすいため、予備日も含めて日程を組むことが重要です。

 

撤去作業の一般的な流れは以下の通りです。

• 作業前の最終確認(作業内容、注意事項)
• 安全対策の実施(足場設置、養生)
• 電気系統の遮断(感電防止)
• パネルの取り外し(慎重に1枚ずつ)
• 架台・配線の撤去
• 屋根の補修・防水処理
• 清掃・片付け
• 作業完了の確認

 

作業中は、安全のため作業エリアには近づかないようにしましょう。 また、撤去したパネルや機材が適切に梱包・運搬されているか確認することも大切です。 作業完了後は、屋根の状態を一緒に確認し、問題がないかチェックしてください。

 

撤去完了後に受け取るべき書類:
• 作業完了報告書
• 産業廃棄物管理票(マニフェスト)
• 処分証明書
• 請求書・領収書

 

これらの書類は、適正に処分されたことを証明する重要な書類ですので、大切に保管しておきましょう。 特に、産業廃棄物管理票は、5年間の保管義務があります。

太陽光発電の撤去が必要となるケース

 

太陽光発電システムは、一度設置すれば永久に使えるものではありません。 様々な理由により、撤去が必要となるケースがあります。 ここでは、代表的な4つのケースについて、それぞれの特徴と対処方法を詳しく解説していきます。

故障や寿命

 

太陽光発電システムの一般的な寿命は20年から30年と言われていますが、10年から15年を経過すると、様々な不具合が発生しやすくなります。 パネル自体の劣化だけでなく、パワーコンディショナーや配線などの周辺機器の故障も、システム全体の性能低下につながります。 発電量が著しく低下したり、修理費用が高額になったりする場合は、撤去を検討する時期と言えるでしょう。

 

故障や劣化の主なサインは以下の通りです。

• 発電量が設置当初の70%以下に低下
• パネル表面のひび割れや変色
• ホットスポット(部分的な高温化)の発生
• パワーコンディショナーの頻繁な故障
• 配線の劣化や接続不良
• 異音や異臭の発生

これらの症状が複数見られる場合は、専門業者による点検を受けることをお勧めします。 特に、発電量の推移を記録しておくことで、劣化の進行状況を客観的に判断できます。 年間発電量が前年比で5%以上低下している場合は、何らかの不具合が発生している可能性が高いです。

 

修理か撤去かの判断基準:

状況 修理 撤去
使用年数 10年未満 15年以上
故障箇所 一部のみ 複数箇所
修理費用 50万円未満 50万円以上
発電効率 80%以上 70%未満

住宅リフォームや建て替え

 

住宅のリフォームや建て替えは、太陽光発電を撤去する代表的なケースです。 屋根の葺き替えや大規模な改修工事を行う場合、太陽光パネルが作業の妨げになるため、一時的または永久的な撤去が必要となります。 この場合、撤去後に再設置するか、そのまま撤去するかを事前に決めておくことが重要です。

 

リフォーム時の選択肢と費用の目安は以下の通りです。

• 一時撤去して再設置:撤去費15万円+再設置費20万円
• 新しいシステムに交換:撤去費15万円+新規設置費100万円〜
• 撤去のみ:撤去費15万円+屋根補修費5万円〜

 

一時撤去して再設置する場合は、パネルの保管場所や保管期間中の劣化リスクも考慮する必要があります。 また、10年以上使用したシステムの場合は、再設置するよりも最新のシステムに交換した方が、長期的にはメリットが大きいことがあります。 最新のパネルは発電効率が向上しており、同じ面積でもより多くの電力を生み出すことができます。

建て替えの場合は、新築時に太陽光発電を組み込むかどうかも検討しましょう。 新築時に設置すれば、屋根の設計段階から最適な配置を計画でき、より効率的なシステムを構築できます。 また、住宅ローンに組み込むことで、初期費用の負担を軽減することも可能です。

災害による破損

 

地震、台風、雷、雪害などの自然災害により、太陽光パネルが破損するケースは少なくありません。 特に、2024年の能登半島地震では、多くの住宅で太陽光パネルの落下や破損が報告されました。 災害による破損は、予期せぬタイミングで発生するため、緊急対応が必要となります。

 

災害別の被害パターンと対応方法:

• 地震:パネルの落下、架台の変形
• 台風:飛来物によるパネル破損、架台の倒壊
• 雷:システム全体の電気的損傷
• 雪害:積雪によるパネルの圧壊、落雪
• 雹(ひょう):パネル表面のひび割れ

 

災害で破損した太陽光パネルは、見た目に問題がなくても内部で断線していたり、有害物質が漏れ出したりする危険性があります。 絶対に素手で触らず、専門業者に連絡して対応してもらいましょう。 また、破損したパネルでも日光が当たれば発電する可能性があるため、感電の危険性があります。

 

災害時の対応手順:

  1. 安全確認(二次災害の防止)
  2. 写真撮影(保険請求用)
  3. 電力会社への連絡(売電停止)
  4. 専門業者への連絡(安全措置)
  5. 保険会社への連絡(補償確認)
  6. 撤去・修理の実施

 

多くの場合、火災保険や住宅総合保険で太陽光発電の災害被害もカバーされています。 ただし、保険の適用範囲や免責事項を事前に確認しておくことが大切です。

FIT期間の終了

固定価格買取制度(FIT)の期間終了は、太陽光発電の撤去を検討する大きな転機となります。 住宅用は10年間、産業用は20年間の買取期間が終了すると、売電価格が大幅に下落します。 例えば、40円/kWhで売電していたものが、8円/kWh程度まで下がることもあり、経済的メリットが大きく減少します。

 

FIT終了後の選択肢と特徴:

選択肢 メリット デメリット 適している人
継続使用 追加投資不要 売電収入激減 自家消費中心
蓄電池導入 自家消費率向上 初期投資必要 災害対策重視
撤去 維持費不要 撤去費用発生 高齢者世帯
設備更新 最新技術導入 高額投資 長期利用予定

 

FIT期間終了前に検討すべきポイント:
• 現在の発電量と自家消費率
• 蓄電池導入のコストパフォーマンス
• 今後の電気料金の見通し
• 住宅の使用予定年数
• メンテナンス費用の推移

 

多くの専門家は、FIT終了後も自家消費をメインに継続使用することを推奨しています。 電気料金の上昇傾向を考えると、自家発電による電気代削減効果は今後も期待できます。 ただし、設備の老朽化が進んでいる場合や、メンテナンス費用が高額になっている場合は、撤去も合理的な選択と言えるでしょう。

太陽光発電の撤去に関する注意点

 

太陽光発電の撤去には、法律や制度に関わる重要な注意点があります。 これらを知らずに撤去を進めると、思わぬトラブルや法的な問題に巻き込まれる可能性があります。 ここでは、特に重要な3つの注意点について詳しく解説していきます。

自分で撤去・廃棄するのはNG

太陽光パネルの自己撤去は、絶対に行ってはいけません。 費用を節約しようと考える方もいるかもしれませんが、法律違反となるだけでなく、重大な事故につながる危険性があります。 太陽光パネルには鉛、カドミウム、セレンなどの有害物質が含まれており、不適切な取り扱いは環境汚染や健康被害を引き起こす可能性があります。

 

自己撤去が危険な理由:

• 感電リスク(パネルは日光で常に発電)
• 落下事故(高所作業の危険)
• 有害物質の露出(破損時の健康被害)
• 屋根の損傷(防水機能の破壊)
• 法律違反(産業廃棄物処理法)

 

実際に起きた事故事例:
• 個人撤去中の感電による重傷事故
• パネル落下による通行人への被害
• 不適切な廃棄による土壌汚染
• 屋根の防水処理ミスによる雨漏り被害

 

専門業者が撤去作業を行う際は、以下のような安全対策を実施しています。

 

安全対策 内容 個人では困難な理由
電気遮断 専用機器で完全遮断 知識・機材不足
落下防止 安全帯・足場設置 設備投資が高額
有害物質対策 防護服・専用容器 取扱資格が必要
廃棄物処理 適正ルートで処分 許可業者のみ可能

 

また、万が一事故が発生した場合、個人では損害賠償責任を負うことになります。 専門業者であれば、損害保険に加入しているため、事故時の補償も確保されています。 撤去費用を節約しようとして、結果的により大きな損失を被ることのないよう、必ず専門業者に依頼しましょう。

一部の太陽光発電の廃棄費用積立制度が義務化

 

2022年7月から、10kW以上の産業用太陽光発電を対象に、廃棄費用積立制度が義務化されました。 この制度は、FIT認定を受けた発電所が対象で、将来の廃棄費用を計画的に積み立てることで、放置や不法投棄を防ぐことを目的としています。 売電収入から自動的に積立金が源泉徴収される仕組みで、発電事業者の意思に関わらず強制的に実施されます。

 

積立制度の詳細内容:

• 対象設備:10kW以上のFIT認定発電所(住宅用除く)
• 積立開始:FIT期間終了の10年前から
• 積立方法:外部積立(売電収入から源泉徴収)
• 積立金額:FIT価格により変動(下表参照)
• 取戻条件:廃棄・解体の実施時

 

FIT価格別の積立金額(1kWhあたり):

FIT価格 積立金額 積立率
40円 1.62円 4.05%
36円 1.40円 3.89%
32円 1.28円 4.00%
24円 1.09円 4.54%
18円 0.80円 4.44%

 

例えば、50kWの発電所で年間発電量が50,000kWh、FIT価格が36円の場合、年間の積立額は7万円(50,000kWh × 1.40円)となります。 10年間で70万円が積み立てられ、廃棄時にこの資金を活用できます。

なお、一定の条件を満たす事業者は、内部積立も選択可能です。 内部積立の条件は厳しく、財務状況の健全性や長期的な事業計画の提出が求められます。 多くの中小規模の発電事業者は、外部積立となることが予想されます。

間違った方法で処分すると処罰の対象になる

 

太陽光パネルを不適切に処分した場合、廃棄物処理法違反として厳しい処罰の対象となります。 個人が勝手に廃棄したり、無許可の業者に処分を依頼したりすると、5年以下の懲役もしくは1,000万円以下の罰金、またはその両方が科される可能性があります。 法人の場合は、さらに重い3億円以下の罰金が科されることもあります。

 

違法行為の具体例と罰則:

• 不法投棄:山林や空き地への投棄
• 不適正保管:自宅敷地内での長期放置
• 無許可業者への委託:処理業許可のない業者への依頼
• 虚偽報告:マニフェストの偽造や虚偽記載
• 不適正処理:一般ごみとしての廃棄

 

実際の摘発事例:
• 2023年:個人が山林に20枚のパネルを不法投棄(罰金100万円)
• 2022年:無許可業者が300枚を不適正処理(懲役2年執行猶予)
• 2021年:解体業者が建設廃材と混ぜて処分(罰金500万円)

 

適正な処分を確保するためのチェックポイント:

確認項目 確認方法 重要度
業者の許可 許可証の確認 必須
マニフェスト 交付と返送確認 必須
処分先 施設の確認 重要
処理方法 適正処理の証明 重要
保管義務 5年間の書類保管 必須

 

産業廃棄物管理票(マニフェスト)は、廃棄物の流れを追跡する重要な書類です。 排出事業者(撤去を依頼した人)にも、交付義務と保管義務があります。 業者から受け取ったマニフェストは、5年間保管しなければなりません。

また、太陽光パネルは「金属くず」「ガラスくず」「廃プラスチック類」の混合物として産業廃棄物に分類されます。 これらを適正に処理できる許可を持った業者でなければ、取り扱うことができません。 撤去業者を選ぶ際は、必ず産業廃棄物収集運搬業と処分業の許可を確認しましょう。

まとめ

 

太陽光発電の撤去費用は、住宅用で10万円から15万円、産業用で80万円から100万円が相場となっていますが、様々な方法で費用を削減することが可能です。 複数業者からの見積もり取得、リサイクルや中古販売の活用、国の積立制度の利用など、本記事で紹介した方法を組み合わせることで、撤去費用を大幅に抑えることができます。

撤去を検討する際は、故障や寿命、リフォーム、災害、FIT期間終了など、それぞれの状況に応じた適切なタイミングで判断することが重要です。 特に、安全面と法的な観点から、必ず専門業者に依頼し、産業廃棄物として適正に処理することを忘れないでください。 自己撤去は絶対に避け、5年以下の懲役や1,000万円以下の罰金といった重い処罰を受けるリスクを回避しましょう。

太陽光発電は、環境に優しいクリーンエネルギーとして普及してきましたが、適切な撤去と処分も環境保護の一環です。 本記事の情報を参考に、経済的かつ環境に配慮した撤去を実現し、次世代により良い環境を引き継いでいきましょう。 撤去は終わりではなく、新たなスタートへの第一歩と考え、前向きに取り組んでいただければ幸いです。

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