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お役立ちコラム

卒FITとは?売電価格の変化と蓄電池での対策を解説

ご自宅の屋根にのっている太陽光発電。

その売電契約には、じつは「期限」があることをご存じでしょうか。

太陽光発電を設置してから10年が経つと、多くのご家庭が「卒FIT」と呼ばれる状態を迎えます。

そして卒FITを境に、これまで高い価格で買い取ってもらえていた電気の単価が、半分以下にまで下がってしまうケースもめずらしくありません。

「いつのまにか期間が終わっていて、気づかないうちに損をしていた」

そんな声も、じつはとても多いのです。

とはいえ、卒FITはけっして「こわいもの」ではありません。

正しく仕組みを知り、自分にあった対策を選べば、卒FIT後もかしこく電気とつきあっていけます。

この記事では、「卒FITとは何か」という基本から、売電価格のリアルな変化、そして蓄電池をはじめとする具体的な対策まで、はじめての方にもわかりやすく解説していきます。

ご自宅の太陽光発電を、これからも無駄なく活かしていくために。

ぜひ最後まで読み進めてみてください。

目次

卒FITとは?FIT制度の基本と仕組み

卒FITを理解するためには、まず「FIT制度」そのものを知っておく必要があります。

ここでは、制度のなりたちから、卒FITが意味するもの、そして似た名前の「FIP制度」との違いまでを順番にみていきましょう。

この章を読めば、「卒FITとは結局どういう状態なのか」がすっきりと理解できるはずです。

FIT制度(固定価格買取制度)のおさらい

FIT制度とは、「再生可能エネルギーの固定価格買取制度」のことを指します。

英語の「Feed-in Tariff(フィード・イン・タリフ)」の頭文字をとって、FIT(フィット)と呼ばれています。

かんたんにいえば、太陽光や風力などの再生可能エネルギーでつくった電気を、電力会社が「決まった価格」で「決まった期間」買い取ってくれる仕組みです。

この制度は、2009年11月にスタートした「太陽光余剰電力買取制度」を前身として、2012年に正式にはじまりました。

目的は、なかなか普及が進まなかった再生可能エネルギーを、国全体で一気に広げていくことにあります。

買い取りにかかる費用は、「再エネ賦課金」というかたちで、電気を使うすべての人がすこしずつ負担するしくみになっています。

ここで大切なのが、買い取ってもらえる「期間」が、設備の大きさによって決まっているという点です。

具体的には、つぎのように分かれています。

設備の区分 主な対象 買取期間
10kW未満 一般家庭の住宅用太陽光 10年間
10kW以上 工場や事業所などの産業用太陽光 20年間

つまり、一般のご家庭にある住宅用太陽光発電(10kW未満)の場合、固定価格で買い取ってもらえるのは「設置から10年間」だけということになります。

この10年のあいだは、市場の動きに左右されることなく、安定した収入を見込めるのが大きな魅力です。

卒FITが意味すること(買取期間終了後の状態)

では、いよいよ本題です。

卒FITとは、このFIT制度による「固定価格での買い取り期間」が満了することを指します。

「FITを卒業する」という意味から、卒FIT(そつフィット)と呼ばれるようになりました。

住宅用太陽光発電の買取期間は10年間ですから、2009年から2019年にかけて制度を利用しはじめた設備が、2019年以降つぎつぎと卒FITを迎えています。

資源エネルギー庁の資料によると、卒FITを迎えた住宅は2023年までに累計でおよそ165万件にのぼり、その後も毎年20万件から30万件ずつ増え続けています。

ここで多くの方が気になるのが、「卒FITになると、もう売電できなくなるの?」という疑問でしょう。

結論からいえば、卒FIT後も売電そのものは続けられます。

ただし、これまでのような高い固定価格ではなく、各電力会社が独自に設定した、ずっと低い価格での買い取りに切りかわってしまうのです。

「電気が売れなくなる」のではなく、「売れる値段が大きく下がる」と理解しておきましょう。

なお、太陽光パネルそのものの寿命は20年から30年以上ともいわれています。

買取期間が終わったあとも、発電能力はしっかり残っているため、つくった電気をどう活かすかがこれからのテーマになります。

FIT制度とFIP制度の違い

FIT制度について調べていると、よく似た名前の「FIP制度」を目にすることがあります。

混同しやすいので、ここで違いをはっきりさせておきましょう。

FIP制度とは、「Feed-in Premium(フィードインプレミアム)」の略で、2022年度からはじまった市場連動型の制度です。

FITが「決まった価格でかならず買い取る」仕組みなのに対して、FIPは「電力市場で売った価格に、プレミアム(補助額)を上乗せする」仕組みになっています。

つまり、FIPでは売る相手が電力会社ではなく、卸電力取引市場や相対取引が中心です。

そのため、売電価格はその時々の市場の需要と供給によって変動します。

ふたつの制度の特徴を、表で整理してみましょう。

比較項目 FIT制度 FIP制度
開始時期 2012年 2022年度
売る相手 電力会社 電力市場(卸電力取引市場など)
価格の決まり方 固定価格 市場価格+プレミアム
収入の見通し 立てやすい 市場しだいで変動する
主な対象 中小規模の設備 大規模な設備(250kW以上は原則FIPのみ)

ポイントを整理すると、FITは収入の見通しが立てやすく、FIPは市場をうまく読めば収益を伸ばせる可能性があるという違いになります。

一般のご家庭の住宅用太陽光は、これまでどおりFIT制度が中心です。

一方で、大規模な発電をおこなう事業者ほど、FIPへの移行が進んでいると覚えておくとよいでしょう。

卒FIT後の売電価格はどうなる?

卒FITでもっとも気になるのが、「売電価格はいくらになるのか」という点ではないでしょうか。

ここでは、FIT期間中と卒FIT後の単価を具体的な数字で比較し、電力会社ごとの傾向や、新しい買い取りサービスまでをくわしくみていきます。

実際の数字を知ることで、「このまま何もしないと、どれくらい損なのか」がはっきり見えてきます。

FIT期間中と卒FIT後の買取単価の比較

まずは、FIT期間中の売電価格を確認しましょう。

経済産業省・資源エネルギー庁の資料によると、住宅用太陽光(10kW未満)の買取価格は、年々下がってきています。

2025年度の上半期(4月から9月)には、1kWhあたり15円という水準でした。

そして注目すべきは、2025年10月から制度が大きく変わった点です。

2026年度に向けた新しい価格設定では、運転開始からの最初の4年間は1kWhあたり24円、その後の6年間は8.3円という、2段階のしくみが導入されました。

最初の数年で投資を早く回収できるよう、序盤を手厚くする狙いがあります。

10年間を平均すると、およそ14.58円ほどになる計算です。

これに対して、卒FITを迎えたあとの売電価格は、一気に水準が下がります。

大手電力会社の場合、1kWhあたり7円から9円程度が相場となっています。

FIT期間中とくらべると、おおよそ半分ほどの単価です。

両者の違いを、表で確認してみましょう。

区分 1kWhあたりの売電価格の目安
FIT期間中(2025年度上半期) 約15円
FIT新制度(最初の4年間) 約24円
FIT新制度(5年目以降) 約8.3円
卒FIT後(大手電力会社) 約7円〜9円

たとえば、年間に4,000kWhの余剰電力を売電しているご家庭を考えてみましょう。

売電単価が15円であれば年間60,000円ですが、8円に下がると年間32,000円になります。

その差は、1年でおよそ28,000円。

何も対策をしないままだと、毎年これだけの差が積み重なっていくことになります。

電力会社ごとの買取価格の傾向

卒FIT後の売電価格は、どこと契約するかによって大きく変わります。

これは、固定価格で買い取る義務がなくなり、各社が自由に単価を決められるようになるためです。

大きな傾向として、大手電力会社よりも、新電力と呼ばれる新しい電気事業者のほうが、高い価格を提示しているケースが目立ちます。

実際の比較サイトの情報をみると、大手電力会社が7円から9円程度であるのに対し、新電力では条件しだいで14円台まで提示している会社もあります。

東京電力エリアの例では、市場連動型のサービスが14円台前半、京葉ガスのプランが13円台といった水準が確認できます。

さらに見逃せないのが、「セット契約」による上乗せです。

ある新電力では、電気の契約や蓄電池の契約をあわせて結ぶと、買取単価が1kWhあたり1円から2円アップするプランも用意されています。

地域ごとの傾向を、ざっくり整理してみましょう。

  • 大手電力会社:手続きがらくで安心感はあるが、単価は7円〜9円と低め
  • 新電力(単独契約):会社しだいで10円〜14円台と高めの単価が狙える
  • 新電力(セット契約):電気や蓄電池とのセットで、さらに1円〜2円の上乗せも

ただし、高い単価のプランには、対応エリアが限られていたり、契約期間や解約条件が設定されていたりする場合があります。

単価の高さだけで飛びつかず、契約条件までしっかり確認することが、後悔しないためのコツです。

市場連動型買取サービスという選択肢

近年ふえているのが、「市場連動型」と呼ばれる買い取りサービスです。

これは、JEPX(日本卸電力取引所)の取引価格に連動して、売電単価が変わるしくみになっています。

固定単価のプランが「いつ売っても同じ値段」なのに対して、市場連動型は「売る時間帯や時期によって値段が動く」のが特徴です。

電気が足りなくなって市場価格が高くなる時間帯には、固定価格よりも高く売れる可能性があるのが大きな魅力です。

一方で、市場が落ちついている時期には、単価が下がってしまうこともあります。

つまり、市場連動型は「収益のチャンスがある半面、変動のリスクもある」選択肢といえます。

メリットとデメリットを整理してみましょう。

観点 市場連動型の特徴
メリット 価格が高い時間帯にうまく売れれば、固定型より収入が増える可能性がある
メリット 市場のトレンドにあわせて、収益の向上が見込める
デメリット 市場価格が下がる時期は、収入も少なくなる
デメリット 毎月の収入が読みにくく、見通しが立てづらい

「すこしでも売電収入を高めたい」「価格の変動を前向きに楽しめる」という方には、検討する価値のある選択肢です。

多くの会社が事前のシミュレーションを用意しているので、まずは試算してみるとよいでしょう。

卒FIT後に取るべき主な選択肢

卒FITを迎えたあと、わたしたちにはいくつかの道があります。

ここでは、代表的な4つの選択肢を、それぞれのメリットと注意点を交えながら紹介します。

自分の暮らし方にあった選択肢を見つけることが、卒FIT対策のいちばんのポイントです。

選択肢1:現在の電力会社でそのまま売電を続ける

もっとも手間がかからないのが、いまの電力会社とそのまま契約を続ける方法です。

多くの場合、卒FIT後は契約が自動的に継続されるしくみになっているため、特別な手続きをしなくても売電そのものは続きます。

新しい契約を探したり、書類を用意したりする必要がないのは、大きなメリットです。

「とにかく面倒なことはしたくない」という方には、いちばんらくな選択肢といえるでしょう。

ただし、すでにお伝えしたとおり、この場合の売電単価は7円から9円程度まで下がってしまいます。

何もしないでいると、本来もっと高く売れたはずの電気を、安いまま手放し続けることになりかねません。

「らくさ」と「収入」を天びんにかけて、自分にとってどちらが大切かを考えることが大切です。

選択肢2:売電先の電力会社を切り替える

すこしでも売電収入を確保したい方におすすめなのが、売電先を別の会社に切り替える方法です。

FIT期間中は、最初に契約した1社としか取引できませんでした。

しかし卒FIT後は、自由にさまざまな会社を選べるようになります。

前の章でみたとおり、新電力のなかには、大手よりも高い単価を提示している会社が数多くあります。

切り替えには手続きが必要になりますが、初期費用はかからず、収入アップにつながる可能性が高いのが魅力です。

こんな方に向いている選択肢です。

  • 売電収入を、できるだけ高くキープしたい方
  • 蓄電池のような大きな出費は、いまは避けたい方
  • 発電した電気を、無駄なく現金化していきたい方

切り替えを検討するときは、買取単価だけでなく、手続きにかかる期間や、契約の縛り・解約条件まで確認しておきましょう。

選択肢3:蓄電池を導入して余剰電力を自家消費する

「電気を売る」のではなく、「電気をためて自分で使う」という発想に切りかえるのが、蓄電池の導入です。

家庭用の蓄電池があれば、昼間に太陽光でつくった電気をためておき、発電できない夜間や、停電のときに使えます。

売電単価が下がったいま、安い値段で売るよりも、自分で使って電気代を浮かせたほうがお得になるケースが増えています。

たとえば、卒FIT後の売電単価が8円だとして、電力会社から買う電気が30円だとしましょう。

1kWhの電気を「売る」のではなく「自分で使う」だけで、実質的に差額の22円分が得になる計算です。

さらに蓄電池には、災害時の備えになるという大きな安心感もあります。

地震や台風で停電しても、ためた電気で照明や冷蔵庫を動かせるのは心強いものです。

一方で、初期費用がネックになりやすい点には注意が必要です。

容量にもよりますが、設置費用をふくめると100万円以上かかることもめずらしくありません。

また、大型の空気清浄機ほどのサイズがあるため、設置スペースの確保も事前に考えておきましょう。

それでも、補助金をうまく活用したり、長い目で電気代の削減効果をみたりすれば、経済的にもじゅうぶん検討する価値のある選択肢です。

選択肢4:EV・エコキュートを活用して自家消費を増やす

蓄電池のほかにも、自家消費を増やす方法があります。

それが、電気自動車(EV)やエコキュートを活用するやり方です。

これらの設備は、昼間に余った電気を「ためる先」や「使い道」として、とても相性がよいのが特徴です。

ここでは、それぞれの特徴をくわしくみていきましょう。

蓄電池と電気自動車(EV)の特徴比較

電気自動車(EV)は、走るための乗り物であると同時に、大きな「動く蓄電池」としても使えます。

家庭用蓄電池とくらべると、EVのほうが電気をためられる容量が大きいのが一般的です。

そのため、停電時にも長い時間、電気をまかなえるという強みがあります。

ただし、EVにためた電気を家庭で使うには、「V2H(Vehicle to Home)」という専用システムが必要です。

このV2Hの設置には追加の費用がかかるため、導入のハードルはやや高めといえます。

両者の違いを、表で整理してみましょう。

比較項目 家庭用蓄電池 電気自動車(EV)+V2H
ためられる容量 中程度 大きい
停電時に使える時間 数時間〜半日程度 1日以上まかなえることも
主な役割 電気の備蓄に特化 移動と備蓄を兼ねる
追加で必要なもの 特になし V2Hシステムの設置費用
向いている人 着実に電気代を抑えたい人 予算に余裕があり、車も活用したい人

「車をよく使う」「予算に余裕がある」という方なら、EVとV2Hの組み合わせは魅力的な選択肢になります。

一方で、まずは手堅く電気代を抑えたいなら、家庭用蓄電池から検討するのがおすすめです。

エコキュートと組み合わせるメリット

エコキュートとは、ヒートポンプの技術を使って、効率よくお湯を沸かす給湯機のことです。

少ない電気で多くの熱をつくれるため、省エネ性能の高さで知られています。

このエコキュートを太陽光発電と組み合わせると、卒FIT対策として大きな効果を発揮します。

ポイントは、**昼間に余った電気を、お湯というかたちで「ためておける」**という点です。

これまでは、夜間の安い電気でお湯を沸かすのが一般的でした。

しかし卒FIT後は、安く売るしかなかった昼間の余剰電力を、給湯にまわすほうがずっとお得になります。

具体的なメリットを整理してみましょう。

  • 昼間の余剰電力を、お湯として無駄なく使いきれる
  • 売電単価が下がっても、給湯にまわせば電気代の節約につながる
  • 蓄電池のような大きな設置スペースを、新たに用意しなくてよい場合が多い

すでにエコキュートをお使いのご家庭なら、運転する時間帯を昼間に調整するだけでも、自家消費率を高められます。

太陽光・蓄電池・エコキュートを上手に連携させれば、家全体でエネルギーを無駄なくまわせるようになるでしょう。

卒FIT後に自家消費へ切り替える際のポイント

ここまでみてきたとおり、卒FIT後は「売る」よりも「自分で使う」自家消費が、有力な選択肢になっています。

ここでは、自家消費に切り替えるときに知っておきたい、経済メリット・初期費用・補助金の3つのポイントを解説します。

お金にまつわる部分をしっかり押さえておけば、安心して一歩を踏み出せます。

自家消費率を高めることで得られる経済メリット

自家消費の最大の魅力は、「電気代の節約効果」にあります。

その理由は、「売る電気の値段」と「買う電気の値段」に、大きな差があるからです。

卒FIT後に電気を売っても、1kWhあたり7円から9円ほどにしかなりません。

ところが、電力会社から電気を買うと、平均でも1kWhあたり26円ほど、使用量の多いご家庭では30円から40円ほどを支払うことになります。

ここ数年、電気料金は上昇傾向が続いており、家計への負担も増しています。

つまり、安く売るより、その電気を自分で使って「買う量を減らす」ほうが、はるかにお得なのです。

具体的なイメージを、つぎの表で確認してみましょう。

電気1kWhの使い道 家計へのインパクト
卒FIT後に売電する 約7円〜9円の収入
自家消費する(買う電気を減らす) 約26円〜40円の支出を節約

同じ1kWhの電気でも、使い道によって3〜5倍ほどの差が生まれることがわかります。

自家消費率を高めることは、これからの卒FIT対策における、もっとも効果的な王道といえるでしょう。

導入時の初期費用と投資回収の目安

自家消費に本格的に取り組むには、蓄電池などの設備投資が必要になります。

ここで気になるのが、「いくらかかって、どれくらいで元が取れるのか」という点でしょう。

家庭用蓄電池の場合、設置工事までふくめると、100万円以上の初期費用がかかるのが一般的な目安です。

容量やメーカーによって価格は変わりますが、けっして小さくない金額です。

回収までの期間は、ご家庭の電気の使い方によって大きく変わります。

電気をたくさん使うご家庭ほど、節約できる金額が大きくなり、回収までの期間は短くなる傾向があります。

投資回収を考えるうえでのチェックポイントを整理しておきましょう。

  • 毎月の電気使用量が多いほど、節約効果も大きくなる
  • 補助金を活用できれば、実質的な初期費用を抑えられる
  • 蓄電池の保証期間や寿命も、長い目でみて確認しておく

初期費用だけをみて「高い」と判断せず、10年・15年といった長いスパンで総額を比べることが、かしこい選び方につながります。

活用できる補助金・支援制度

蓄電池やエコキュートの導入で、ぜひ活用したいのが補助金です。

国は再生可能エネルギーや省エネ設備の普及を後押ししており、蓄電池の導入に対して補助金を用意していることがあります。

また、お住まいの都道府県や市区町村でも、独自の支援制度を設けている場合があります。

国と自治体の両方を組み合わせて使えるケースもあり、うまく活用すれば初期費用をぐっと抑えられます。

補助金を活用するうえで、知っておきたいポイントは次のとおりです。

  • 補助金には申請期間や予算の上限があり、早い者勝ちになりやすい
  • 年度ごとに内容が変わるため、最新の情報を確認することが欠かせない
  • 申請には書類や条件があり、設置業者がサポートしてくれる場合も多い

補助金は時期によって受けられる内容が大きく変わります。

導入を検討しはじめたら、まずはお住まいの自治体のホームページや、設置業者に最新の制度を確認することから始めましょう。

あなたはどのタイプ?卒FIT対策の選び方

ここまで、さまざまな選択肢をみてきました。

「結局、自分はどれを選べばいいの?」と感じている方もいるかもしれません。

そこでこの章では、暮らし方ごとのおすすめ対策と、早めに動くことの大切さをお伝えします。

ライフスタイル別おすすめ対策診断

卒FIT対策に、たったひとつの正解はありません。

大切なのは、ご自身の暮らし方や価値観に、いちばんあった方法を選ぶことです。

ここでは、タイプ別におすすめの対策を整理してみました。

ご自身に近いものを探してみてください。

あなたのタイプ おすすめの対策
とにかく手間をかけたくない 現在の電力会社でそのまま売電を続ける
売電収入をできるだけ高くしたい 売電先を新電力に切り替える
昼の電気を夜や停電時に使いたい 蓄電池を導入して自家消費する
オール電化で電気をよく使う 蓄電池+エコキュートで自家消費を最大化
車もエネルギーも有効活用したい EVとV2Hを活用して自家消費を増やす
防災や停電対策を万全にしたい 蓄電池を中心にそなえを固める

たとえば、日中は家に人がいないご家庭なら、昼の余剰電力を蓄電池にためて夜に使うスタイルが向いています。

反対に、当面は大きな出費を避けたいご家庭なら、まずは売電先の切り替えから始めるのが現実的でしょう。

「収入重視」「節約重視」「防災重視」のどれを大切にするかで、選ぶべき道は変わってきます。

卒FIT対策は早めの検討が重要な理由

卒FIT対策で、もっとも気をつけたいのが「先送り」です。

なぜなら、多くの売電契約は、卒FIT後に自動で更新されるしくみになっているからです。

自動更新そのものは便利ですが、ここに落とし穴があります。

気づかないうちに買取単価が下がり、知らないあいだに損をし続けてしまうおそれがあるのです。

しかも、ご自身の契約がいつ満了を迎えるかは、契約者本人にしかわかりません。

「うちはまだ先だろう」と思っていたら、すでに卒FITに入っていた、というケースもあります。

早めに動くことには、こんなメリットがあります。

  • 自分の契約満了の時期を、あらかじめ把握できる
  • 売電先の比較や蓄電池の検討に、じっくり時間をかけられる
  • 補助金の募集時期にあわせて、ベストなタイミングで動ける

まずは、ご自宅の太陽光発電の設置時期と、契約の満了時期を確認することから始めましょう。

それだけでも、卒FIT対策の第一歩を、しっかり踏み出せます。

これから太陽光発電を導入する場合の選択肢

ここまでは、すでに太陽光発電をお持ちの方に向けた内容でした。

しかし、これから太陽光発電を導入したいと考えている方もいるでしょう。

売電価格が下がっている今、新しく導入するなら「自家消費」を前提にした方法が主流になっています。

ここでは、初期費用を抑えながら導入できる「PPAモデル」を紹介します。

自家消費型PPAモデルとは

PPAとは、「Power Purchase Agreement(電力販売契約)」の略です。

かんたんにいえば、専門の事業者に太陽光発電設備を設置してもらい、つくった電気を使わせてもらうしくみです。

設備の所有者は事業者なので、利用する側は設備を買う必要がありません。

そのため、初期費用がかからず、設置後の運用やメンテナンスの手間もかからないのが最大の魅力です。

利用者は、使った電気の量に応じて、毎月のサービス料を支払います。

導入方法を、従来の「自己設置」と比べてみましょう。

比較項目 自己設置 PPAモデル
初期費用 高額になりやすい かからない
設備の所有者 自分 PPA事業者
メンテナンスの手間 自分で負担 事業者が負担
余った電気 売電などで活用できる 契約しだいで活用できる
契約期間 しばりなし 20年ほどの長期契約が一般的

PPAは初期費用ゼロで始められる一方、契約期間が長く、設備を自由に処分できないという側面もあります。

「まとまった初期費用は出せないが、太陽光発電のメリットは受けたい」という方に、ぴったりの方法といえるでしょう。

オンサイトPPAとオフサイトPPAの違い

PPAモデルには、大きく分けて2つの種類があります。

「オンサイトPPA」と「オフサイトPPA」です。

ふたつの違いは、太陽光発電設備をどこに設置するかにあります。

それぞれの特徴を整理してみましょう。

種類 設置する場所 特徴
オンサイトPPA 自分の敷地内(屋根や土地) 基本的なモデルで、費用を抑えやすい
オフサイトPPA 自分の敷地の外 設置スペースがなくても導入できる

オンサイトPPAは、自宅や工場の屋根、あいている土地などに設備を置く方法です。

設置場所さえあれば費用を抑えやすく、PPAの基本的なかたちといえます。

一方のオフサイトPPAは、離れた場所に設置した設備の電気を、送電網を通じて使う方法です。

設置スペースがない場合でも導入できますが、費用はオンサイトよりも高くなる傾向があります。

まずは設置できる場所があるかを確認し、スペースがあればオンサイト、なければオフサイトという順で検討するとよいでしょう。

卒FITに関するよくある質問

最後に、卒FITについてよく寄せられる質問にお答えします。

素朴な疑問をここで解消して、安心して対策に進みましょう。

卒FIT後も売電契約は自動で継続される?

多くの場合、卒FIT後も売電契約は自動的に継続されます。

そのため、特別な手続きをしなくても、電気を売ること自体は続けられます。

ただし注意したいのは、自動継続されたあとの買取単価が、大幅に下がっているという点です。

「契約が続いているから安心」と思っていると、知らないあいだに安い単価で売り続けてしまいます。

自動継続だからこそ、一度は自分の契約内容と単価を確認しておくことが大切です。

手続きや申請は必要?

必要かどうかは、選ぶ対策によって変わります。

いまの電力会社でそのまま売電を続ける場合は、多くが自動継続のため、特別な手続きは不要です。

一方で、売電先を切り替える場合には、新しい会社との契約手続きが必要になります。

その際、「受電地点特定番号」など、契約に関する情報を求められることがあります。

蓄電池やエコキュートを導入する場合は、設置工事に加えて、補助金の申請手続きが発生することもあります。

「何もしない」以外の選択肢を選ぶときは、ある程度の手続きが必要だと考えておきましょう。

今後の卒FIT制度はどうなっていく?

卒FITを迎える設備は、これからも年々増え続けていく見込みです。

固定価格での買い取りが終わったあとの電気をどう活かすかは、社会全体の大きなテーマになっています。

そうした流れを受けて、各電力会社は、これまでにない新しい売電サービスやプランを次々と打ち出しています。

市場連動型の買い取りや、蓄電池とのセットプランは、その代表例です。

また、EVやエコキュート、蓄電池といったエネルギーをためる技術は、年々進化しています。

こうした技術の発展は、卒FITを迎えた家庭にとって、追い風になっていくでしょう。

「売る」から「ためて使う」へ。

卒FITをきっかけに、エネルギーとのつきあい方そのものが、大きく変わろうとしています。

卒FIT後の対策で迷ったらTREND LINEにご相談ください

ここまで解説してきたとおり、卒FIT後の電気を無駄なく活かすには、「売る」「ためて使う」のどちらを選ぶにしても、ご家庭ごとの条件にあった対策を見きわめることが欠かせません。

売電先の切り替え、蓄電池の導入、エコキュートやEVを使った自家消費——選択肢はさまざまですが、どれが本当にお得になるかは、電気の使い方や設置環境、既存設備の状態によって変わってきます。

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まとめ

ここまで、卒FITの基本から、売電価格の変化、そして具体的な対策までを解説してきました。

最後に、大切なポイントを振り返っておきましょう。

  • 卒FITとは、FIT制度による固定価格での買取期間(住宅用は10年)が満了すること
  • 卒FIT後も売電はできるが、単価は大手で7円〜9円ほどまで下がる
  • 主な選択肢は、売電継続・売電先の切り替え・蓄電池・EVやエコキュートの活用の4つ
  • 売電単価が下がった今は、「自分で使う」自家消費がもっともお得になりやすい
  • 契約は自動更新が多いため、早めに満了時期を確認することが損を防ぐカギ

卒FITは、見方を変えれば「エネルギーとのつきあい方を見直す、絶好のチャンス」です。

これまで何気なく売ってきた電気を、これからは賢く活かしていく。

そのひと工夫が、家計の節約にも、もしものときの安心にもつながっていきます。

まずは、ご自宅の太陽光発電の契約が、いつ満了を迎えるのかを確認することから始めてみてください。

その小さな一歩が、卒FIT後の暮らしを、より豊かなものにしてくれるはずです。

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